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昔のゲームはしゃべれないから日本製ゲームは世界で売れた

URAHIDE より

例によって、MGS4小島秀夫監督のラジオより。カジュアルゲームとプラットフォーム戦争とか、ゲームの作り方、作りたいゲームとか、アメリカと日本の違いとか面白い話てんこ盛りのなので聞け!そんなに長くないですし。

ラジオの4/5くらいにどうして昔の日本製ゲームは売れたかという小島監督の分析が面白い。小島監督曰く

(前略)
日本の本の話も前にしたと思うんですけど、アメリカの人は米語で書くんで、米語というか英語なんで、一年間じっくり一本書いたらいいんですよ。取材をおもいっきりして、で、何回も書き直すんですよ。一本書下ろしをしたら、それが全世界に出るから、何百万、もう大ヒットなんですよ。それでけで食べていけるんですけど、日本の人たちがかわいそうなのは、日本だけなんで、日本語というのがあるんで、書き下ろしなんて出来なんですよ。連載誌5本持つんですよ。それで大ヒットですけど、日本ではヒットなんですけど、数が少ないんで、やっぱりリスク背負えないんですよ。音楽もそうですよね。日本語の歌を歌う限り。ゲームは元々しゃべれなかったんで、世界に通用したんですよ。これがチャップリンの映画と一緒で、チャップリンが最初しゃべらなかったのはそれなんですけど。しゃべると、民族とか文化とかが関わってくるんで、世界で売れないっていうことを心配してはったんですけどね。ゲームは精度が上がったんで、しゃべる、顔も表情が出る。そうなってくると日本で作ったものが世界で通用するのかという話ですよ。
(後略)

ゲームがしゃべれなかったからこそ、日本製のゲームが売れたってのはあるのかもしれない。インベーダー、パックマンドンキーコングにマリオのような多種多様なゲームが欧米に無かったのが日本製のゲームが売れた最大の要因だろうが、しゃべれなかった、あるいは限られていたというのも因かもしれない。しゃべれないからこそ純粋にゲーム、つまり遊びとしての面白さのみが問われたのだろう。
ゲームがしゃべれなかったからこそ面白さが浮き立つのは、今と昔を比べた場合にもあてはまるだろう。ファミコンの頃は荒削りだし、容量もないのでゲームとして、つまり遊びとしての面白さに神経を注がなくてはならない。例えばMSXでのメタルギアの場合、会社は派手に撃ち合うアクションゲームを望んだが、それは容量的には無理だった。だから、処理落ちしないよう敵が少なく、敵が出たら直ぐゲームオーバーになるゲームとしてメタルギアを作った。そして、メタルギアステルスゲームを広めるきっかけになった。
現在のゲームは進化し、3Dが当たり前で、普通にしゃべるし、顔の表情まである。製作者はそこにも力を注がないといけない。ゲームの遊びとしての面白さを追い求めるだけでなく、操作系やUIの使いやすさに、ゲームの動機付けとしてのストーリーなどもしっかり作らなくてはならないし、それらもゲームの面白さの一つである。昔なら遊ぶだけで楽しかったし容量も少なかったからプレイヤも仕方ないなと思っていたかもしれないが、今は容量もたっぷりあるので敵を倒した時のエフェクトが爽快であるとか、ゲームを続けるためにストーリーが必要であるとか、操作性もイライラさせない工夫が無いと売れない。また、遊びの面白さ以外が付与されると、先のしゃべりや表情のように、付与されるものが文化によって異なってくる。たとえば、北米で売れるFPSが日本のユーザーには売れない。逆に、日本では売れるけど北米では売れない。現在のゲームは最新の技術が使われお金もかかるので、北米というか世界で売れないとお金をかけた大作は作れない。すると日本的大作は世界では売れないので、お金をかけることができないというジレンマ。まさに日本製ゲームのガラパゴス化とでもいうのか。

参考:ステルスゲーム - Wikipedia
参考:ヒデラジZ 第003回 (08.06.03) の 14:00 あたりから

ガラパゴス化こそ日本の強み

上記で指摘される日本の技術のガラパゴス化に関して。携帯電話は小さくて全部入り大好きな日本人らしく、カーナビも渋滞があるから仕方ないのではと思う。非接触ICカードに関しては日本の方式が世界標準にならなかった政治的なお話。デジタルテレビはテレビ利権の問題もあるだろう。建設業の耐震技術が世界でトップクラスだけど高コストなのは当たり前で、他国は地震など気にせず建設するからドバイのように超高層ビルの建設が可能。
日本方式が世界標準にならない理由は色々あるし、日本が世界標準から外れたものを作り続けるのも同様。たとえば、携帯電話は普及した頃に日本人が海外でも携帯電話を使うことの利便性に関して特に興味が無かったという点があるだろうか。欧州などは陸続きだし、飛行機も格安で乗れるので国間の移動が多いから、国同士で規格を統一することが利便性への一歩となる。
個人的には日本の携帯電話の新化は異様だと思っているけど、この異色さも日本独特の強みだと思う。アニメやマンガにしても、日本で独自の進化を遂げ、現在の所日本人にしか作れないところが強みになっている。先のゲームにしても、元々は日本人向けに作っていたけども、他になく独自のものだったから世界でも売れた。そして、ゲームがビジネスになると分かったから世界的に売れるゲームが作られるようになった。
日本がガラパゴス化する理由は地理的な要因もあるけど、最大の原因は日本語なんだと思う。日本語が日本人の思考にも影響を与えるだろうし、また翻訳により他国との障壁を作る。小学生の頃から授業を英語でやるみたいな試みも行われていますが、そうすると日本語的思考ができなくなるのではと思う。グローバル化はするだろうけど、日本の独自性は果たして残るだろうか。