読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

フォントいじりとパワポは良く似ている

フォントいじりについて

フォントいじりとは、webサイト、主にテキストサイト界隈で多く見られた文章表現である。文章中の強調したい部分を、太字のボールドに留まらず、フォントのサイズや色を変える手法だ。例えば、声を大にしたコトを大きめの文字で書いたり、逆に本当はあまり言いたくないんだけど…的なニュアンスを伝えるために小さな文字で、オチを赤色や黄色など目立つ文字で書いたりといった手法である。2001年頃に侍魂の影響により、黒背景+中央ぞろえ+改行多様形式のフォントいじりサイトが乱立したがあっという間になくなってしまった。劣化侍魂系フォントいじりサイトの乱立によりフォントいじり自体が倦厭される原因になったように思う。
侍魂のフォントいじりは源流は今は亡き、"FUNNY" GAMER'S HEAVEN(http://bx.sakura.ne.jp/~fgh/index2.html)である。その後、FGH→斬鉄剣→裏MIZUHAの憂鬱→侍魂、と発展していったものと思われる。フォントいじりを大体的に広めたきっかけは 侍魂 先行者 というテキストで侍魂と言ってよいだろう。しかし、誰がフォントいじりを最初にやったのかは特定できないだろう。なぜならそこまで独創的な表現でもないから。顔文字や2ちゃんねる用語を始めとするネットスラングは、限られた文字数と時間において伝えることが難しいニュアンスを表現するために生まれたという側面がある。これはフォントいじりも同様で、文章中である部分を強調したい場合、太字で目立たない場合はフォントサイズや色を変えるのは常套手段。特に、スライドによるプレゼンでは当たり前のように行われる手法である。

フォントいじりの利点と難点

フォントいじりの利点は一言で言うと「簡単」。めとめると以下。

  1. 文字の大きさ、色を変えるだけと簡単
  2. 少ないテキスト量で普段文章を書かない人も気楽にできる
  3. 構成が簡単で、メリハリも付けやすいのでテンポの良い文章にし易い
  4. 流し読みでも何となく理解でき、読み手にも優しい

この中でも、テンポを持たせやすいと言う点でフォントいじりは優れているように思う。適度な長さで改行することにより、リズムが生まれる。短く、人目で頭に入るフレーズが続くので読み手はテンポ良く読み進めることができる。また、行間を開けることでタメを作ることができる。文章の量と行間により、文章の見た目の緩急が付けやすい。書き手のテンションを表現しやすい文章法とも言える。まさに、フォントいじりとは、関西人はフォント弄りがお好き。 でも言及されるように書き手と読み手のキャッチボールと言えるだろう。
「簡単」とは言ったものの、フォントいじりは難しい。フォントいじりの文章を読んだ読み手は分かったような気になっているだけで、実は良く分かってないことが多い。フォントいじりが書き手のテンションを表現する文章法だけに、読み手は乗りで分かったような気になる。
また、リズム感の無い人がフォントいじりを多用するとただただ冗長で、スクロールが縦に長いだけの文章ができてしまう。そんな文章は読み気がしない。また、昨今はブログ等でCSSが利用されるが、CSSによってはフォントを拡大すると上下の行と被ってしまい至極読みづらい場合が多々ある。ブログでは空白の使い方が大切、ですか? - EKKEN♂ でも述べられるように、環境によって見え方が変わり読みやすいと感じる設定も人によっては大きく異なるため、読み手が読み易い環境に設定できる方が親切な場合もある。固定化することで書き手の見せたいままを反映できる反面、読み手が必ずしも読み易いとは限らないのが最大の欠点か。

画像と相性の良いフォントいじり

最近では看板が「フォントいじり」のサイトはほとんどない。しかし、フォントいじりを効果的に使用しているサイトは多い。
フォントのいじり自体はマイルドな漫画考察系ブログ、マンガがあればいーのだ。。ジャンプ系の漫画を中心にいじり倒す、カフェオレ・ライター。黒背景で、おかしな漫画を痛快に紹介する BLACK徒然草。結婚し育児で更新頻度は下がったけど、昨年はアーダン一人クリアでぶっ飛ばしていた LOGIC&MATRIX。写真素材サイトだけど、ネタの頻度の方がはるかに高い 僕の見た秩序。 など。
これらのサイトの共通点は、画像を用いて文章を書いている所。フォントいじりを用いているサイトは 大炎上 のように、漫画やアニメ批評系に多い印象。画像を用いる場合、読み手はどうしても画像に着目しがちである。文字を強調したい場合はフォントを大きくするか色を変えるか、フォントをいじらなければ目立たない。また、画像が既に書き手の言いたいことである。さらに、文章が多すぎるとテンポが悪くなるし、文章が画像よりも長いと読みづらい。そのため、改行を多用した方が読み易い。このように、画像を主とする場合は少ない文章でテンポ良く進めた方が見やすいため、フォントいじりを用いた方が良いと言えるだろう。@nifty:デイリーポータル Z も画像というか写真が多いのでテキスト自体は少なめなネタが多い。サクサク見れるのが利点だ。
ただし、画像を引用的に、つまり主ではなく従として用いている場合はその限りではない。

フォントいじりはパワーポントだ!

フォントいじりは画像を主とした文章を書く際に効果的である。同じ、図+文字を用いた表現法として、プレゼンテーションでのスライドがある。現在ではパワーポイントなどが主流か。プレゼンのスライドは図が主体であることが多く、また文章をたくさん書くのは効果的でない。適度な改行により一画面に表示される文章を制限したフォントいじりと、スライド一枚ごとに情報が表示されるプレゼンは表示形態が良く似ている。さらに、制限された情報量の中で文字を目立たせる手法として、アニメーションを用いない場合に、スライドもwebの文章も、フォントを大きくするか、文字色を変えるしかない点も同じだ。
プレゼンが下手な人ほど、スライドの情報量が多すぎる。最悪なのは、スライドの文章を読み出す人。聞くよりも読むほうが断然早いため、聴衆にとっては同じことを二度繰り返されたことになる。また、情報量が多すぎると、聴衆は何に注目してよいか分からず、その結果本当に伝えたい情報が伝わらない。プレゼンは時間が限られているので、全てを伝えることはできない。一番伝えなければならないことだけを伝えなければならない。制限された時間で核心を伝えることは難しいため、大枠を説明することになる。つまり、聴衆を分かったような気にさせなければならない。その点でも、全体を流すように伝えるフォントいじりと似ているか。
つまり、フォントいじりは図を主とする表現と相性が良く、文字の強調方法としてフォントを変える、一度に表示される情報量が限られている、全体の情報量としても大枠を説明する程度といった点で非常に良く似た表現方法といえる。

補足:○○メソッド

さて、プレゼンテーションの手法と言えば一時期「○○メドッソ」が乱立していたように思います。その中で代表的ななものは、高橋メソッド「もんたメソッド」 でしょうか。特に、高橋メソッドは文字だけど言うある意味究極のプレゼン方法である。内容は簡素でインパクトはあるが、詳しいことは伝わらないのが最大の欠点か。高橋メソッドを対話型に拡張したのがもんたメソッドみのもんたがおもいっきりテレビで使い、現在では朝ズバて用いているめくり手法だ。間が大事と言う点で、改行を多用したフォントいじりと通じるものがある。