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民放ラジオがネット同時放送だけど、どうして聴取地域が限定されるのか

在京キー局6社と在阪の準キー局6社が、3月中旬から放送中の番組をインターネットに同時配信するそうだ。残念ながら、聴取可能地域が限定されている。TOKYO FM、iPhone向けにネットラジオ聴取アプリを12/21配布【聴取エリア限定】 も地域が限定されていたが、これは何故だろうか。以下の理由が考えられる。

  1. 法律上の問題(放送できる地域の限定)
  2. 権利処理の問題(著作権など)
  3. 投資額上の問題(サーバー代など)
  4. 広告上の問題(地域用の広告など)

先ず法律上の問題から。放送できる地域が放送法などで限定されている可能性である。しかしながら、ラジオではないが ABC 第91回全国高校野球選手権大会 のように準キー局である朝日放送が、全国に甲子園をストリーミング配信している例がある。また、電波塔の関係で隣の県の放送が見られることは問題ない。今回ラジオをネットで同時放送するのは在京キー局と在阪の準キー局なので、全国に放送することは放送法上は問題なさそうだし、あったとしてもその障壁は低いだろう。
放送法上の処理は問題なさそうだが、著作権法上の権利関係の処理は煩雑そうだ。コメント: 民放ラジオ、ネット同時放送解禁へ - スラッシュドット・ジャパン のコメントによると、CD などの音源を使用する場合 JASRAC だけでなく日本レコード協会へレコード製作者の権利、実演家著作隣接権センターへ演奏者の権利の処理を行わなければならない。放送域が広くなれば、それぞれの契約も変わってくる。例えば、各協会や著作者に支払う著作権料が増えるだろう。ラジオ局の広告費は徐々に減少し、2005年には インターネット広告費が前年比153%の1814億円--ついにラジオ広告を上回る 事態になっている。このような先細りな状況ではできるだけ支出を抑えたいだろう。聴取地域を制限することで、サーバー負荷を抑え、結果として投資額を減らせるメリットもあるのではないか。
今回ネット同時放送を行う放送局はキー局とはいえ、全ての広告が全国向けというわけではないだろう。地域限定の広告を全国に放送しても、聴者にも広告主にも放送局にもメリットがない。もちろん、関係ない広告でも聴者は放送を聞きたいだろうが、広告モデルとしては無駄である。例えば 産経新聞、全紙面を無料で閲覧できるiPhone/iPod touchアプリ は東京版の産経新聞が元になっているが、一部の広告が非表示である。広告の契約上の問題だと考えられる。全国用の広告になると契約上広告費が高くなり、地域用の広告を出したい事業主が集まらなくなってしまう。これと同じことが、ネット同時放送でも起こるが流石に広告部分だけ無音にするわけにも行かないだろう。一つの解決策として、、電子広告に新手法 電通など「産経新聞iPhone版」で実験 のようにネットならではの広告形態の模索がある。今回のネット同時放送により、ラジオ局が新しい広告モデルを打ち出せれば、全国でも聴取できるようになるかもしれませんね。