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フエルミラーから取り出したどら焼きは食べられるのか

フエルミラーはウィキペディアによると、「かがみの中ののび太」(てんとう虫コミックス5巻収録)に登場するドラえもんひみつ道具である。スイッチを入れ鏡に物体を映した後、鏡の中に手を入れると鏡の中に映った物体を取り出せる。
「かがみの中ののび太」は、てんコミ5巻 によると以下のような話。

どら焼きを増やすためにドラえもんがフエルミラーを取り出す。のび太はいつもの悪知恵でお金を増やそうとするが、鏡像のお金しか得られない。そこで、友達からおもちゃを借りて増やす。しかし、スイッチを切り忘れるのび太。すると鏡の世界から鏡像ののび太が出てきて本物ののび太を閉じ込めてしまう。果たしてのび太は・・・。

フエルミラーは、物体をコピーする道具というよりも、鏡像となったパラレルワールドと鏡へ接続し、その世界の物体を取り出す道具であると考えられる。この際、鏡像内のパラレルワールドの物体はなくなるので、増やせるのは一つまでだろうと推測される。故に、フエルミラーで鏡像のお金を取り出し、それを再度フエルミラーに映し、鏡像の鏡像、つまり正像のお金を取り出すことはできないだろう。正像の世界と鏡像の世界のお金を交換しなければ、互いに鏡像のお金が映ることはないはずだからだ。スイッチを入れなおした場合に他のパラレルワールドに繋がる可能性もある。しかし、道具の安全機構上、スイッチを切ると取り出した物体が消失するのではないか。鏡像ののび太が、本物ののび太がフエルミラー内の世界に閉じ込めたままスイッチを切った場合、のび太は鏡の中の世界に閉じ込められたままになるのは危険であろう。フエルミラーのスイッチを切ると、鏡の中から取り出した物体も、鏡の中にへ行った物体も、それぞれ元の世界に戻るような安全装置が備わっているのではなかろうか。まぁ、ドラえもんひみつ道具は安全面が心配なものが多いので、安全装置が備わってないかもしれない。。そもそも鏡の中に入れないようにすれば良いわけで。
ちなみに、鉄人兵団に登場する入りこみ鏡はフエルミラーとは別のパラレルワールドにつながっていると考えられる。入りこみ鏡では、フエルミラーと同じく鏡像のパラレルワールドに接続されるが、動物が一切存在しない。植物は存在するので、生物が存在しない世界、というわけでもないらしい。また、鏡が割れると面積が小さくなるため、その面積以上の物体は通過できなくなる。映画では、スモールライトを利用して元の世界に戻っていた。やはり、ドラえもんひみつ道具は安全面が心配である。

フエルミラーは、鏡像の世界から物体を取り出す道具だ。コピーする道具であったとしても、鏡像体としてしかコピー出来ない。故に、お金などの左右非対称な物体を増やしても、左右が逆になったものしか得られない。鏡の中から出てきて鏡像ののび太は左利きであった。彼は、ママに叱られ勉強をさせられていたが、我々の世界は彼にとって左右逆であるため、教科書などの文字を簡単には読めないし、字を書く事もままならないだろう。恐らく、音声に関しては問題ないであろう。一方、ドラえもんはどら焼きを増やすためにフエルミラーを利用した。どら焼きは、お金などと異なり左右対称であるから、同じ形のものが得られるはずだ。しかし、どら焼きは本当に左右対称だろうか。

生物のアミノ酸は左型 において、我々生物は左手型であるL体のアミノ酸から構成され、右手型のD体の糖を利用していることを紹介した。旨味成分として知られるグルタミン酸は、L体(左手型)なら旨味を感じるが、D体(右手型)だと味がしない。また、L体のフェニルアラニンは苦いが、D体だと甘みを感じる。また、それぞれL体とD体のフェニルアラニンは別の物質に分解される。ブドウ糖はD体のグルコースで、その鏡像体はL体のグルコースである。D体のグルコースはエネルギー源であるが、L体のグルコースはエネルギー源とはならない。しかし、L-グルコース - Wikipedia によるとL体のグルコースはD体ほどではないものの甘いそうだ。
さて、フエルミラーで鏡の中から取り出したどら焼きである。フエルミラーで増やした物体は鏡像体だ。どら焼きの形自体は円盤状で、左右対称であるためフエルミラーから取り出しても見た目は変わらない。しかし、どら焼きを構成する分子は左右非対称であるはずだ。つまり、D体のアミノ酸、L体の糖から構成されているはずだ。前述したように、左右の逆転したアミノ酸や糖は味が変わってしまう。L体のグルコースは甘いが、どら焼きは砂糖つまり、スクロースを使っている。また、その他に卵や小麦粉を使っており、それらの味は全く異なるものだろう。つまり、フエルミラーから取り出したどら焼きの味は決しておいしいものとは言えないだろう。ドラえもんが味覚をどのように知覚するかが疑問であるものの、子守用ロボットであるから、人間、特に子供に特化した味覚を有していると推測される。どら焼きの成分はドラえもんのエネルギー源として最適とされるが、左右が逆転したどら焼きは栄養として吸収されない。人間が食べたら、、消化酵素が上手く働かないため消化不良を起こすだろう。グルコースが多く含まれるブドウなどの果実や、蜂蜜ならば、フエルミラーで増やしても甘く感じるかも知れない。ただし、栄養にはならないが。
以上のように、フエルミラーで増やしたどら焼きは、通常のどら焼きと同じ味はしないし、栄養にもならないだろう。そう考えると、フエルミラーの有用な使い方は、左利き用の道具を作成できる、くらしか無いような気がします。