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書籍のオンライン化により、無料で利用できるめとめ情報が減少するのか

ふぇちゅいん氏のコメントを引用

書籍のオンライン化が進むと、1冊の概念が無くなっていくはず。すると、たとえば「W-ZERO3の作り方」って20ページの文章を書いて、形だけ出版するって事も可能になっていくと予想される。現在でもすでにオンデマンド印刷で書籍の在庫無しってサービスもあるしね。

すると、たった20ページの文章をオンライン上の手続きだけで簡単に「売る」ことが可能になる。良質な文章を書ける人はネットで無料で配布する傍ら、「全体が読みたければ購入」という形式をとることが出来るという妄想です。

もちろん完全無料で提供してくれる人も中にはいるだろうけど、今の世の中で大多数が売れるのに無料で配るってのはちょっと考えにくい。

だから、無料で利用できるまとめサイトが減るだろうと。

まとめることは付加価値があるので売り物にはなるだろう。書籍のオンライン化が進むと、tipsや情報をまとめたサイトを書籍という形態で売ることが可能。これは現状のケータイでの携帯小説なんかのサービスと同じ状態とも言えるかも。
書籍のオンライン化が進むと、Amazonでも 電子書店パピレス のようなサービスを始めるだろう。さらに全文検索できれば、本屋で立ち読みして確かめるように、その書籍が自分にとって本当に必要か否かを調べることも簡単だ。
お金を払うことで、内容が保障され、自身で情報を探す手間が省けると考えるなら、まとめ的な書籍を買う人もいるだろう。これは現状でも変らない。webを見ればログがあるのに本を買う人はいる。有名人のブログ本にしても、ログはweb上にあるけどまとめある、ログは消える可能性はあるが、本は消えないことに意味があるんだろうし。つまり、情報そのものじゃなくてそこに何かしらの付加価値がないと書籍としては売れない。

書籍のオンライン化と、書籍の全文検索ができれば、現在のwebで検索するように書籍を検索できるってことだ。ただし、現在のwebと異なるのは、情報を知るには書籍を買わなければならない点。書籍のオンライン化と、書籍の全文検索が進めば、自分で情報を探す手間等を考ええると、内容が保障された書籍を買う人もいるだろう。そして買う人が増えれば、web上に存在する優秀なライター達がオンライン書籍へ流れることも十分に考えられることだ。
しかし、だからといって無料で情報をまとめたサイトが減少するだろうか?

名無し達の存在

世の中には匿名掲示板に書き込んだり、wikiを編集する名無しが大勢いる。ブログなどの個人サイトで好き勝手なことを書く人も大勢いる。
例えば、iPod touch に関して2ちゃんねるで色々な情報が交わされるているとしよう。その中にいる名無し個人は広い知識があるわけではない。多くの名無しはそれぞれの専門分野というものがある。ある人は、無線LAN関係、ある人はsafariに関して、またある人はハックについて詳しい等など。また、情報を仕入れてくるのが異常に早いとか、人柱に果敢に挑戦する奴とかもいる。勿論初心者もある程度必要で、初心者によって様々な"how to"や"why"がFAQになったり、tipsになったりする。そして、それが明文化されていくことで新たなる名無しがwikiを立ち上げまとめたりする。
勿論2ちゃんねるだけでなく、ブログなどの個人サイトでも同じこと。ブロガーも広い知識をもっているわけではない。iPod touchで試して上手く行ったら、自身のブログの記事にするだろう。まとめるにしても、自分用+誰かのため用に、iPod touchの情報をまとめたりしているだけだ。

web上のまとめ情報は、一人の個人から得られたものではなく、多くの個人から得られたものだ。もちろん、散見する情報をまとめることは個人で出来るけど、まとめられるまでに培われてきた情報は専門化でない個々のユーザーによるものだ。webに名無しがいるかぎり、それらの情報自体は減らない。
もちろん、そのまとめたものをオンラインの書籍として売ったら売れるだろう。ただ、売れるから無料のまとめ情報が減るというのはイコールでは結べない。むしろ、書籍などの全文検索が可能な世界と同時に、欲しい情報のみをまとめサイト的に検索できるシステムが構築された世界も十分に考えられる。つまり、「人」によるまとめよりも、「検索」によるまとめの方が優れた世界。そんな世界では、情報をまとめただけでは売れない。そして、そんな世界を目指しているのがweb 2.0以上の世界じゃないのか?

