インターフェースの左右 走査するか操作するか

はまちちゃんの記事は「OK」を右に統一しようぜ!Windows の「OK」ボタンが左なのは訴訟対策だよねって内容。ユニバーサルとして統一した方がユーザーは扱いやすいですが、問題は「OK」ボタンは左にあった方が使いやすいのか、右にあった方が良いのか、どっちなんだい!ってことですね。というわけで、色んなボタンの右左を例に挙げて考えて見ましょう。

以下断りを入れない限り、視点は使用する人から見て右にあるか、左にあるかである。

ゲームコントローラ

僕がゲーム好きなので、ゲームコントローラの左右を語るが、ファミコンである任天堂系とSEGA系に大別できる。
FCは「BA」と配置され、決定は右にあるA。一方メガドラは「ABC」と配置され、左のAが決定である。PCエンジンは「??」でファミコン系列なのが興味深い。
SFCになりXYボタンが増えたが基本的な配置は変らず。ただし、Bが↓Aが→、Xが↑、Yが←に配置される。
SNOYが参戦したPSは、○×△□ボタンで、○がA、×がB、△がX、□がYに対応したSFC型。○が決定でありBA配置のFC型。セガサターンは下部にABC、上部にXYZを配する6ボタンとなり、決定はやはり左のA。64は下にA、左にB、右上に十字のCボタンが配されたが、BA配置で決定のAボタンが右側という位置関係は変っていない。ちなみに、3DOはABC配置であり、SEGA系である。
SONYは以降、PS2PSPPS3とコントローラのボタン配置は変更せず。SEGA最後のゲーム機であるドリキャスはボタン配置が一見するとSFC型だが、ABとXYの位置が逆であり、決定であるAボタンは左側にある。ちなみにネオジオもABCDとドリキャストと同じ配置になっているが、これはゲームセンターを踏襲したのであろう。GCは大きなAボタンが中央に配され、小さなBボタンがその左下にある。一貫して、右に決定であるAを配し続けているが、ボタン配置は様変わりし、Wiiではリモコン型になったというのはある意味必然だったのかもしれない。
黒船Xboxは、ドリームキャストを踏襲した配置であり、Aボタンが左、Bボタンが右だ。つまり、XboxSEGA系。
言葉で説明しても意味不明だが、上下を気にせず左右だけを考慮してまとめる。

まとめてみると、現在では海外勢が左に決定を配し、日本勢が右に決定を配しているようである。これを裏付けるものとして、海外ゲーマーの疑問「なぜメタルギアは丸ボタン=入るなのか」 という記事を紹介しよう。この度4作目であるMGS4が発売されたメタルギアシリーズであるが、海外ゲーマーは○ボタンが決定であることに違和感を覚えるようだ。アメリカで発売されるPSのゲームは×に決定の事が多いという。FF8も海外版では×決定らしい。理由は分からないが、先のSEGA3DOの影響かもしれない。この流れに倣ったのかは不明だが、XboxはPSでの決定である×(SFCのB)の位置をAボタンにしたのかもしれない。つまり、海外では左が決定で、右がキャンセルというわけだ。この辺はアーケードの流れを汲むのかもしれない。

ゲームコントローラの決定ですら左右は統一されて無いんですね。ゲームコントローラに関してはどちらが便利なのかは一概には言えないと思います。しかも、現在は左右とい言うよりも、下派のXboxを始めとする海外勢と、右派の日本であり、左右では無いんですよ。また、操作系は結局の所慣れですから。

電源は右?左?

