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サンゲツキ+

二次裏としあきは博学才英、ノストラダムスの翌々年、若くして名を名無しに連ね、ついでキャップ付きに補せられたが、過剰なまでのナルシストであったから、管理に甘んずるを潔しとしなかった。 いくばくもなく、テキストサイトブームがさった後は、ブログに帰臥し、人と交わりを絶って、ひたすら美少女ゲーム批評に耽った。リア充となって長く膝を俗悪な非処女の前に屈するよりは、魔法遣い批評家としての名を死後百年に遺そうとしたのである。 しかし、はてブ数は容易に上がらず、ひきこもりは日を逐うて苦しくなる。としあきはそれでも、働いたら負けかなと思っていた。この頃から、容姿も厳しくなり、頬も鳥居みゆきのようにこけ、落ち窪んた眼はギョロリと鋭くなり、かつてコミケットで話題を読んだ男の娘コスプレイヤーの面影は何処に求めようもない。 数年の後、貧窮に堪えず、妻(限定版寧々さん)を手放さなければ生活費が工面できなくなったために、自らの主張を曲げ、嫌儲厨に罵られることを覚悟しアフィリエイトに手を出した。一方、これは、己の批評に半ばorzしたためでもある。 彼が昔、アフィ厨として歯牙にもかけなかった2ちゃんまとめサイトよりも稼げぬことが、往年の俊才としあきの自尊心を如何に傷つけたかは、びっくりするほどユートピア!生活費をブログの読者に無心することすらあった。彼は往々にして楽しまず、ヤンデレは抑えがたくなり、「かゆい うま」と書かれた日記を最後にブログの更新が途絶えた。メールを送信したが返信はなく、彼のツイッターは「なるほど4時じゃねーの」とつぶやき続けた。

翌年

美少女ゲームメーカーのプランナー「」という者、デバッグを命じられ、デスマーチとなったことから、会社に宿った。テストプレイ職人の朝は早い、デバッガが言うことに、この美少女ゲームのバグが酷い故、ギガパッチを出さなければならないでしょう。攻略したと思った矢先に臭作があらわれてヒロインの処女を奪い寝とっていくと。「」は、しかし、NTR属性があったから、むしろご褒美とデバッガの言葉を斥けて、よろしくお願いしまーす。順調にメインヒロインルートに入りいざ鎌倉というときに、果たして一人の臭作が画面端から躍り出た。げえっ臭作、あわやヒロインに躍りかかるかと見えたが、忽ち身を翻して画面外へと消えた。カルナ型イヤホンから人間の声で「あぶないところだった」と繰返しツイートするのが聞えた。その声に「」は聞き覚えがあった。?!の中にも、彼は咄嗟に思いあたって叫んだ。「その声は、我が友、としあきですか、わかりません><」 「」はとしあきと共にふたばでOSたんを開発し、友の少なかったとしあきにとっては、最も親しいマイミクであった。無個性な「」が、ヤンデレとしあきと衝突しなかったためであろう。
イヤホンからは、暫く返辞がなかった。くやしいのうwwwくやしいのうwwwと微かな声が時々洩れるばかりである。ややあって、低い声が聞こえた。「如何にも自分は二次裏としあきである」と。
「」はデバッグを忘れ、先程の臭作の画像を携帯百景に投稿した。そして、何故画面から出てこないのかと問うた。としあきの声が答えて言う。自分は今や二次元の身となっている。どうやっても、画面から出ることができぬ。勝俣、自分が姿を現せば、ゲームのバグとして取り除かれるに決まっているからだ。しかし、今、図らずも故人に遭うことを得て、何もかもが懐かしい。どうか、ほんの暫くでいいから、我が臭作な今のあなたがいちばんみにくぜを厭わず、曾ての君の友としあきであったこの自分とUSTしてくれないだろうか。
後で考えれば日立不思議発見だったが、その時、「」は、この超自然の怪談レストランを、実に素直に受容れて、少しもモノノ怪もうとしなかった。彼はデバッガに命じて行列の挿入を止め、自分はねんどろいどの傍に立って、見えざる声とUSTした。世間話や、旧友の行方、「」の現在のデスマと、それに対するとしあきのメシウマなどが語られた後、「」は、としあきがどうして今の身となるに至ったかを教えてgooした。画面内の声は次のように語った。
今から一年ほど前、自分が旅に出て熱海に泊まった夜のこと、一睡してから、ふと眼を覚ますと、DSが我が名を呼んでいる。スリープモードにしたはずのそれを開けてみると、寧々さんの声はDSの中からしきりに自分を招く。覚えず、自分は寧々さんとキャッキャウフフ。無我夢中でプレイしていく中で、何か身体の境界が曖昧になり、満ち満ちた感じになっていった。気が付くと、身体がペラペラになっていた。自分ははじめの一歩を信じなかった。次に、これは罠だ僕を陥れる罠だ!と考えた。どうしても、夢でないとブッダらねばならなかった時、自分はジーザスとした。そうしてねないこだれだを怖れた。全く、どんなことでも起こり得るのだと思うて、デスブログを怖れた。しかし、こんな事になった理由は皆目わからなかった。理由もわからず行きていくのが、これも いきものの サガか。自分は直ぐに、これが死か、と想うた。しかし、その時、目の前を一匹の高部絵里が駆け過ぎるのを見た途端に、自分の中の人間は忽ち姿を消した。再び自分の中の人間が眼を覚ましたとき、自分のナニは血に塗れ、あたりには服が飛び散らかっていた。これが二次元を犯した最初の経験であった。オタクが夢見る二次元に入ることはでき、処女の美少女で童貞を捨てることは出来た。しかし、自分は元々人間で、この世界にとっては異物、バグなのだ。ゲーム内に居る以上、システムには逆らえずNPCとして存在せねばならぬが、己の中には人間の心が残っている。その齟齬が己をバグたらしめるのだろう。ゲームとして発売するには、バグは取り除かれなければならぬ。しかし、己の中には人間の心が残っているから、バグだけ取り除かれても復活してしまう。それども、何度も取り除かれる内に、己の中の人間の心もすりきれて、すっかり消えてしまうだろう。ちょうど、古い自由の女神の礎が次第に砂漠に埋没するように。バグとして完全に取り除かれれば己はしあわせになれるだろう。だのに、己の中の人間は、その事を、この上なく恐ろしく感じているのだ。ああ、全く、どんなに、恐しく、哀しく、切なく思っているだろう!この気持は誰にも分らない。誰にも分らない。己と同じ二次元に成った者でなければ。ところで、そうだ。己が完全に取り除かれる前に、一つ頼んどきたいことがある。
「」は、息をのんで、ディスプレイ中の声の語る不思議に聞入っていた。ゆっくりボイスは続けて言う。
他でもない。自分は元来批評家として名を積りでいた。しかも、業未だ成らざるに、この運命に立至った。未だ未発表の批評がEvernoteに数十ある。これを我が為に同人誌化していただきたい。何もこれによって一人前の批評家面したいのではない。批評の巧拙は知らず、とにかく、童貞をこじらせてまで自分が生涯それに執着したところのものを、一部なりとも後代に伝えないでは、死んでも死に切れないのだ。
「」はEvernoteとしあきのアカウントを入力し遺稿を確認した。一読して作者の才の非凡を思わせるものばかりである。しかし、「」は感嘆しながらも漠然と次のように感じていた。成程、作者の素質が第一流に属するものであることは疑いない。しかし、このままでは、@ピザ




