ニコニコ動画の、再生数 / コメント数 比の相関

ニコニコ動画は動画にコメントを挿入できることが、これまでの動画配信サイトは一線を画した。コメント次第で何でもない動画が面白くなったり、マニアックな動画でも解説が入り分かり易くなったり、その他パロディに気づけたりと利点が多い。もちろん、元々面白い動画はますます面白くなる。まぁそんなことは周知の事実ですけども。

再生数 / コメント数 比と動画の傾向

ニコニコ動画はコメントできてなんぼだ。つまり、再生数よりもコメント数で評価すべきなんだけど、コメント数上位はアンケート等のコメント乞食な動画もある。やはり再生数も考慮にいれるべき。というわけで、先のインパクトファクターに倣うと、再生数 / コメント数(再/コメ)比で比較してみた方が良いかもしれない。再生数が多いのに、コメントが少ないのはニコニコ的ではないし、逆に再生数が少なくてコメント数が多いのはコメント乞食だろう。というわけで、以下に再/コメ 比の傾向を、主にランキング(本日)の上位から個人の主観でまとめた。

  • 再/コメ>10
    • 傾向は多岐に渡るが、良質なMAD、作業用のメドレー、あるいは釣り等。
    • MADの場合は完成度が高すぎてあまりツッコミ所がない。
    • 釣りも釣り自体が目的な場合が多い。
    • ニコニコ動画である必要があまりないとも言える。
  • 再/コメ≒5
    • ニコニコにもっとも多い動画。
    • 2007年9月6日での全動画の、再生数:1,780,848,235 コメント数:354,115,914 再/コメ=5
    • 全動画の再/コメ=5 なので、ニコニコに平均的な動画といえる。
    • 可もなく不可も無く。
    • 適度にツッコミが入れられ、適度に解説が入っているので、改めてコメントするまでもないかなと思わせる一品。
    • 初期ではコメント職人が多く見られる。以後は流れる。
  • 2<再/コメ<5
    • 下記に示すツッコミところ満載動画が時間が経ち平均的なニコニコ動画に移行する期間
    • 公開日数が増えるごとに、再/コメ 比は増加する。注目はされるが、コメントする人の数は減る。
  • 再/コメ≒2
    • 個人的に再生数のコメント数のバランスの黄金比
    • 適度にツッコミポイントと弾幕ポイントのある動画。
    • 最も心地よくコメントが入れられる比。
    • 釣りならば良い釣りである。
    • らきすたの初日などはだいたいこの辺に位置する。
  • 1<再/コメ<2
    • シリーズ物では特定のファンがいる場合が多い
  • 再/コメ≒1
    • 弾幕が多すぎる。ツッコミどころ満載
    • 再生するたびにツッコミを入れざるを得ない動画。
    • アンチも発生しいる場合も多々。ニコニコは煽り耐性少なすぎ。
    • ひぐらしの初日はここら辺。
    • まれにメドレー系も存在する。この場合は、うp主の説明不足や神曲が多いので皆さん語りたいなど。
  • 1<再/コメ<5
    • アンケート系に多い。ただし、アンケート系ならあまり意味はない
    • あるいはコメント乞食(コメント数n以上でzipうp等)
    • ツッコミ系で再/コメ比が1を超えることは先ず無い。なぜならば、再生する全ての人がコメントするわけではないから。逆にコメントする人は1動画でかなりの数コメントする。
  • 再/コメ<5
    • 先ず間違いなくアンケート系。アンケート系としては人気は高い。
    • 再/コメ<10を超えるとかなり良質なアンケートの部類。

ただし、これらは再生時間が10分をピークとした、5〜20分程度の動画にもっともあてはまる。密度の関係で、短い場合はコメント数が減り、長い場合はコメントが増える。
また、往々にしてツッコミどころ満載の動画の場合、再/コメ≒1を経て2,3日は再/コメ≒2で落ち着き、最後はニコニコで平均的な再/コメ≒5に落ち着く。日が経てば、コメントするまでもなく既にコメントが入っているのと、再生頻度が下がるのでコメントのチャット的リアルタイム性が下がるからだと思われる。

再生数 / コメント数 比の考察

動画公開初期の頃に、再/コメ≒1あるいは再/コメ≒2だった動画も、日が経てば平均的なニコニコ動画である再/コメ≒5に落ち着く。これは、コメントするニコニコユーザーの多くは、直ぐに自分の気に入った動画を見つけるからだろう。ニコニコのアルファ層は暇人が多いので、動画を見ることももとよりコメントすることを楽しんでいる。アルファ層によって注目を浴びた動画が、ランキングなどにより一般層に注目されるのだが、彼らは動画を見ることを楽しみにしているので、あまりコメントしない。コメントはしないが、コメントを見て楽しんでいる層もいるだろう。
5<再/コメ<10の場合は、初期の頃にはコメント職人が盛り上げている場合が多い。これも、ニコニコ的ではある。「字幕自重」というコメントも多い。ただし、時間が経過するとそれも流れてしまう。適度に復活することもあるが。
ただ再/コメ>>10の場合、ニコニコでなくても良いかなと思うわけですが。

ニコニコ動画は動画の再生数 / コメント数 比で動画の種類が顕著に分かれていると思う。そして、その違いによりユーザーの層も違うように感じる。再/コメが多いのはユーザー参加型志向のユーザーで、再/コメが少ないのは見る専のユーザー向け。というわkで、ニコニコ動画のランキングあるいは検索システムに、再生数 / コメント数 比を追加していただきたい所。