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勇者はなぜ旅立つのか

はじめに 大分類

ゲーム、主にRPGにおける主人公が旅立つ理由を分類しまとめた。

主人公の初期状態を以下の4つに分けた。

  • 1. スタート型(起点型)
    • 旅立つ理由が描写される。
  • 2. フリー型(放浪型)
    • 主人公は既に旅に出ている。事件に巻き込まれストーリーが動き出す。
  • 3. ゴール型(目的型)
    • ゲーム開始時に大きな目的が提示される。
    • 最近では、スタート型と混合する。古いゲームではスタートが描かれない。
  • 4. ベースポイント型(拠点型)
    • 拠点を中心に話が進む

また、旅立つ理由を以下の3つに分類した。

  • a. 自らの意思
  • b. 誰かに命じられ
  • c. やむなく

以上の4×3 = 12 の組み合わせを具体的なゲームを元にまとめた。

  • 1-a:スタート型・自らの意思
    • 自らの意思で旅に出るタイプ。何かを得るためが多いか。
    • ドラクエ3FF12など
  • 1-b:スタート型・誰にかに命じられ
  • 1-c:スタート型・やむなく
    • 故郷などを追われやむなく旅立つタイプ。復讐劇になりやすい。
    • FF2、ドラクエ4FF13
  • 2-a:フリー型・自らの意思
    • 自らの意思で既に旅に出ているタイプ。冒険者など。
    • FF5FF6のロック
  • 2-b:フリー型・誰かに命じられ
    • 誰かに命じられて、旅の道中にあるタイプ。多くはない。
    • ドラクエ8
  • 2-c:フリー型:やむなく
    • 住む場所を追われたり、何かに巻き込まれ放浪しているタイプ。
    • ドラクエ5FF7FF9
  • 3-a:ゴール型:自らの意思
    • スタート型同様に、何かを得るために。
    • FF1、魔界塔士サガ
  • 3-b:ゴール型:誰かに命じられ
    • 目的を告げられる。スタート型同様に倒伐が多いか。
    • ドラクエ1
  • 3-c:ゴール型:やむなく
    • 異世界に連れられ帰るためなど。
    • FF10
  • 4-a:ベースポイント型:自らの意思
  • 4-b:ベースポイント型:誰かに命じられ
  • 4-c:ベースポイント型:やむなく

それでは、まずはドラクエ3の勇者が旅立つ理由挙げ、その後より具体的に解説していこう。

ドラクエ3の勇者はなぜ旅立つのか

ドラクエ3を始めてプレイしたときは、朝起きたら母親に連れられて王様に会ったら何やらバラモスとかいう奴を倒せと命じられて仕方なく旅だったと感じた。王様は端金しかくれないので、非常に理不尽な旅立ちだなと思ったものだ。エニックスが発行していたドラクエ4コマや、ネット上でドラクエ3の二次創作でも「何か知らんが王様に命じられて旅立つことになった」なる解釈がしばし見受けられる。僕以外にも理不尽な旅立ちだと感じている人がいるようだ。
さて、ドラクエ3の勇者はなぜ旅だったのか。それを確かめるために、原典をもう一度確かめてみよう。

それは16歳になる誕生日のことであった

僕が、ドラクエ3において「何か知らんが王様に命じられて旅立つことになった」と解釈した下地には、ドラクエ1、2の旅立ちも理不尽だったからであろう。ドラクエ1はロトの血筋を引くからという理由のみで王様に呼びつけられる。スタート時は鍵を開けないと外に出られないという軟禁状態だ。脅しに近い形で光の玉を取り返して来いと言われるのだ。ドラクエ1の王様が脅迫しているのは、プレイヤにゲームの目的と鍵の使い方を教えるというゲーム的な理由によるのだろうけども。一方、2はムーンブルクが滅び世界の危機を感じることができるけども、何も自分の息子を裸一貫で旅立たせることもないだろうに。

