これからのエルシャダイの話をしよう

いきなさいあなた達、ニコニコのMADをミルノデス

ニコニコ動画において、エルシャダイのMADが急激に増えています。発売前に大ブレイクしているが大丈夫か。大丈夫だ問題ない
素材は、【PS3/Xbox360】 El Shaddai -エルシャダイ- E3 2010 ルシフェルver だけと非常に少ないのですが、既に数多くのMADがあがっており、[9/18-9/24] 週刊エルシャダイランキング と既にランキングが出来ている始末。この中で特に面白いなと思ったのは、そんな車両接近通報装置で大丈夫か?。また、ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないエルシャダイ なども少ない素材でよくもたせるモノデス。ニコニコ動画エルシャダイで検索すればいくらでも面白い動画が出てくる始末。個人的にはカビキラーとタケヤミソの人にも参戦して欲しいところです。

神は言っている―――ゲームとして評価されるべきだと―――

話をしよう、あれは今から36万・・・いや、1万4000再生だったか、まぁいい、私にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては多分明日の出来事だ

エルシャダイのPVは、ルシフェルの独特の言い回しや、イーノックの「大丈夫だ問題ない」、さらにはトルノデス先生と数多くのツッコミ所があるのですが、それを取り除いてみるとゲームの仕組みをしっかりと伝えています。
たとえば、イーノックは貧弱な装備のまま堕天使に戦いを挑み、死にそうになった瞬間、「神は言っている―――ここで死ぬ定めではないと―――」というセリフの後にタイトル画面へと戻ります。これはルシフェルが時間を自在に操ることができるためで、ゲームオーバーになってもやり直すことが出来る理由付けになっています。時間を操ってゲーム上のミスを回避するといえば、プリンス・オブ・ペルシャなどがありますが、ゲームオーバーからやり直せる理由付けを明確に説明したゲームは多くないように思われます。また、操作キャラにイーノックが選ばれた理由も明確で、神に選ばれたから。ゲームの主人公に、つまり操作キャラがが運命によって選ばれるものですが、特に興味深いのは「そうだな、次はこれを見ているやつにもつきあってもらうよ」なる言い回し。これは、ルシフェルがプレイヤにイーノックを助けて欲しい、具体的に言うならばイーノックを操作してゲームクリアに導いて欲しいと示唆しているのでしょう。もっといえば、ゲームを買えってことですが。
プレイヤがキャラクターを操作する理由を明確にしたゲームは多く無いように思われます*1。通常は「あなたは勇者なのです!」とか「単身敵地に乗り込んだ戦闘機のパイロットなのです!」などと、プレイヤと操作キャラを同一化させることを目指します。たとえば、ドラクエなどは選択肢などによってプレイヤの意志と操作キャラの意志を同一化させようとします。FPSなどは、ゲーム中はキャラクターの外見といった余計な情報を省くことで、ゲームの中へ入って行きやすい構造となっています。また、FF8アサシンクリードのようにゲーム内のキャラクターが、ゲーム内で別のキャラクターを操作するといった入れ子構造をとることで、プレイヤが操作していることを意識させるゲームもあります。入れ子構造なゲームは演出次第でプレイヤにゲームならではのショックを与えることができます。たとえば、アサシンクリード2の結末なども、入れ子構造だからエツィオとデズモンドたちの関係を客観視することができます。MGSシリーズはプレイヤにゲームをしていることを意識させるゲームであり、特にMGS2はその点を題材にしたゲームです。しかし、MGS2においてはキャラクターが勝手にしゃべり、しかもその台詞が長いためプレイヤと操作キャラたる雷電との乖離が生じ、プレイヤが雷電を操作する理由付けに気づき驚く演出が薄れ、上手く機能していません。MGSでは「あなたはゲームをしているんですよ」と伝えることで笑い、つまり緊張を解すメタ的な演出の方が多いです。
エルシャダイのようにダイレクトにプレイヤがイーノックを操作し助ける理由を、そしてゲームオーバーになってもやり直せるゲームを打ち出したゲームはないのではないでしょうか。このゲーム上の仕組は、上手に使えばエルシャダイにしかできない演出も可能ではないでしょうか。そういう点からもエルシャダイに期待しています。

そんなに持ち上げて大丈夫か。大丈夫だ問題ない

*1:あったらコメント欄に書いてくれると僕が嬉しい