最終的に書籍化することの意義は、情報を消えにくく保護された状態にあるだけと言えなくもない。ただ、これも 学生時代、大量のエロ画像を集めては光ディスクに焼いてたセンパイがいた。 で語られるように、電子データよりも紙媒体の方が、最終的には石版の方が情報を保持するのに向いているのだけど。

webにおける"give & take"の精神

上記の、書籍のオンライン化が進むと個人でも書籍を出版することができ、優秀なライターはそこに流れ、その結果無料で有用な情報が減るという話はどこかで聞いたような。
WWWに個人が流入してきた頃に似た議論がなされていたような。それこそ、90年代頃から。当時は、"give & take"の関係で、サイト開設者同士は1対1の関係が成り立っていた。しかし、今後ユーザーが増えれば、"give & take"の1対1の関係は崩れ、"take"のみ享受するユーザーが増えるだろう。そうなれば、"give"側はwebから消えるだろう、的な話があった気がする。
ダイヤルアップ→ADSL→光への変遷と共に、圧倒的に"take"による恩恵を預かれるようになった。確かに、"give"しなくても、情報は得られる。しかし、"give"側が減ったようには感じない。むしろ、ユーザーの増加と共に"give"側も増えているだろう。もちろん、相対的に見ればその割合は減っているし、"give & take"の関係でいうと"take"の方が遥かに多い。しかし、現在でも"give"した方が得られるものは多い。自分で情報を発信しないで情報を集めるよりも、サイトなりブログなりを開設した方が情報を共有でき、より多くの情報を得られる。むしろ、少ない"give"で計り知れない"take"に預かれる現状の方が、かつての1対1の関係よりも得られる情報の多さという点では優れているだろう。

フリーウェアとシェアウェア

無料・有料の話としては、フリーウェアとシェアウェアってのもある。vectorなんかはシェアウェアの代行をしてるけど、フリーウェアはドンドン開発されている。一向にフリーウェアが無くなる様子は無い。
フリーウェアを開発する意図は色々あるだろう。フリーで発表することの意義も色々あるだろう。お金を取らないことの利点は、多くの責任を負わなくて良いってことだろう。趣味的に作るなら、自分用に作ったけどもしかしたら他にも使いたい人がいるなら、まだ売れるようなレベルにないからという理由でフリーにしている人もいるだろう。勿論、お金を取らない=無責任というわけではない。しかし、使用者のアフターケアまで面倒見る責任まで無いってのはメリットになるだろう。購入者に買った後に、思ったような機能が無かった!といわれる心配もないし。
だから、お金を払って機能がきちんと保障されたシェアウェアを買う選択肢だってある。しかしフリーソフトで十分な場合もある。つまり、お金を受け取ることでの責任とお金を得ることを天秤にかけた場合、前者を重視するならフリーに、後者を優先するならシェアにするというのも一つの指針。

むしろ、ソフトウェアのフリーウェア化 という点ではフリー化の道に進んでいるとも言えなくも無い。googleは、mapにEarthにPicasaと信じられないものがフリーで提供している。ウィルス対策ファイアウォールに関しても、フリーウェアで十分まかなえる。フリーで遊べるFLASH系のゲームは昔と比べれば全然多い。むしろ、今も増え続け今後も増え続けるだろう。フリーソフト運動、オープンソースってどんなの? における 大学や役場でのLinuxやオープンソースソフトの導入例など を見れば、多くのことがフリーソフトでまかなえることが分かる。また、ソフトウェア業界としても、昔に比べるとソフトウェアの価格は随分低下している。ただ、多くのソフトのフリー化や低価格化はソフト業界自体の体力が心配ではありますが。

フリーウェアとシェアウェアの流れを考えるに、書籍が簡単にオンライン化でき、個人が簡単に書籍を出版できるようになったからといって、一概に無料で利用できるめとめ情報が減少するとは言えないのではないか。何故なら、そこにはお金を取ることでの責任が発生するので。その責任が重いと感じる人々は書籍化せずに今までどおり気楽にまとめサイトをやるだろう。

名を売るのか金を得るか

売ることと知られることは同じ次元の話ではない。むしろ、知られるだけなら無料にした方が情報が拡散し易く名が売れる場合もある。もちろん「書籍」という保障の名の元に「名」を売った方がより効果的ではあるけども。
ただし、オンライン化された書籍の価値が現在の出版された「本」と同等の価値を持つか、つまりオンライン書籍が売れることと、「本」が売れることではどちらが「名」を売ることが出来るかと考えると、明らかに後者の方だろう。むしろ、オンライン化された書籍が増えれば増えるほど、「本」の価値は増し「オンライン書籍」の価値は下がる。
名をとるか銭をとるか。銭を取るならオンライン書籍以外の方法だってあるわけで。現状なら、アフェリエイト。一部ブログサービスでは、ランキング上位になればプレゼントが用意されていたり。また、カンパウェアのようなウェブ投げ銭、あるいははてなポイント送信。今後、アクセスカウンターをそのまま電子マネーに見たいなサービスが登場するかもしれない。ただ、『セカンドライフ』が面白くない理由 に語られるように兎にも角にもお金が必要なサービスってのは面白くないんですよね。オンライン書籍化も面白いか面白くないかで言われると面白くない。なぜなら、実用的な話の問題なので、面白い要素が無いわけで。

