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オックスフォードのパーマネント職を得るための試験

興味深い話を聞いたのでメモ書き程度に。

試験内容は至ってシンプルで「鉄球を落下させ、重力加速度を求めよ」のみ。試験場には鉄球やストップウォッチなど実験に必要な器具が揃っている。高校生にも解ける問題だし、実験の手順させ間違えなければ小・中学生にもできる実験である。どのように実験を行い、その記録をとり、回答を導き出すかという至ってシンプルな試験に見える。
重力加速度は既知の値であり、受験者は皆 9.8 m / s^2 を導き出せば良いと考えている。ところが、実験を行い計算すると重力加速度が 20 m / s^2 ともとまる。重力加速度が二倍も大きな値になるなどありえないため、受験者たちは実験手順を間違ったのだろうと、何度も実験や計算をやり直すが、結果は常に 20 m / s^2。受験者たちは、自分たちが間違っているのだろうと考え、重力加速度が 9.8 m / s^2 となるようにデータを改竄し提出した。
受験者たちの答えは揃いも揃って、9.8 m / s^2。それを見た試験官は「お前たちデータを改竄しただろう」と言って実験台をめくると、そこには磁石が。つまり、鉄球に重力以外の外力が加わっていたため、加速度が大きめの値である 20 m / s^2 と求まったのだ。データを改竄して、9.8 m / s^2 とした受験者たちは全員試験に落ちたらしい。この試験は科学者たるもの、データを改竄してはいけない、という倫理観を見る試験でもあったのだ。
それでは、データを改竄せずに答えを提出すれば合格だったのだろうか。おそらく、それでも不合格だったのではないかと僕は考える。重力加速度は既知の値である。それを何度も実験し、計算しても異なる値がでるのは鉄球に重力以外の外力が働いていると看破しなければならなかった。そして、磁石であると見破り、その磁石に強さまで求めれば文句なしに合格だったのだろう。
科学者は現象を観察し、その現象が起こるメカニズムを自ら考えなければならない。重力加速度を求める実験で 20 m / s^2 という値が求まったのなら、実験手順に誤りはないか、なければ何故既知の値と一致しないのかまでを考えられない人材はオックスオードには必要ないのだろう。
試験内容は単純だが、実験操作に、実験のデータ処理、実験の考察、科学倫理観、科学の本質である観察までも問う非常に深い試験だなと。グーグルやマイクロソフトの試験よりも、深いなと僕は感じました。