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痛快コミカルの中に黒さの潜む太田モアレに期待したい

good フタヌーンを買った。尖がり具合がちょっと足りないなぁと思いつつ、8割方は毎月読みたいと思ったので多分定期購読する。
特に期待しているのは、太田モアレ氏。四季賞である「囚われクローン」、「魔女が飛んだり飛ばなかったり」、12月号に掲載された「都市伝説だよ都市子さん」が痛快なコメディで構成がはっきりとした短編だったので、どんな連載なのか楽しみでした。蓋を開けてみると、格闘技漫画とちょっと意外。しかも主人公が、スポーツ万能でたいした努力もせずに何でもこなしてしまうが故に、「退屈」さを感じており、その屈折した感情ゆえか「一生懸命」な人を潰すことに快感を覚えるというなんともダーク。これまで、過去の三作品はコメディでタッチでポジティブ系の主人公だったのでちょっとかなり面食らいました。ただ、過去の「囚われクローン」、「魔女が飛んだり飛ばなかったり」も内容はコミカルですが、その内に潜む設定はダークです。「囚われクローン」は死刑制度がなくなったので、アメリカ式に懲役年数を加算し、服役者が死んでもクローンがその刑期を引き継ぐと言う話。つまり、懲役150年とかになると、3世代前後のクローンが出来てしまう。制度的には大変な問題を抱えていて、クローンが出所しても家族は既に亡くなっているとか、そもそもクローンが罪を引き継ぐのは問題ないのかや、実は裏で合法的にクローンを生産することで臓器取引しているなど…とはいうものの、クローン側は生まれてから服役してるのが当たり前なので、特に疑問を感じていない。服役者たちは何の疑問も持たずその生活が面白おかしく描かれています。ある意味、そのギャップがこの作品の深さかもしれません。「魔女が飛んだり飛ばなかったり」では、魔女の生い立ちが、「都市伝説だよ都市子さん」でもラスト付近はダークさが垣間見えます。そう考えると、太田氏の持ち味はコミカルさにダークさが垣間見える点なのかもしれない。
また、過去三作品において間を抜いたやり取りは随所に見られる。格闘技少女を空手部が引き抜きに来た際に、逆に少女が空手部の先輩に格闘技やりませんか、というくだりは太田氏独特のテンポかなと。この独特のテンポも太田氏の持ち味の一つで、小気味良いリズムであるから、もしかしたら格闘技などのテンポと合うのかもしれない。実際、格闘シーンは短かったですが分かりやすくて良かったです。格闘技漫画を読み込んでる人にしてみれば、格ゲー的横画面だけかよというツッコミもありそうですが、逆に僕のはこれくらい分かり易いほうが丁度良いかなと。
鉄風」自体は多分先の読めそうな展開ですが、主人公ダークさがどうなっていくのか。話のコメディ部分とテンポを握ると思われる格闘少女の動向が気になるところであります。

四季賞組みとしては、「虫と歌」の市川春子も楽しみしてるんですが、もう二編くらい短編書いたら単行本でないかなぁ。人外と人間の交流を描くのが上手い市川氏についてもその内。