オンライン書籍の未来

オンライン書籍化、書籍の全文検索が可能な世界を夢見るに、むしろ既存の本の一部分だけを購入することが出来るようになるとかの方が面白い。例えば、ある本の第6章のみを買うとか、漫画の第何話だけ買うとか。有用な資料は欲しいけど、他は必要ないみたいな。オンライン書籍化、書籍の全文検索が可能で、それができないなら既存の世界と対して違わす全然面白くない。
また、新聞などは全部有料にしても良いだろうが、速報だけ無料にして過去記事を参照する際は有料にした方が便利かもしれない。過去記事をいつでも参照できる権利を買っても良いし、必要な時だけ必要な過去の記事を読む権利を買えても良い。その代わり、過去記事のURIが変更されない、あるいは変更されても参照できるように保障する。

これは既に音楽や動画ではなされていることだ。そして壁は崩れはじめた―マドンナ、レコード業界を捨てる という動きがあるので音楽関係はどんどんオンライン化が進みそう。
動画に関しても、数話は無料で後は有料というスタイルが多い。ただ、動画の場合、視聴できる期間が設けられている事の方が多い。特にアニメでは。バンダイチャンネル等は買うというよりもレンタルで、何回も見たいならDVD買えってことだ。まぁ、それでも良いけどハードウェアは場所とるので十分なスペースの取れない僕はデータだけで十分な場合もある。例えば漫画なんかもjojoとか全巻揃えたいけど場所ないし。

優秀なライターがオンライン書籍に流れた場合なのだけど、結局現状とあまり変らないかもと思う。何故なら、その書籍もまた批評に晒されるから。中身が悪ければボロクソに言われて売れないだろうし、良ければ売れる。それだけなんじゃないかな?書籍のオンライン化が進めば、無料で情報をまとめたサイトが減るはドミノのような関係で、直結はしていない。書籍のオンライン化+全文検索が即、無料で情報をまとめたサイトの減少には繋がらないだろう。

まとめ

  • ネット上の無料で利用出来る「まとめ情報」が今後減る可能性
    1. 書籍のオンライン化の流れ
      • オンラインで簡単に書籍を出版できるように
    2. 書籍の全文検索
      • 現在のweb検索のように書籍を検索できるように
    3. 現在webにいる優秀なライターがオンライン書籍へ流れる
    4. 無料で利用できる「まとめ情報」が減る
  • 反論
    1. 名無し達や、ユーザーによる個別の情報は減らない
    2. ネットユーザーは今後も増え続けるだろう
      • 優秀なライター一人により書かれたまとめサイト以外もあるってのがミソ
      • もちろん、無料で利用できるまとめ情報が相対的に経るかもしれない
    3. 「名」を売るならタダにした方が手っ取り早い
      • 勿論、「本」という保障の名の元に「名」を売った方が効果的
      • ただし、オンライン書籍化簡単な世界で「オンライン書籍」自体に「名」を売る効果があるのか疑問
    4. お金を受け取ることで生じる責任は重い
      • お金を受け取らずに気ままにかける方が楽な人たちだっている
    5. web 2.0が進めば、情報をまとめること自体が無価値になるかも
      • もちろん、誰がまとめかには意味がある
    6. 兎にも角にもお金が必要な世界はつまらない
      • ソフトのフリー化が起こっているのに、読み物の課金化が進むのだろうか?
    7. オンライン書籍も批評されるから現状とは変らないよ
    8. オンライン書籍化のメリットはもっと別の所にあるよ
      • 省スペース化と時間の節約
      • 書籍の一部だけの購入
      • 新聞などのニュースサイトならば、ニュースの保障など

まぁ、本には本の良いところ。webにはwebの良いところがある。本ならば、ある程度保障された内容で、入手すれば無くならないし、いつでも参照可能である。webは、兎に角速報性とその量は半端無いし、聞けば返ってくる双方向性も良いところ。十分棲み分け可能だと思うし、優秀なライターがお金を得られることは良いシステムだ。ブログを開設して速報性のあることを収集しつつ、ある程度纏まったら書籍にしているライターだっている。例えば、伊藤浩一のW-ZERO3応援団 とか。つまり、優秀なライターが、書籍化することで自身の利益に還元することが容易になるかもしれない。そうすることで、優秀なライターがwebで書き出したら、web自体も活性化する。
オンライン書籍とwebが棲み分けしつつ、互いに良い相互関係を築けるのが一番良いのではないかな?