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日本製品の需要が無ければ、需要を作り出せばいい

ガラパゴスガラパゴスと騒がれ、日本の製品は世界的に孤立し世界市場に太刀打ちできないなどと言われてます。それなら、新しい需要を作り出せばいいんじゃないのという話。あるいは、多機能なんだから、どれか一つくらい世界と勝負できる機能があり、その機能を先鋭化するようにアレンジすればいいんじゃないの、という話。

日本の家電、アメリカの家電、ヨーロッパの家電

アメリカの家電はとにかく安くてでかく、日本の家電はコンパクトで多機能。だから日本の家電はアメリカでは売れないなという話。
日本はコンパクトで高機能でアメリカはでかくて安いってのは家電に限らない。車だって、アメリカは事故っても大丈夫なくらいでかい。一方日本はコンパクトで低燃費。携帯電話だって日本は高機能すぎてガラパゴスケータイって言われてる。
日本の家電がコンパクトなのは住宅事情の問題で、冷蔵庫や電子レンジが高機能なのは自炊事情の違いによるのだろう。
未来創造堂で食器洗い機についてやってましが、当初の食器洗い機は大きすぎて日本では殆ど売れなかった。食器洗い機自体は便利だが大きすぎて置く場所が無かったのが一因だったと。また、日米の食文化の違いも問題であった。先ず食器の形が様々。お茶碗に湯飲みにお皿も魚用などなど。汚れも脂汚れにでんぷん汚れと多種多様。そこで、先ずコンパクト化と水を徐々に温めるという改良を行う。そこそこ売れるようになったが、決定打に欠ける。そこで、節水をテーマに省エネ・静音を付加することでようやく売れるようになったと。
この辺の事情はドラム式洗濯機も同じですね。ドラム式洗濯機も随分コンパクトになりますが、ドアの開閉スペースや洗濯機用の蛇口の位置などまだまだ完全には日本用にカスタマイズされてない感じ。
というわけで、日本の市場用にカスタマイズしないと日本では売れないのだから、逆に日本がアメリカに製品を売り込むなら日本で売っているものではなく、アメリカ用にカスタマイズしないと売れないのではないかなと。同じものを作っても、安さが売りのアジアには適いませんから。

欧州の事情は分かりませんけども、イメージでは家と調和したデザインじゃないと売れない感じ。もちろん国によってデザインは違うんですけど、日本みたいな未来志向っぽい電化製品だぜ!という尖がったデザインでは売れないんじゃないかなぁというイメージ。デザインに関してはイタリアや北欧が重視しているんじゃないでしょうか。見た目もそうですが、人が使いやすいデザインを重視しているみたい。
機能面は多機能というよりも、使いやすさ重視なんじゃないでしょうか。ダイソンの掃除機のように多機能ではないが、掃除機としての性能を高めました、のように製品の性能を高機能にした製品が多いのではないでしょうか。
また欧州は環境負荷には厳しいようです。省エネもですが、生産時に有害な物質を出さないかなどの厳しい項目が定められています。欧州の家電のラベルは、エネルギー消費効率レベルのランク付けなど多くの情報が付記されているそうです。なんだか、ワインやチーズのラベルみたいですね。
上記はあくまでイメージと聞きかじりなので詳しい方いたら、教えてくださいな。

需要を見出すか作り出すか

アメリカで日本の家電が売れないのはマーケッティングの問題もあるが、アメリカと同じような家電を作っても差別化が図れない。安い製品作って売るという形態ではアジアには勝てない。機能は削るにしても、日本が持つ技術を売り込まないと新しい市場は開けません。自動車に関しては石油高騰に環境問題で日本の低燃費車が注目されたことから、家電などにもその強みが生かせたらなと思います。

さて、以下に示すようなジョークがあります。

楽観的なセールスマンと悲観的なセールスマンがアフリカの奥地に靴の営業に行った。
一週間後、会社に悲観的なセールスマンから電話がかかってきた。
「先行きは非常に悪い。この辺りの人々には靴を履く習慣がない。」
そのすぐ後、楽観的なセールスマンから電話がかかってきた。
「先行きは非常に良い。この辺りの人々はまだ誰も靴を履いていない。」

出典はわかりませんが、ネガティブなセールスマンは靴を履く習慣が無いから売れないと落胆し、ポジティブなセールスマンは靴を誰も履いてないからたくさん売れると楽観する。どちらが正しいのかは分かりませんが、靴を履くという需要が無い以上このままでは靴は売れません。しかし、実は履くものを欲していたが作り方がわからなかったという潜在的な需要があるかもしれませんし、靴を履く習慣を根付かせれば莫大な市場になりえます。
たとえば、日清がインドに進出したそうですが莫大な広告費を費やしても売れない。なぜなら日清が進出する前にネスレがインドの農村におけるインスタントラーメン市場を席巻したから。新しい商品に触れる機会のない農村部では、最初のメーカーの商品に慣れ親しむため他のメーカーが入り込む余地が無い。インスタントラーメン一つの値段はたいしたことありませんが、購買人数が莫大なので、かなり大きな規模の市場でしょう。

何が売れるかリサーチすることも大切ですが、本来無かった需要を作り出すのも重要なこと。
醤油メーカーであるキッコーマンは1950年代後半よりアメリカに進出。当初は見向きもされなかったそうですが、スーパーマーケットなどで地道なデモンストレーションを行った。また、本来魚料理用であった照り焼きを肉料理用にアレンジし、アメリカ向きの醤油の使い方を提案した。"teriyaki"が辞書に掲載されるほど定着し、テリヤキにより醤油がアメリカに定着したと言えるだろう。実際、アメリカで消費される醤油の殆どはテリヤキソースに使われているという。
魚に使っていた照り焼きという調理法を肉用のテリヤキにアレンジした逆バージョンが生魚のカルパッチョ。日本人の考案だと言われてます。食文化に関しては、輸入され一般に広まる際にその土地にあったアレンジが加えられることが多いです。アイスコーヒーは日本で多く飲まれ大正時代には既にあったそうですが、欧米ではスターバックスなどにより最近広まったとか。アイスコーヒーが日本で古くから飲まれるのは夏の気候のためでしょうね。ビールも日本ではキンキンに冷やすのが当たり前ですが、欧州では地域や気候により様々な温度で飲まれます。これもやっぱり日本の夏のねっとりした暑さのためでしょう。

ガラパゴスは日本の強みだ

ガラパゴスでは日本は世界市場で生き残れないという。本当にそうだろうか。先の、米国に住んでいて「あー日本の家電はこっちじゃ売れないよなあ」と思ってしまう理由 - World Wide Walker でも語られているように日本が未来志向過ぎるのではないかと。自動車に関しては、今ではコンパクトで低燃費がむしろ当たり前になってきています。家電やケータイに関してもその内世界の方が追いつくかもしれない。日本ガラパゴス説を追う・・・ で語られるように日本、特に日本の都市部、さらには東京がハイパークオリティなだけかもしれない。
そもそも、日本市場で売っているものを同じものを海外で売る必要も無い。海外用に機能を省けばよい。また、潜在的な需要を探したり、新しい需要を作り出せば良い。多機能な製品が多いのだから、その機能を絞れば全然いけると思うのは楽観的ですかね。

出前一丁は香港では爆発的人気だそうです。煮込みタイプであることが売れる一因だそうですが、香港では様々なタイプの出前一丁が販売されている。辛目の出前一丁とか食べてみたいですね。つまり、現地用にカスタマイズして売っている。インスタントラーメンは日本特有ですが、今では世界で売れています。ガラパゴス日本製品にも同じことが言えるんじゃないでしょうか。