さて、あなたがもしデスクトップを使用しているならディスプレイの電源ボタンは左右どちらにありますか?多分、右の人がほとんどではないかと思います。ではノートPCの皆さん、電源ボタンはどこにありますか?恐らく、こちらは右、中央、左と色々ありそうです。僕の周りでは画面下の中央が多かったです。ノートPCの場合は、側面だったりするので他人のを借りた場合電源ボタンを探すのが大変だったり。
テレビの場合、ガチャガチャとチャンネルを回す操作パネルが右にあった場合電源は右にありますが、操作パネルが下にある場合は、右だったり、左だったり中央だったりと様々です。これは家電も同様で、操作パネルが右の場合は電源も右に、操作パネルが下の場合は用途によるようです。決定ボタンは、最近の家電の場い他のボタンよりも大きめで、中央に配される事が多いようです。
テレビの電源の位置は色々ですが、テレビノリモコンは左上に電源ボタンがあります。これはビデオ、DVD、オーディーも同様で、電源ボタンは左上にあります。これは恐らく、誤作動防止の意味もあるでしょう。テレビなどの電源はつけたあとは消すまで触りません。リモコンはボリュームやチャンネルなどの操作が主ですから、電源ボタンが右にあると右利きの人は誤って押してしまう事もあるでしょう。つまり、ON/OFFの切り替え頻度が低く、その他の操作ボタンがある場合、電源ボタンは左上に孤立させておいた方が良いと。ビデオデッキやオーディオは本体にも操作ボタンが多いので、左に電源ボタン、あるいはイグジェクトボタンが配されていますが、これも誤動作防止の意味があるのでしょう。電子辞書も同様ですね。
決定ボタンが大きいといえばキーボードのEnter。Enterは右手小指が届く位置にあり、BSやDelはEnterの上に通常サイズのキーで配されます。ただEscキーは左上にあります。テンキーに目を移すと、Win、Macともに左下に大きめなEnterキーがあります。MacにはClearが左上にありますが、Winの場合はNum Lockキーがあります。電卓はEnterに相当する=キーが右下、ACが左上にあるので、Macの方が電卓ライクです。
壁に配置される室内照明用のスイッチは左右の場合、左がオフで、右がオンです。また、スイッチ類は上下の場合、下がオフで上がオンが普通ではないでしょうか。あんまり関係ないですが、水道の蛇口は右回しで水が出ます。最近では上下式もありますが、下げると出るのがTOTO方式、下げると止まるのがINAX方式。阪神大震災で下げると出るのがTOTO方式だと上から物が落ちると水が駄々漏れになるので、下げると止まるINAX方式に統一されました。
これまでの話をまとめると

  1. 左がOFFで右がONの事が多い。右利きの人は右のほうが押し易い。
    • ディスプレイ、照明のスイッチ
  2. 頻繁に使うボタンは右、あるいは中央に大きく。
    • 洗濯機、電子レンジ、炊飯器などの家電
  3. 誤動作防止で左に配する場合もある。
    • テレビなどのリモコン、電子辞書など

安全装置といえば、銃のサムセフティも左側にありますね。ただこれは、人差し指がトリガに掛かっているからでしょうが。
マウスは左が決定ですが、これは先に示したようにWindowsが左決定だからなのか、マウスを握る際に人差し指の位置に左ボタンがあるからなのか。それとも、人差し指の位置の結果Windowsは左決定になったのか。鶏が先か、卵が先か。

メニューウィンドウの左右

ブログが一般的になった今、サイドバーは右にも左にもありますし、3カラムなども見られます。僕は、サイトバーは右に置いてますが、こちらの方が使いやすいと感じるから。恐らく僕が、カーソルをディスプレイの右側に待機しておく事が多いからでしょう。
さて、サイトバーではなくフレームを左右に使用する場合、左がメニューであり、右がメインという構成がほとんどでした。これは恐らく、左から右へ横書きするためでしょう。左にメニューがあり右に展開していくのが自然だからでしょう。右から左へ書くアラビア語圏なら、http://ar.wikipedia.org/wiki/ などのように右にメニューがあるのが自然でしょう。ブログの場合は、画面幅などを考えた際に、左に本文があった方が切れないからという理由で右にサイトバーを配置している事もありそうです。つまり、視点で考えると左のほうが目に付き易く、操作で考えると右のほうが便利という事でしょう。
PCのソフトウェアを見た場合、左にメニュー画面がある事が多いようです。Google Earthも左、ペイントをはじめ、CGソフトもツールは左にありますただし、サブメニューは左にあったりしますが。これは、先のように左から右へ書く横書き文化の影響もありそうですが、右利きなので絵などを描くスペースが右があった方が操作し易いという理由だと思います。
さて、ここで今一度ゲームに立ち返る。ゲームの画面においてメニューはどこに表示されるか。上下に分かれている場合を除けば、左が圧倒的に多いのではないかと思います。SFCのシミシティも左ですし、ドラクエも左上にウィンドウが表示されます。ただし、FFに関してはメニューが右の場合がほとんどですね。12は左メニューになっていますが。戦闘画面に関して言えば、DQ、FF共に左下にコマンドメニュー、サブメニューをその右に展開する事が多い。ゲームのウィンドウについては要検討で、どうしてそうなっているかを論じるのは難しいのですが、ビデオゲームの場合はカーソルが固定なので視点のみを考えればいいだろう。視点が左上から走査すると考えると、FF式の右メニューはキャラクターを見せたく、その他左メニューはメニューを注目させたいのかもしれない。つまり、ビデオゲームの場合は何に注目させたいかを考えれば良い。マウスで操作する場合、シムシティや大戦略などはメインとなる細かな作業を右の大きな画面で行うため、左に操作メニューが配されるのだろう。
まとめてみると、

