ニコニコ動画における字幕プレイ動画をだらだらっと紹介するよ

本エントリはサークル敷居亭の冬コミ新刊である「敷居の部屋の混沌」に寄稿したニコニコゲーム実況動画の歴史の補章になります。
3日目 東地区 R - 07 b 「サークル敷居亭」 なのでおばけと握手!
既に、無限に広がる格ゲーエンターテインメント! ニコニコMUGEN動画の魅力 - 敷居の先住民 にてMUGENに関する記事が先行公開されていますので、お試しあれ!

はじめに

魅せプレイでないゲームプレイ動画をそのまま投稿しても面白味にかける。「とてもいやな名前でFF4」シリーズのようなネタに走らない限り長時間見続けるのは無理だろう。魅せプレイならばメタルギアソリッドのスーパープレイで知られる 儀式の人 ほどの腕前が必要だ。それでもゲームの内容を知らなければ楽しむことはできない。そこで、ゲームの内容、状況を説明する必要が生じる。本章では声による解説であるゲーム実況動画について解説したが、補章では字幕を用いた字幕プレイ動画について解説する。

テクテクさん&ときちくさん

字幕プレイ動画はゲーム実況に比べ制作に手間がかかる。また、コメントが表示されるニコニコ動画と相性は良くない。一部のうp主はニコニコスクリプトにより下コメや0分コメを禁止したり、コメントマスクを使用したりと工夫を凝らしている。それでもゲームプレイを見ながら字幕とコメントを読むのは大変だ。解説によっては一時停止しなければ読めないこともあり見る方も手間がかかる。字幕プレイ動画は作る方も見る方も大変なためかゲーム実況ほどは盛況ではない。しかしながら、高度なプレイと編集、詳細な解説、PCゲームが多いこと、盛り込まれるネタと完成度の高い動画が多く根強い人気がある。

ニコニコ動画における字幕プレイ動画においてテクテクは外せない。上手いゲームプレイ、適度な編集、的確な解説に、ふたば☆ちゃんねるをはじめとしたネタの多さで人気を博している。ニコニコ動画における字幕プレイ動画のお手本とも言える。デビュー作である「OBLIVION -テクテク冒険記」は解説が分かりやすく、動画がきっかけでOblivionを始めたユーザーも少なくない。Oblivionプレイ動画はアカウント凍結によりpart91以前の動画が一旦削除されてしまったため最初の投稿日時が確認できないのが残念である。

Call of Duty 4 -テクテク従軍記-」に触発され2008年3月6日から、「高画質を目指す Call of Duty 4」として字幕プレイ動画をはじめたのが、ときちくである。ときちくとは「高画質を目指す 時々鬼畜な Crysis」のシリーズ名である時々鬼畜なから来ている。ときちくもテクテク同様に決まった呼び名がなかったが、シリーズ名から愛称が固定化した。先に紹介した儀式の人もだが、字幕プレイ動画ではうp主が名乗ることが少ないためか、シリーズを通すことでユーザーに勝手に名前が呼ばれ定着することが多いように感じられる。
ときちくの編集芸と字幕芸は「時々鬼畜な - ASSASSIN'S CREED アサシンクリード -」でさらなる発展を遂げる。当初は、翻訳とゲーム内の時代背景を説明する程度であったが、必殺仕事人のテーマを合わせたり嘘字幕を入れたりと笑いも入れつつ、映画の予告編のようなシリアスな編集も行ったりと楽しめる内容となっている。

解説動画のための字幕

字幕プレイ動画は実況プレイ動画に比べて編集に手間がかかるため動画数は多くはない。状況を解説するならば、声による実況の方がニコニコ動画との相性も良い。字幕プレイ動画はじっくりと見るタイプのどうがであり、解説動画向きとも言える。特に字幕プレイ動画は洋ゲーやシミュレーションにストラテジーなどとっつきにくいゲームを紹介し解説するのに向いている。

先のテクテクやときちくによる動画も洋ゲーというとっついkにくいゲームを紹介し解説する動画である。ニコニコ動画においては、文明育成ゲームとして知られる Civilization のプレイ講座動画も多い。Civilization は奥深いゲームであるが、事前知識なしにプレイするのはなかなか難しい。未プレイな人でも楽しめてやってみようと思わせるのが、その名の通り シリーズ未経験者にもお勧め「Civilization4」プレイ講座 である。シリーズを通してみれば、何をすればよいか分かるであろう。ちなみに、つー助助教授による モナー村開拓史 もおすすめである。
日本でのCivilization4の販売はニコニコ動画の寄与も無視できないようで、プレイ動画に対する あるゲームメーカーの怒り:ゲーム業界とプレイ動画あれこれ - P2Pとかその辺のお話@はてな によると Civilization4 では日本語版の販売元であるサーバーフロントがニコニコ動画でお礼の告知を売ったこともあるそうだ。プレイ動画を直接認めたわけではないが、Civilization4 にようにとっつきにくく、かつプレイヤによってプレイ内容が全く異なってしまうゲームにとってプレイ動画はゲームを知ってもらう工画が高いのだろう。
Civilization4ならば、字幕プレイ動画ではないけどもスパイ経済の人こと通称スパ帝による、Civilization4 スパイ経済 も是非見て頂きたい。教材ビデオかと思ったら、モノマネあり小ネタありとCivilization4を知らなくても楽しめる、知っていればより楽しめスパ帝のすごさを実感できるシリーズである。