起きなさい私の可愛い勇者

それでは、ドラクエ3の旅立ちを振り返ってみよう。FC版のセリフが ドラクエ3セリフ集・その1 にまとめられている。

主人公は16歳の朝に母親に起こされ、着の身着のまま城に連れてこられ、王様に挨拶をして来いと言われる。アリアハン王に会うと、父オルテガは戦いの末に火山に落ちて死んだこと、そして主人公はその遺志を継ぎ旅立つために、王様にあいさつに来たことを告げられる。また、倒すべき敵は魔王バラモスであることも知らされる。
きちんとドラクエ3の旅立ちを振りかってみたら、主人公は自らの意志で旅立つことになっていた。なんだ、僕の記憶違いは。サガ2秘宝伝説も、ドラクエ3と同じように ちちおや の後を追うために旅立つのだが、ドラクエ3と違って ちちおや が旅立つシーンがあり、主人公が自ら ははおや や せんせい に旅に出る決意を述べている。そのため、主人公の意志で旅立つ旨がプレイヤに伝わりやすい。一方のドラクエ3は父オルテガについては王様から初めて聞くし、そもそも母親が勝手に城に連れて行っているので、主人公の意志は明確ではない。主人公の意志が明確でないのは、ドラクエにおいて主人公=プレイヤであるからで、主人公がしゃべらないからだ。つまり旅立ちの理由はプレイヤ次第で、たとえ「そのちちの あとをつぎ たびに でたいという そなたの ねがい しかと ききとどけた!」と言われても、プレイヤによってはバラモス退治を押し付けられたと感じるだろう。サガ2のようにゲームが始まる前に旅立つ理由付けをプレイヤに説明すれば、主人公は自らの意志で旅立つことが伝わるだろう。
FC版のドラクエ3が説明不足なのは容量の都合もあったのだろう。北米版にはオルテガがドラゴンと戦い火山に落ちるシーンが加わっている。ちなみに、キングヒドラと戦うシーンでもパンツ一丁ではなく専用のグラフィックが用意されている。さらに、リメイクされたSFC版には主人公が生まれた後、オルテガが旅立ち火口に落ち、オルテガが死んだと報告を城で聞く幼い主人公と母親のプロローグが追加されている。また、母親に城の入口に連れていかれた後、帰ろうとすると選択肢次第でアリアハン王に会わずに旅立つことができる。ただし、ルイーダの酒場を利用できません。さらに、セリフも若干の変更されている。たとえばFC版では「せかいの ひとびとは いまだ まおうバラモスの なまえすら しらぬ。」ですが、SFC版だと「世界の ほとんどの 人びとは いまだ 魔王バラモスの 名前すら 知らぬ。」となっている。微妙な違いですが、少なくともオルテガの関係者はバラモスの名を知っていると解釈できます。

お告げのドラクエと巻き込まれのFF

ドラクエ4は4章にも渡って勇者が旅立つ理由付けを説明している。5の場合、子供の頃はパパスに連れられ、奴隷から開放された後が真の旅立ちと言えるだろう。6は、精霊のお告げにより旅立っているが本当の自分を探す運命にあった。7も旅立ちの理由はキーファであったが、世界を救う宿命にあった。8は王や姫の呪いを解くため、9は天使であったから女神の果実を取り巻く運命にあった。ドラクエの主人公は自らの意思よりも、宿命を帯び何者かに告げられて旅立つことが多い。

一方、FF1の光の戦士はそもそも戦うためにFF1の世界にやってきている。2は村に帝国を追われてレジスタンスに拾われて、FF3は偶然入った洞窟で光の戦士に選ばれている。4も戦う運命にあったが、旅だった理由は王への疑問。5は冒険者で巻き込まれたから。6はティナ目線だと、やはり4のように戦う運命にあり、2のようにレジスタンス助けられたから。6はそれぞれ帝国と戦う運命にあった人々だ。7はセフィロスに関わったからで、8はそもそも魔城に対抗する組織に所属していたから。9も4のように宿命であるが、旅立つ理由は姫を誘拐するため。10もやはり宿命であったが、見知らぬ土地に飛ばされて帰るために旅を始めている。11はそもそも冒険者ですね。12は空賊になるため、13は妹を救うため。

FFではドラクエ同様に宿命であるが、旅立つ理由は何かしら事件に巻き込まれてという場合が多いようだ。お告げのドラクエと巻き込まれのFFと言えるのではないだろうか。これはセーブの仕方の違いにも見られ、ドラクエは教会で記録をする必要があり、神に行いを報告しなければならない。FFではゲームシステムとしてセーブされているだけで、セーブの理由付けはない。

