郷に入っては郷に「従う」なのか「従え」なのか

「郷に入りては郷に従う」とも。

手持ちの大辞林(第三版)では「郷に入っては郷に従う」だったが、広辞苑(第三版)だと「郷に入っては郷に従え」であった。goo辞書は大辞泉であるが、「郷に入っては郷に従え」である。
グーグル検索した限りでは「従え」が多いが、郷に入っては郷に従う(ごうにいってはごうにしたがう):ことわざデータバンク などは「従う」としている。

出典は、童子教。リンク先は、文化十一年・江戸鶴屋〈仙鶴堂〉板をテキスト化したもの。漢文では「入郷而随郷 入俗而随俗」とあり読み下し文は「郷に入りては而ち郷に随い、俗に入りては而ち俗に随う」。また、同ページ内にある仮名書き文だと「ごうにいつてはごうにしたがひ ぞくにいつてはぞくにしたがへ」とある。

童子教 とは、鎌倉時代末期から使われた漢文の教訓書であるが選者は不明。教えてあることと、広辞苑大辞泉などが「従え」とすることから「郷に入っては郷に従え」の方が妥当だろうか。
ちなみに、英語では "When in Rome, do as the Romans do" で、when in Rome, do as the Romans do - ウィクショナリー日本語版 によると、原文はラテン語で、4世紀のミラノ司教聖アンブロジウスの言葉とされる。

  • sī fueris Rōmae, Rōmanō vīvitō mōre; sī fueris alibī, vīvitō sīcut ibī
  • if you were in Rome, live in the Roman way; if you are elsewhere, live as they do there
  • ローマにありてはローマ人の如く生き、その他にありては彼の者の如く生きよ