魔王が世界を征服できない問題

ここでの魔王はDQ3のゾーマを考える。なぜなら、魔王と言えばゾーマだから。異論は認めない。
御伽噺的に、ゲームだからと説明したら思考停止。

各派まとめ

魔王対人間は何の暗喩なのか

魔王対人間をどのように捉えるかの問題なのですよね。
「プロジェクト的に失敗だよ派」は、魔王軍を一つの組織として考えて、現代の会社に置き換えてみたもの。この時、明確な敵は必要ない。勇者の視点は無く、魔王を中心に据えた見方。
ジャムおじさんバイキンマンに上納してるよ派」は御伽噺的に、あるいは警察と暴力団の癒着的に。この時、敵はいない。むしろ、本当の敵は世間か。勇者側の視点は世間的に正義に見える側から。
「異種間生物のハケン戦争だよ派」は、それぞれが覇権を握るあるいは、派遣してトップを潰す戦いに。これは、完全に二元的。どちら側からも見ても同じ構図。
「既に世界征服は完了してるよ派」は革命。左派体右派みたいな戦いで勇者は革命側から見た構図。
それぞれ、魔王対人間から何を見るのかという点。

魔王は絶望をすすり、憎しみを食らい、悲しみの涙で喉を潤すという

暗喩ではなく、より直接的に考えたのが DQFFいろんな解釈 DQ魔王論 である。DQ3では「魔王は絶望をすすり、憎しみを食らい、悲しみの涙で喉を潤すという」 なるセリフがある。これは比喩ではなく、魔王は本当に絶望や憎しみを喰らっていると考えた方が様々なことがスッキリする。
何故、人間の拠点を残しているのか。何故、そそかしこで人々を苦しめるだけなのか。どうして、人間を絶滅に追いやらないのか。そして、どうして勇者(あるいは勇者候補生群)を早い内に叩きのめさないのか。

「大魔王が自ら人々の希望の星だった勇者を叩きのめす」というのは人々の希望を打ち砕く最高の手段なんじゃないかな? だから大魔王は最終決戦で勇者(或いは主人公)に直接対決を挑みたがる。
DQFFいろんな解釈 DQ魔王論 より
ただし、これはDQ的魔王のみに当てはまる。

魔王の目的が人々を苦しめることなら、魔王的振る舞いも色々と納得できる。

その他の魔王

基本的に、DQ的魔王以外は二元論的考えで良いのだろう。ただ、物語によって魔王の設定も異なれば、目的も異なる。目的は同じでも、それに対する動機付けが全く異なったり。

  • 魔族繁栄型
    • 二元論的考え方。人間が負けるか、魔族が滅びるか。
    • 魔界があることが少なくない。
    • クロノ・トリガーにように、魔族を利用している場合も。
  • 世界滅亡型
    • 破壊神的。滅びがあるから再生もある。
    • なぜかFFに多い。そして私怨も多い。
    • 動機は絶望したり、力を欲したりとなど。
  • 新たなる神型
    • 先の世界滅亡型の、滅亡後のプランがある場合。
  • 絶望世界型
    • 先のDQ的魔王。
    • 苦しめることが目的なので、生かさず殺さず。
    • 支配することは目的ではない。希望を残してこその絶望。
  • 世界征服型
    • 実質的に支配できている魔王はいないのではないか?
    • 世界征服の場合、人間対人間で国家間の争いで描かれることが多い。
    • 魔王を利用している場合があるが、魔王側も人間を利用している。ただし、これは魔族繁栄型か。

世界=人間の住むべき世界と描かれることが多く、世界に人間と魔族が共存し、互いが覇権を争うという構図はほとんど無いように思うが、誰か知ってる人いたら教えてください。
はてブのコメントに倣うと、「歴史は勝ったほうが語るよ派」が最大の理由かもしれないね。