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我輩は「我輩はゲームである。其ノ壱」を購入したのである。全部はまだ読んでいないが魅力を語りたい。

Vジャンプに連載されている、えのきどいちろう著、挿絵しりあがり寿のゲームコラムがようやく単行本化された。1994年から連載され、15年目にしてやっとである。本書のおまけである対談でによると、お二人の持つ連載の中でもっとも長く続いているそうだ。また、Vジャンプの連載で一番長く続いているのではないだろうか。タイトルから連載されるとおり、文士風にゲームについて語っていくコラムで、連載当初は「我輩は○○である。」*1という文頭で始まっていた。
VジャンプFF5の情報が詳しく載っていたから、創刊号の頃から買っていたが、其の頃は文字だらけの「我輩はゲームである。」なんて見向きもしなかった。しかし、バイオハザードの回を偶々読んでこれまでに考えもしなかった着眼点の文章に出会い、過去連載分を読み返し面白い連載であることの気がつき嵌ってしまった。VジャンプFF7発売後はゼノギアスくらいまで買っていたけど、最後は「我輩はゲームである。」読みたさに買っていたように思う。その後遊戯王中心になってVジャンプから離れていったけど、立ち読みできるときは「我輩はゲームである。」だけを読んでいた。Vジャンプを買わなくなった頃から単行本出ないかなと思い続けていた。しかし、出る気配が一向に無くあきらめかけていたら、えのきどいちろうの日記で「我輩はゲームである。」の単行本を年内に出すと書かれており、小躍りならぬ大踊りをしたのだった。個人的には10年くらい発売を待ち続けていた気がする。内容は2006〜2008年の連載分と、過去コラムのよりぬき。できれば過去コラムをすべて載せてほしいのだが、それは其ノ弐以降に期待したい。

しかし、このコラムいったい何ゆえVジャンプに掲載されているかなぞである。Vジャンプを読む年齢だと、えのきどいちろうの文章の面白さの半分くらいしか分からない気がする。年齢が上がるにつれ面白さが分かってくるが、その世代はVジャンプを買わない。なのに、今でもずっと連載が続いている。例えば「つり太郎」のコラムである「わびさびでつろうか」は中学生くらいで読んでそれなりに面白かったが、今読み返してみると本当に味のある文章である。要するにおっさんの文章なのだ。こんな文章群を子供が読んで本当に面白いのかとますます疑問に思う。単行本の構成も大人向きのつくり。各年代に何が売れ、何が流行ったのかという簡単な年表がついているのは当時の世相が思い出されて、コラムの内容を分かりやすくしている。例えば、1995年を見返してみると、クロノトリガーが発売されているのだが、その前年にはPSは既に発売されている。感覚的にはクロノトリガー→PSだったのだが。
また「我輩はゲームである。」と言いながら仕事のスケジュールの関係でゲームをする暇が無いためかゲームとは全く無いことを書くこともしばしばである。*2日本ハム優勝だったり、サッカーワールドカップだったり、アイスホッケーだったり。コラムニストなのでゲームと関係ない話もお手の物で面白いエッセイに仕上がるのだが、それを許すVジャンプの編集者も編集者である。こんな調子だから今の今まで単行本化されなかったのかも知れぬ。

唯一残念だなと思ったのは、単行本化に伴い版組みが変わってしまったこと。雑誌中では新聞のようなレイアウトで、右上にえのきどいちろうのコラム。左下にしりあがり寿の挿絵があり、古い新聞風の色合いの紙面とのバランスが文士風を引き出していた。本書ではえのきどいちろうの文章の面白さは変わらないけど、しりあがり寿の絵の魅力が薄まっている。*3しかし、連載時の版組みで本を作ると雑誌サイズになると言うジレンマも。過去連載分が少ないなとガッカリしたが、最近の連載分を全く読んでいなかったので、逆に本書のような構成でよかったなと思った次第。

*1:○○にはゲームタイトルや、ゲームの主人公名などが入る

*2:ゲームソフトは編集部から送ってもらっているのに(笑)

*3:文字通り透かしで入っているので本当に絵が薄まっている