字幕による解説は、TASの解説にも向いている。ニコニコ動画はTAS動画の解説にあったサービスである。【TAS】 ドラゴンクエスト3 (31:01) ルビーバグ使用 【全力で解説】 はニコニコスクリプトを用いてドラクエ3のTASを全力で解説した動画だ。ニコニコスクリプトでなくても、投稿者コメントにより解説するうp主も多い。字幕を入れて解説している動画においても、訂正を投稿者コメントで行う場合も多い。
TASを字幕により解説するうp主として おやつの人 は外せない。元々はβ時代に シリーズ最難 マリオ2の裏面に挑戦 1/7 - YouTube などスーパーマリオを中心としてプレイ動画を投稿していたが、最近ではロマサガシリーズのTASやRTAに挑戦しづつける人として知られる。ロマサガシリーズへの造形が深く、TASで培った知識を生かしRTAをもこなす。動画は早送りやコンパクトな解説に「します、させます、させません」といったTAS特有の言い回や、性別がようせいであることから人気を博している。

縛りプレイ動画のための字幕

縛りプレイ動画も字幕による解説が向いている。縛りプレイ動画では、クリアできるまで同じシチュエーションを繰り返す。毎回声により実況するのは億劫だ。また、クリアのための理論式や状況分析など声よりも文字で見たほうが分かりやすい。
ニコニコ動画においてはポケモンやワパプロにドラクエ、FFシリーズなど縛りプレイが数多いが、個人的に熱いと感じているのはロマサガシリーズである。縛り内容、ゲームへの知識のみならず編集レベルが無駄に高い。
ロマサガ2 ベア皇帝一人旅・第1章 はベアのみでクリアする単純明快な縛り動画だが、技の閃きやフラグの解説がなされておりロマサガ2を投げてしまった人のもおすすめである。同じくロマサガ2としては、小剣のみでクリアを目指す ロマサガ2 〜貴方の小剣縛ってあげたい〜 を挙げたい。小剣のあまりの使えなさに投げ出したくなるような状況を傍から見るのは実に楽しい。また、同じうp主による ロマサガ3 〜貴方の小剣ウェイクアップ〜 は編集力がアップしており実に楽しい動画に仕上がっている。同動画に影響を受けたうp主は多く、以後編集に凝ったロマサガ3縛りプレイ動画が増えていくこととなる。そのすべてを紹介すつことはできませんが。
ロマサガ3 一人旅 〜体術最強伝説〜 シリーズのうp主による ロマサガ3 コマンダー・サラの決死隊ロマサガ3で使い勝手のよく分からないコマンダーモード解説動画としても完成度が高い。
編集が懲りすぎている動画としては、ロマサガ3 〜サラちゃん術のみ一人旅〜ロマサガ3 〜槍縛り一人旅 モニカ姫編〜 など。うp主の編集力のアップも楽しみの一つであろう。特に、後者の槍縛りは真・破壊するものを状況際限なしにクリアするという快挙を達成しているといえば、分かる人にはその凄さが分るであろうか。


ロマサガシリーズではなく未完ではあるが FF5 モンク縛り も一見の価値がある。バッツでモンクのみでクリアを目指す動画であり、あまりにも無謀。なぜか毎回きらびやかなOPが用意されており、縛りプレイ動画なのかMADなのかよく分からない作品である。同様に、MADがメインなのか縛りプレイがメインなのかよく分からない動画として 【三国志?】101匹阿斗ちゃん OP もおすすめだた。暗愚として知られる劉禅が汚名返上のために101匹て天下統一を目指す物語である。101匹の劉禅のみで戦闘を行うなど厳しいクリア条件を課しクリア不能かと思われたが、この度足掛け3年半を経て完結を果たした。101匹の劉禅が織り成す人間模様に何故か感動し、三国志の正史とは演技とはを考えさせる動画でもある。
同動画のスピンオフである 【三国志?】101匹の劉璋オンリーで敵の強さ+200%のクリアを目指す も外せない。101匹亜斗のうp主だるネコミミ于禁から精神力バグを言わしめた、ゆっくり市長の精神力も見所の一つである。一時期は、101匹の劉禅劉璋でどちらが先に天下統一を目指すか競い合っていた。劉璋の勝利であったが、その結果101匹亜斗シリーズでチート武将となった劉璋が登場し劉禅を苦しめる事となる。