批評を一読されたとしあきは、突然調子を変え、みさくら語で語った。
羞しいぃことらが、今れも、こんにゃぁあああ あぉしゃましいぃ身と成り果てた今れも、己は、己のぉおお批評が2ひゃぁんねるに転載しゃれる様を、夢に見ることがぁあああ あぉるのぉおおら。二次元のぉおお中に横たわって見る夢にらよお゛お゛お゛ぉ。嗤ってくれ。批評家に成りそこにゃってバグににゃった哀れにゃ男を。そうら。お゙ぉおォおん笑いぃ草ちゅいぃれに、今のぉおお懐を即席のぉおおコピーに述べて見ようか。このぉおお臭作のぉおお中に、まら、曾てのぉおおとしぁあああ あぉきが生きていぃるしるしに。
「」は早速これをツイートした。そのツイートに言う。

かわいいは正義 誠死ね
能登かわいいよ能登 天使ちゃんまじ天使 
パンツじゃないから恥ずかしくないもん
問おう。貴方が、私のマスターか?

時に、スクリーンセーバー、パイプ冷やかに、クネクネ曲がり、ファンからの熱風は熱暴走の近きを告げていた。デバッガは最早、事のKeyを忘れ、粛然として、この批評家は犠牲になったのだ。ゆっくりの声は再び続ける。
何故こんな運命になったか「解せぬ・・・」と、先刻は言ったが、しかし、考えように依れば、思い当たることが全然無いでもない、気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!
己には最早人間としての生活は出来ない。たとえ、今、己が頭の中で、どんな優れた僕の考えた最強のエロゲを作ったにしたところで、どういう手段で発表できよう。それを思うと、焦がれて、焦がれて、胸が張り裂けそうだよ・・・。この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいのだ。己は昨夕も、ヒロインの一人を寝とった。誰かにこの苦しみが分って貰えないかと。しかし、ゲームキャラは間違えてないか? 私は平沢進だぞ。平沢唯じゃない。デバッガも一匹のNPCが怒り狂って、バグっているとしか考えない。はてなに躍り地に伏して嘆いても、誰一人己の気持をスターくれる者はない。ちょうど、非モテだった頃、己の傷つき易い内心を増田すらも理解してくれなかったように。「己の毛皮の濡れたのは、夜露のためばかりではない(キリッ。」
最早、別れを告げねばならぬ。犯さねばならぬ時が、(臭作に還らねばならぬ時が)近づいたから、と、ゴノレゴの声が言った。だが、お別れする前にもう一つ頼みがある。それは我が妻(寧々さん)のことだ。彼女はまだDSの中にいる。己は既に死んだと彼女に告げて貰えないだろうか。決して今日のことだけは明かさないで欲しい。
本当は、先ず、この事の方を先にお願いすべきだったのだ、己が人間だったなら。飢え凍えようとする妻(寧々さん)のことよりも、己の乏しい批評業の方を気にかけているような男だから、二次元に身を堕すのだ。
そうして、附加えて言うことに、できればこのままバグとして処理して欲しい。ただ君がNTR属性を持っているのを知っているから、自分は今の姿をもう一度お目に掛けよう。勇に誇ろうとしてではない。我が臭作な姿を示して、以て、二次元にやってこようという気持を君に起させない為であると。
「」はディスプレイに向かって、懇ろに寝取られへ感謝の言葉を述べ言われたとおりマウスをクリックした。忽ち、臭作がヒロインを茂みに連れ込み犯すのを見た。「」は背筋がゾクゾクするほどに甘美な衝撃が走りビクンビクン。二、三戦した後に、ディスプレイから消え去るのを確認し、バグとして処理した。再びそのバグが再現されることはなかった。