旅立ちの理由

テイルズシリーズは旅立ちの理由付けが多彩だ。ファンタジアは過去に送られダオスを倒すため、ディステニーでは宮本武蔵のように名を上げるため村を飛び出したら運命に巻き込まれ、エターニアは見知らぬ少女を助けるために村を追われ、ディステニー2¥2は英雄になるため、シンフォニアは神子として世界を救うため、リバースは自身の力の暴走で氷漬けにしてしまった幼なじみを救うため、レジェンディアはたまたまめぐり合った謎の大地から、アビスは攫われて、などなど。
色々なRPGの旅立ちを網羅的にまとめても面白いですが、未プレイのゲームが多いのでそれは叉の機会に。

先にも挙げたがゲーム開始時の状態は大きく4つに分けることができる。

  • 1. スタート型(起点型)
  • 2. フリー型(放浪型)
  • 3. ゴール型(目的型)
  • 4. ベースポイント型(拠点型)

スタート型は、何かしらの理由で故郷などを起点にして旅立つゲームである。主人公の旅立ちが描写される。アリアハンを出発するドラクエ3はこれに当たるだろう。
フリー型は、旅立ちが描写されない場合。主人公が既に旅に出ている場合や、特に拠点もない場合である。ドラクエ5の主人公や、FF5のバッツは旅人であった。
ゴール型はゲーム開始時に目的が示される場合。近年では、スタート型やベース型などその他のタイプと組み合わさっているが、ローラ姫を救い竜王を倒せと言われるドラクエ1などはスタートが描かれないゴール型であろう。
最後はベースポイント(拠点)型。街を起点にダンジョンを攻略するウィザードリィなどがこれに当たる。最後に残った島からはじまるドラクエ7も拠点型と言えるかもしれない。
ただし、これらが混在している場合もあるし、何事にも例外はある。

それぞれの項目を詳しく見る前に、ゲーム開始の状態に主人公がある理由は3つに分けておく。

  • a. 自らの意思
  • b. 誰かに命じられ
  • c. やむなく

これらの3つの具体例はゲーム開始時の状態ごとにそれぞれ異なる場合があるので、後に述べる。

1. スタート型(起点型)

スタート型では主人公の旅立ちが描写される。旅立つ理由は、自らの意思、誰かに命じられ、やむなく、の三つに分類できる。
ドラクエ3は自らの意思であろう。テイルズ・オブ・デステニー1、2のように名を上げるためや、メタルマックスのようにハンターになるために故郷を旅立つ場合もある。主人公が小さな頃から大きな思いを胸に秘め旅立ちを決意する様子が描かれる。自らの意思での旅立ちは、男の子の物語の王道とも言え、プレイヤとシンクロすれば効果的な演出となる。
ドラクエ2ローレシアの王子は王に命じられて旅立つ。ドラクエ6や7では精霊のお告げによる。主人公が何かしら宿命を背負っていることが示唆される。この宿命がプレイヤの心をくすぐれば、開発者としてはしめたものだろう。
スタート型における、やむなくは住む場所を追われる場合がほとんどだ。ドラクエ4の勇者は故郷を滅ぼされ自分だけが生き残り、旅立たざる得ない状況となる。FF2のフリオニールらは帝国兵により故郷を追われる。聖剣伝説2では、聖剣を抜いたランディは厄災を呼ぶものとして住んでいた村を追われる。ドラクエ4のように、故郷を滅ぼされた場合、復讐劇となることが多い。

スタート型では、旅立ちの理由、戦う理由が明確に描かれるため、プレイヤがゲームを始める理由付けを得やすい。その反面、最近ではオープニングが壮大過ぎて、実際にキャラクターを動かせるようになるまで時間がかかる問題がある。

フリー型(放浪型)

