一般のマラソンと車いすマラソンは別競技

蓮舫さん、東京マラソン車いす優勝賞金に異議 を申し立てたそうです。何でも、東京マラソンの一般部門の優勝賞金が800万円で、一方車いす部門の賞金が20万円なのは開きがありすぎるのではないかと。一般のマラソンと車いすマラソンは同じ42.195kmを走破しますが、レギュレーションの異なる別の競技です。それぞれの競技人口も違いますし、世界記録も全く違います。2011年3月現在における一般のマラソンの世界記録は、2時間03分59秒で、車いすマラソンは1時間20分14秒。つまり、両社の区別を無くして開催すると車いすマラソンが圧倒的に有利となってしまうのです。

マラソン大会の賞金

東京マラソンはの優勝賞金は800万円で、世界記録を達成すると3000万円のボーナスがあります。日本のマラソン大会は東京マラソン位でしか賞金が出ませんが国際的には賞金の出る大会は数多いです。図録▽世界のマラソン大会 によると、世界で最も開催数の多いボストンマラソンでは15万ドル、ロンドンマラソンは5.5万ドル、日本人も多く参加するホノルルマラソンでは4万ドルの賞金を優勝者は獲得できます。2011年現在で、賞金額が最も高いのはドバイマラソンで25万ドルで、世界記録を樹立するとなんと3000万ドルのボーナスが出ます。有力選手を集めるためのマラソン大会の賞金化には批判の声もありますが、自身の得意なことでお金を貰うことに何か問題があるのかなと。

車いすマラソンの規模

車いすマラソンは1974年にアメリカで初めて開催されました。1975年のボストンマラソン車いすでの参加が認められたのが、広がりのきっかけのようです。日本でも1983年から 大分国際車いすマラソン大会 などが開催されています。

車いすマラソンの大会規模を見てみると、東京マラソンは大会規定により25名が上限です。東京がひとつになる日。 | 東京マラソン2011 による大会規定を見ると、車いすマラソンのスタート時間が健常者よりも5分早く、レース仕様車で2時間10分以内に完走できる男女計25人とあります。東京マラソンは参加人数が非常に多く、また交通規制の時間も短くしたいので一般部門参加者よりも早く完走できるランナーに限定して開催するためしょう。ちなみに、他の大会の参加人数はボストンマラソン車いす部門は30名弱で、大分国際車いすマラソンで200名強、ハイデルベルグ国際車いすマラソンで300名強となっています。
このように、車いすマラソンは一般のマラソン大会と比べ競技人口が少なく規模も小さいです。そのため賞金も控えめで、大分国際車いすマラソンの優勝賞金は50万円、ボストンマラソンロンドンマラソンでの優勝賞金は1万5千ドルとなっています。東京マラソンにおける車いす部門の優勝賞金が20万円はたしかに他の大会に比べると安いですが、一般のマラソン対かと比べるとそもそもの競技規模が違うので賞金に差が出るのは当たり前なんじゃないかなと感じます。