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「お通し」の代金が問題なのではない、出るタイミングとうまさが問題なのだ

「お通し」は「突き出し」、「先付け」とも言います。関東では「お通し」、関西では「突き出し」と言われることが多いとされます。現在では、両方とも居酒屋において最初の注文前に出される一品料理をさす言葉となっていますが、語源をたどるとそれぞれの意味は異なるようです。「お通し」は客が注文した品を調理場に通ったことを客に伝える印として出した料理とされます。一方「突き出し」は、注文に関わらず出る料理とされます。言葉の意味から考えると、現在の居酒屋では注文の前に酒の肴として一品料理が出てくるので「突き出し」のほうが正しいように思えます。

現在「お通し」のスタイルは店によって様々です。サービスとして提供されたり、コース料理を予約していると料金に含まれたり、含まれなかったり。一般的には、お通し代として取られる場合が多いような気がします。様々なスタイルのある「お通し」において、「お通し」の料金を法律的観点から払うべきかどうかを論じたのが、「商慣習」〜居酒屋で「お通し」の料金を請求されたら払うべき? というプレシデントの記事。結論では、「お通し」のスタイルが様々で有料であることが必ずしも一般化されていないから払う義務は無いと言う。しかし、この記事そのものが「お通し」は居酒屋で注文せずとも出され、有料であることを暗黙のうちに認めた上で書かれているわけで、本当に「お通し」の商習慣が広く認知されていないかは疑問が残る。払わなくてもよい事例としては、法外な、ぼったくりのお通し代で無い限り難しいのではないか。確かに、ほとんどの居酒屋において、時価ではない限りメニューに値段が記載されているのだから、「お通し」の値段や断ることができるかどうかを明示した方が親切ではあろう。
「お通し」の解釈も色々で、個人的には食事が出るまでの酒の当てとしてはありがたい。お通し代も席料込みと考えることだってできる。その場合でも値段を明示してくれた方がありがたいが、お通しの値段と言っても500円くらいのもので、そこまで法外な値段でもない。席料と考えればそんなものだろう。むしろ問題は「お通し」の出るタイミングと味である。注文した料理が出てきたタイミングで「お通し」が来ても困るのである。語源から見ても遅すぎる。タイミングとしては酒が出る前に来るのがベストであろう。また、味も重要だ。「お通し」にグダグダ文句を言いたくなるのは大しておいしくないからだ。きちんとおいしい「お通し」ならば文句が出るはず無い。「お通し」がおいしいお店は大体ほかの料理もおいしい。店によっては、季節を感じさせてくれたり、珍しい料理や調理法の「お通し」が出てくる。そんなお店ならまた通いたくなるし。
というわけで、「お通し」の代金を払うべきか否かなんて小さな話してたらお酒がまずくなりますよ。