フリー型ではゲーム開始時に主人公の旅立ちの理由は明かされないことが多い。多くは、既に旅に出ている所からゲームが始まる。放浪している理由は、やはり自らの意思、誰かに命じられ、やむなくになろう。
FF5のバッツなどは、自らの意思で旅を続けていると言えるだろうか。故郷はあるもののだれも居ないので帰れないだけだが。ロマサガのバーバラは旅芸人であり、グレイは冒険者である。FF6のロックのようなトレジャーハンターなども、自らの意思で旅に出ていると言えるだろう。自らの意思で放浪している場合は、主人公に旅人や冒険者など旅を続けることが常態となったステータスが付記されている事が多々ある。また、物語は主人公が事件に巻き込まれることでうねり始める。
ドラクエ8は王に命じられ、王の従者として旅をしているため「誰かに命じられ」旅の状態にある。しかし、実際は住む場所を追われているので「やむなく」ではなかろう。フリー型において、誰かに命じられというゲームは少ない。何故なら、旅立つ理由を誰かに命じられるシーンが描かなければ気分が盛り上がらないし、何より意味不明だ。スタート型ほど詳細には描かれないにしても、モノローグで説明されるだろう。また分類的には、後に述べるゴール型の誰かに命じられと重複している。
ドラクエ5は、スタート時は誰かに命じられ度に出ているわけではない。旅に出ているパパスの息子なので「やむなく」旅人の状態にあるだけだ。「やむなく」旅に出ている場合は、旅に出ざる得なかった理由こそが物語の核である。FF7クラウドの場合、ゲーム開始時は自らの意思でソルジャーを辞めなんでも屋を営んでいるようだが、実際には「やむなく」である。そして、放浪していた理由こそが物語の核心である。ドラクエ5もパパスが旅に出た理由が乗りに明かされるが、それが物語の核である。

フリー型において自らの意思で旅に出ている場合の主人公は旅人や冒険者である。冒険者は旅が目的であるから、旅立つ理由は後に描かれることはない。物語は、主人公が事件などの巻き込まれることで展開される。一方、「やむなく」の場合は旅立ちの理由が後に述べられる。その理由こそが物語の肝である。また、誰かに命じられた場合はその多くはゴール型の誰かに命じられと重複する。

ゴール型(目的型)

ゴール型はゲーム開始時にゲームの目的が告げられる。最近では、スタート型などその他のタイプと混合することが多い。容量の都合でスタートを十分に描けなかった昔のゲームのほとんどがゴール型ではなかろうか。例えば、マリオはピーチ姫を倒すため、シューティングの多くは敵を倒すため。旅立ちは描写されずに、いきなりゲームが始まる。
例えば魔界塔士サガは主人公の名前を決めたらいきなり街の中にほっぽり出される。ゲーム開始時には目的は塔を登ることだけを告げられる。魔界塔士サガはプロローグを読む限り、自らの意思で塔を登ることを決意している。FF1も漠然とであるが、主人公達は世界を救うためにやってきた光の戦士である。旅立つ理由は描写されないが、目的がはっきりしているためプレイヤも向かうべきか見通しが良くゲームに入り込みやすい。ドラクエ3において、勇者の旅立つ理由がよく分からなくてもとりあえず「バラモスを倒す」という目的は明確だ。それ故に、訳も分からないままとりあえずゲームを開始できるのであろう。
ドラクエ1もゲームの目的がはっきりしている。ドラクエ1は典型的な、ゴールを誰かに命じられたゲームだ。ロトの子孫である主人公の旅立ちは描写されない。ただ、王に召喚されローラ姫と竜王を倒して欲しいと頼まれるだけだ。ゴール型の誰かに命じられの場合、主人公は何かしらの権威にゴールを命じられ旅立つ。シューティングなども、明かされないものの軍の偉い人が命じているのだろう。ヴァルキリープロファイルも主神オーディンにより、エインフェリアを集めてくるように命じられる。権威に命じられない限り、主人公及びプレイヤは納得して旅立つことはできないだろう。
FF10ティーダは故郷から見知らぬ地に飛ばされる。故郷のザナルカンドに帰るためにユウナ達と旅に出る。スタートよりもゴールの方に重きが置かれ、ザナルカンドまでは回想として語られている点からもゴール型に分類したい。やむなくゴール型の場合は、主人公が目的を達成せざる得ない状況に追い込まれる。その中でも「異世界から故郷に帰る」は王道展開となろう。ちなみに、FF10におけるユウナはスタート型の自らの意思で。また、ティーダは暗に父親に命じられた、と解釈もできる。

ベースポイント型(拠点型)

