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魔法少女まどか☆マギカにおいて「魔獣」はどのように生じたか

魔法少女まどか☆マギカ 最終回のまどかの『願い』とその後の解釈 - Togetter で少々まとめられているが、魔法少女まどか☆マギカ(以下まどマギ)における魔獣とは一体どのような存在かを考察した。
また、最後の方に新編の予測を書いているので劇場版の後編を見てない人はご注意下さい。

魔女から魔獣を狩る存在へ

まどかにより改変された世界で魔法少女は、魔女ではなく魔獣を狩るものとして存在している。魔獣を倒すことで得られるキューブ状の物体により、魔法少女は魔力を回復させる。また、キュゥべえが集めている感情のエネルギーもキューブにより回収される仕組みだ。魔獣が生じる理由は不明だが、人間の負の感情などから生じているようだ。怨念に近い概念であり、人間の負の感情を糧にしているのだろう。
改変後の世界では、魔獣は感情を持つ人間社会において必ず生じるから、有史以前から存在したのだろう。少なくとも、キュゥべえたちがエネルギー回収のために創りだしたわけではないようだ。魔獣は人間が文明社会を発展させる上で邪魔な存在である。魔獣を排除できる魔法少女と、エネルギーを回収できるキュゥべえたちは、ほむらが言うように協力関係にあると言える。

キュゥべえたちが正の感情をエネルギー化しないのは、人類が発展できないからだろうか。効率を考えると、人類を発展させたほうが、より多くのエネルギーを回収できるはずである。人類の発展に寄与する正の感情を回収するよりは、数を増やし負の感情を集めたほうが良いはずだ。あるいは、感情も同様に、正から負へ落ち込みエネルギーでないと利用できないのかもしれない。

改変前から存在したか、改変後に生じたか

なぜ改変後の世界で魔獣が生じるのか。これには大きく分けて2つの解釈があるだろう。一つは、改変前から魔獣は存在していた。もう一つが、改変後に魔獣が生じるようになった。前者の場合、改変前の世界にも元々魔獣が存在していたが、魔女により捕食あるいは使い魔として使役されていた可能性がある。ただし、この説はキュゥべえが改変前に魔獣に関して何も言及していないという点で弱い。

改変後に魔獣が生じた場合は、まどかが積極的に魔獣の誕生に関わった可能性も考えられる。まどかが、魔女は存在しないが魔法少女を存続させるため魔法少女が狩る対象として魔獣という概念を考えた可能性だ。しかし、まどかがそこまで考えた描写はない。また、キュゥべえの願いを叶えるシステムの性質から考えると、まどかがわざわざ魔獣という概念を考える必要はない。
キュゥべえの願いを叶えるシステムは、少女の曖昧な言葉でも解釈され成立してしまう。曖昧な言葉であっても、整合性がとられるように願いが成就させるからだ。例えば、杏子の願いは「父の話に人々が耳を傾けてくれるように」であるはずだが、聞いた人を洗脳させるような効果があったようである。ほむらは「まどかとの出会いをやり直したい」と願っただけで時間を逆行する能力を得ている。つまり、まどかが「魔女のいない世界」を願っただけで、改変後の世界を構築させるには十分だったはずである。まどかが、改変後の世界の全てをデザインする必要はない。

バグにより生じた魔獣

キュゥべえが契約の際に願いを引き換えにするのは、魔法少女-魔女相転移システムのために構築されたのだろう。原理は分からないが、ある種のルールに則りシステマチックに実行されている。
システムには必ず穴がある。そのセキュリティホールをついたのがまどかによる世界改変である。ただし、世世界改変を行うには莫大な運命力が必要となる。それを補ったのがほむらである。まどかを救うためループを繰り返し、平行世界の因果をまどかに集めることで世界を改変できるほどの運命力を凝縮することができた。これもまたキュゥべえたちが想定していなかったシステムの穴であろう。

