ゲームの右と左 マリオはなぜ右を向いているのか が長すぎるので簡略版をご用意。長いのは理由を説明しているのと、左右に関するエトセトラが盛り込んであるから。左右を論じるのは面白いんですよ。身近なものの左右も理由が会ったり無かったり。例えば、時計が右回りなのは北半球で太陽が右回りに見えるからといいますが、実は理髪店以外にも左回りの時計はあるんですよ。
簡略版なので理由は端折りので詳しくは本編を。
映像のロジックは「←」右から左
アニメやマンガに関しては、島国大和のド畜生 物語の進行方向について(日本漫画のメリットとか) を読んで頂きたい。挿絵もあるので大変分かりやすいので是非。
- 舞台の左右
- 左が下手で、右が上手
- 舞台の上下関係
- 左が下座で、右が上座
- 舞台の入場
- 左から来訪者・下位者、右から主人公・上位者
- 俳優の配置
- 左が敵・下位者で、右が主人公・上位者
- 俳優の向き
- 「→」と左から来るのは、ネガティブな不安や否定、敵の攻撃
- 「←」と右から来るのは、ポジティブな安心や肯定、味方の攻撃
- 舞台の進行方向
- 「→」と左から右は後退、減速、到着
- 「←」と右から左は前進、加速、出発
舞台では物語が「←」と右から左へ進行するので、チキチキマシン猛レースも「←」と右から左へ進む。舞台には「上手(右)から下手(左)」に風が吹いている。ラブロマンスで想いは「←」と右から左へ伝えられ、右の方が想いは強い。
視線は「→」左から右
横文字で視線は「→」左から右と動くのが自然。ニコニコ動画のコメントは何故「←」と右から左に流れてくるのか。
視線は「→」と左から右から移動し、ニコニコ動画のコメントは「←」と右から左に流れると相対速度により読むスピードがアップする。加速したようにも見える。視線と目標の方向が交錯するので捉えやすい。
逆に、目標が「→」と左から右に移動した場合はじっくり観察することができる。また減速したように見える。
- 視線は「→」左から右に移動する
- 「←」と右から左に移動する物体を捉えやすい
- 文章は早く読める。スピードアップで加速しているように感じる
- 「→」と左から右に移動物体は観察しやすい
- 物体を細かく観察できる。スピードダウンで減速しているように感じる
- 「←」と右から左に移動する物体を捉えやすい
ゲームは「→」左から右にクリアする
舞台では「←」と右から左に進むのがルール。主人公は右にいるべきで、前進、出発、加速は「←」と右から左であるべきなのに、ゲームで自機は「→」と左から右へ進む。以下の理由
- インターフェース的理由
- 右にアクションボタンが配されるので、攻撃は右に出るべき=自機は「→」と右を向く=「→」と左から右に進む
- 左に方向ボタンが配されるから。左手にミニカーを持った場合、ミニカーは「→」と左から右に進むのが自然。
- 視線的理由
- 自機を自由に動かすので、自機はゆっくり見えたほうが良い。「→」と左から右に移動物体は減速して見えじっくり観察できるから、「→」と左から右へ進む。
- 敵の攻撃は瞬時に気づかなければならない。「←」と右から左に移動する物体を捉えやすいから、敵の攻撃は「←」と右から左に流れた方が気づきやすい。また、加速して見えるので敵の攻撃が激しく感じられる。
- 利き目が「右」だからとも言う
物語が「←」と右から左に進行するのに、ゲームを「→」と右から左に進めるのは受動と能動の違い。物語は、受動的に楽しむメディアだが、ゲームは能動的に楽しむメディア。ゲームは自分で操作するから「→」と右から左に進めるべき。
数学で数直線は「→」と左から右に増加するからとも考えられるんですが、ゲームデザインと考えると作り手だけの理屈では説得力に欠けるのよね。プレイヤーのことも考えないと。
「←」と右から左のルールに則ったゲーム
何事にも例外が。映像重視で映画的手法をとったゲームは、映像のロジックである「←」と右から左に従う。以下例を示す。
- サイドビュー形式のRPGの戦闘
- 左が敵で、右が主人公
- 主人公の攻撃は「←」と右から左
- FFを始めとするスクウェア作品。スターオーシャン、ヴァルキリープロファイル。ファイアーエムブレム、スパロボ。
- メタルギアを始めとする小島秀雄作品