  1. 左から右の文化圏ではメニューは左。
  2. PCやゲームも左メニューが多い
    • 視点を左から走査するから。操作を右で行うから。
  3. FFは右メニュー
    • 先ず、キャラクターを注目させたい?

もしかしたら、僕がサイトバー右派なのはFF好きだからかも?

「OK」ボタンは左が良いのか、右が良いのか。

さて、ようやく「OK」ボタンは左右どちらが良いかを考えてみよう。
これまで考察したように、左から右に各文化圏では視点を左から右へ走査する癖がついている。一方で、操作する場合は右利きが多いので右のほうが良い。つまり、注目させたいものは左に置いた方が良いが、スイッチなどは右に配したほうが良い。また、スイッチを左に配するのは誤作動防止になることもある。
つまり、視点に基準を置けばOKが左のほうが良いが、マウス操作に基準を置けば右に置いた方が良い。Tab で操作する場合は左のほうが良いだろう。また、次へという意味がある場合は右のほうが良いかもしれない。先に挙げた家電のように「OK」を大きくするのもありかもしれない。「OK」が大きくなったインターデーすは見たことは無いが、その代わりがデフォルトの設定だろう。左だろうが、右だろうがデフォルトを「OK」にすれば良い。ただし、リセットなどの「本当に実行しても良いですか?」という場合は「キャンセル」をデフォルトにすべきで、デフォルト配置はより安全な方にすべきである。
OKボタンの位置はどこが適切? で分離配置は右優先偏重が見られるとの結果あるので、もし統一するなら
分離配置でOKを右でデフォルト選択にするというのが良いかも意知れない。

しかし、「OK」と「キャンセル」の配置は左右で無ければならないのだろうか?ここで、携帯電話に着目しよう。携帯電話では通話が左で、終話が右。これも、先の安全装置の一つだろうか。ただし、最近の携帯電話では決定は中央に配され、その下に戻るやクリアが配されている。つまり、左右ではなく上下。そういえば、ゲームの選択肢である、「はい/いいえ」は上下である事が多かった。デフォルトが「はい」なので、ボタン連打していたら「はい」を選択してはいけない場面で「はい」を選択してしまったのは良い思い出。と、思い出に浸るのはともかく、PC上でも「OK」と「キャンセル」を上下に配してはいけないのだろうか。上下なら、文化によらず上が先であることは共通認識であろう。右利き左利きにもよらない。まさにユニバーサルである。恐らく問題は、マウスを操作する際に左右の方が動かし易いことと、視点も左右の方が動かし易いということだろうか。

まとめ

  1. 視点は左にから右へなので左が先
    • から右に文字を各文化圏では、左から右へ視点を走査する癖がある
  2. 操作は右。
    • 右利きが多いため、スイッチは右に配され右決定が多い。
  3. 誤作動防止なら左
    • テレビのリモコンやオーディオの電源。

視点と操作が一致するという点で、右から左に各文化圏の方が便利そうな気がしますが、すると右利きがペンで文章を書きにくいという罠。中国や日本の縦書きは、元々木簡などに書いた文章をつなげて巻物にする際に右利きのひとが手繰り易いようになので、書き手の利便性より書き手の利便性が意識さてています。縦書きインターフェースがあったら、右決定だし視点も右で便利かも?ただし、めくる動作は左を掴むので次へのイメージはやっぱり左で逆転しますね。そこで、やはり上下に分けるのはどうですか?