ちなみに、平行世界が数多く存在するなら、岸和田博士の科学的愛情ではないが、平行世界からエネルギーを得ればいいじゃんと思わなくもない。キュゥべえが問題にしているのは、平行世界を含めた全宇宙のエネルギー量の話かもしれない。無限には無限なりの大きさが、つまり濃度の違いがあるが、平行世界を含めた全宇宙のエネルギー量は減る一方であることには変わりがないのだろう。

まどかの願いはシステムの穴をついた願いであった。まどかの願いにより、魔法少女が魔女へと転移しない世界が生じた。まどかという概念、つまり円環の理が魔法少女が魔女化するのを阻害している世界である。
魔女は魔法少女より発生するが、人間の負の感情を吸収し成長する。魔女により、世界に蔓延る正気である人間の負の感情を一極集中できる。その点からも、改変後のキュゥべえ魔法少女-魔女相転移システムを効率的であると評しているのだろう。人間から生じた負の感情を処理することで、文明が発展してきた側面もあるだろう。
しかし、まどかの円環の理により魔女が発生しなくなった。一方で魔法少女は存在するため、負の感情は魔力となり得る。また、魔法少女が存在しない限りまどかという概念も存在できない。この整合性を取るために、ある意味バグが発生するようにして魔獣が生じたのではなかろうか。
偶然にも、魔獣はモザイクやノイズのかかったバグのようなデザインである。もちろん、ここまでの解釈を考えた結果のデザインではないだろうが、改変前には存在せず、改変後に生じるようになった雰囲気を醸し出している。

新編について

ほむらが見たくて劇場版の魔法少女まどか☆マギカを見てきた。後編しか見ていないが、ほむほむスキーとしては十分な気がする。いや、やはりマミさんに縛られるほむほむが見たい!
TV版をなぞっているので、所謂劇場版ガンダムと似たような商法である。一応新カットなどがあるが、ほむらとキュゥべえのいる墓は一体何を表すのかよくわからない。そもそもまどマギはほむホームなど全編通して空間が謎であるけども。

さて、劇場版「魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語」が2013年に公開予定である。この予告編のために見に行って正解だったかもしれない。
私は以前、まどか「すべての記憶 すべての存在 すべての次元を消しそして 私も消えよう 永遠に!」 において以下のように述べた。

QBを派遣した知性体は感情をエネルギーにする理論を発見した。劇中に特に説明はないが、魔法少女から魔女への相転移は数式化できるのであろう。でなければ、規定のエネルギー量を測定できない。つまり、魔法少女-魔女の相転移には何かしらの定数があるはずだ。まどかの改変した後の世界では、改変前には円環の理Φという定数が見つかるだろう。つまり、まどかは宇宙の法則を決める定数の一つになったのだ。円環の理Φとは魔法少女-魔女相転移を阻害する定数だ。それは、アインシュタインが定常宇宙を導くために導入した宇宙項のように。QBを派遣した文明は、はたして円環の理Φを見つけ出し、魔女化する宇宙を構築できるだろうか。

まどかにより生じた魔女化しない世界でも、魔女化しないだけで運命力は凝縮可能である。つまり、何者かが効率化を狙って魔女化する世界に再改変する可能性もあるだろう。

予告を見る限りでは、多大な運命力を有する魔法少女あるいは魔獣が擬似魔女システムのような構築する話だと予想した。
改変後に世界でも運命力の凝縮は可能でる。ただし、改変前に比べると魔女がいないため凝縮が非常に難しい。ある少女が、魔法少女が消えない世界を望んだとしたら、円環の理と真っ向から対決することになる。それは、まどかと対立する概念である。まどかがその概念と戦うため、改変前と改変後、そしてまどかの能力を一部継承しているほむらを介して、登場すると面白いなと思います。ちなみに、改変後の世界において、ほむらは最大なる特異点なんですよね。ほむらを中心に話が進むのも当然なのです。ほむほむ!