ベースポイント型は、拠点を中心に話が進む。ゲームではないがウルトラマンエヴァンゲリオンなどは拠点型だろう。つまり、地球防衛軍は拠点型だ。漫画ならば結界師やブリーチなど。ただし、話の都合上ずっと拠点に居座るわけにも行かず、ブリーチのように敵地に乗り込む必要もある。学園モノは拠点型と言えるのではないだろうか。FF8もある種の学園モノであり、序盤はガーデンを中心にストーリーが展開していく。戦う理由はSeedだからだ。
ウィザードリィも拠点型だろう。拠点を中心に宝を求め、ドラゴン退治のためにダンジョンへと潜る。目標が明確であるためゴール型に近いが、拠点を中心に目的を達成する点が異なる。不思議のダンジョンのように拠点が発展していく場合もある。依頼が舞い込むクエスト型のゲームと相性が良く、MMORPGなども拠点型である。
ウィザードリィにしてもFF8にしても自らの意思で拠点を中心として目的の達成を目指している。ロマサガ3のミカエルも同様であろうか。一方で、ロマサガ2の皇帝たちはやむえない理由で拠点から打って出ている。これは、俺の屍を越えてゆけも同様。この二作はラスボスを討たなければ自らが滅びるわけで、止むに止まれぬ理由である。一般に、やむえない理由で拠点を中心にストーリーが展開する場合は、拠点防衛型になることが、RPGでは拠点防衛型のゲームは少ない。先に上げた地球防衛軍やその他シミュレーションゲームには拠点防衛型がしばし見られる。
フリー型同様に、拠点型も誰かに命じられて、というRPGは多くはないだろう。敢えて分類するならば、ドラクエ7は誰かに命じられた拠点型と言えるのではないだろうか。ドラクエ7は最後に残った島を中心に、過去へ戻り石版を集め大陸を復活させるゲームだ。石版を集める度に、神殿に戻り、主人公達が出発した理由も精霊に命じられてなので、命じられた拠点型といえなくもないだろう。

まとめ

ゲーム開始時の状態を4つに分類した。

  • 1. スタート型(起点型)
  • 2. フリー型(放浪型)
  • 3. ゴール型(目的型)
  • 4. ベースポイント型(拠点型)

また、理由付けを3つに分けた。

  • a. 自らの意思
  • b. 誰かに命じられ
  • c. やむなく

古いゲームほど、ゴール型が多い。旅立ちが描写されることはなく、大きな目標だけが提示されほっぽり出される。その目的もプロローグ、あるいは説明書によってなされる場合もある。古いゲームにゴール型が多いのは容量の都合であろう。旅立ちを描きたくても、容量が足りないのである。プレイヤとしても、旅立つ理由を描いてくれた方が気分も盛り上がるという物。
そこで、ゲームの容量が増えるに連れ、旅立ちが描かれることが増えてきた。目的が最初から明らかなスタートとゴール型の混合もあれば、取り敢えず村から出て見たら事件に巻き込まれとなど、旅立ちの理由も多彩になっていく。FF13はそれぞれが戦う理由が一つのテーマであった。ただし、最近では旅立つ理由があまりにも詳細に描かれすぎて、肝心のゲーム本編がいっこうに始まらない場合もある。取り敢えずゲームをやりたい人にしてみれば冗長であろう。
メタルギアシリーズを見てみると、メタルギア1、2では旅立ちのシーンは描かれない。MGS1では少し描かれるようになるものの、MGS2はいきなり任務に当たっている。スネークや雷電は自らの意思で闘うわけではなく命令に従うだけだ。MGS3では命令を超えた作戦ではあるが任務の域をでない。一方、MGS4のスネークは自らの意思で戦っている。ゲームの進化と共に、戦う理由が変わっていくのは、それが描けるようになったからだろうか。

既に旅に出ているのがフリー型だ。一般には冒険者など旅を日常とした人物が主人公である。後に、旅だった理由が描かれる場合はそれが物語の肝であることがある。拠点型は拠点を中心に話が展開する。ウィザードリィのように拠点を据えて事に当たるタイプであり、フリー型同様に冒険者などのステータスであることが多い。フリー型と拠点型は表裏の関係にあるだろう。自分が動いて事件に当たって行くのがフリー型であり、事件が舞い込んでいくタイプが拠点型であるとも言えるだろう。拠点型はクエスト形式のゲームと相性が良い。最近はモンハンなどこの手のタイプのゲームが多いだろうか。大きな目標はあるものの、延々とゲームを続けられるのが拠点型の特徴である。

ちなみに、今回上げた分類はゲームに限らず当てはめることができるのではないかなと。