「文化なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです」

ゲームなんて文化じゃない」に全力で釣られる。

曲解するな

知はうごく:コンテンツ力(7−3)日本の戦略」における浜野保樹教授の

ゲームについては、ぼくは異論がある。アニメや漫画は感動をもたらすけれど、ゲームは、お金だけ持っていって、子供の時間奪ってますね。その人生にプラスアルファがない。宮崎さんとか他のアニメ見て、人生変わったという人はいると思います。心ふるえるほどの感動とか、ゲームは若干難しい。ビジネスとしてはいいかもしれないが、恨みをもたれる。かつてのエコノミックアニマルのコンテンツ番みたいにね。敬意も払ってくれない

というゲームに関する考えに対して、「ゲームなんて文化じゃない」と解釈してるんですが、それは違うんじゃない。

知はうごく:コンテンツ力(7−3)日本の戦略」の主眼は、漫画やアニメを始めとするオタク文化を武器に使い、戦略的に日本を売り込み、日本のブランドを確立することを目指そうという考え。その中で、ゲームは経済的に上手く稼動しているが、ストーリーに感動して人生を大きく変えたという人は一般人にはまだまだいない。ゲームには宮崎アニメに類するような作品がない。だからゲームビジネスに対してエコノミックアニマルという表現を用いているのだろう。
そして、日本の漫画やアニメの手法を海外が目指せば、それだけ日本のイメージアップに繋がるだろうと結んでる。だから、今のビジネスのみに固執したゲームは駄目だと言ってるんだろう。あるいは、費用対価か。誰も「ゲームは文化じゃない」などといってない。

ゲームは文化? 文化って何?

  1. 社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体。言語・習俗・道徳・宗教、種々の制度などはその具体例。文化相対主義においては、それぞれの人間集団は個別の文化をもち、個別文化はそれぞれ独自の価値をもっており、その間に高低・優劣の差はないとされる。カルチャー。。
  2. 学問・芸術・宗教・道徳など、主として精神的活動から生み出されたもの。

ぶんか ―くわ 1 【文化】 - goo 辞書 より引用

言葉遊びになるんだけど、「ゲームなんて文化じゃない」における「文化」とは2番の意味だろう。1番は「社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体」なんだから、あれこれ議論必要は無い。
世間的にも、「文化」といえば2番の「学問・芸術・宗教・道徳など、主として精神的活動から生み出されたもの」で、高い達成度を有する上位文化、ハイカルチャーのことを指すだろう。ハイカルチャーには教養が必要で崇高なイメージがある。そういう点ならば、ゲームは文化じゃないだろう。
また、大衆文化やサブカルチャーという言葉もある。そういう点なら、ゲームはサブカルチャーだろう。ただ、この大衆文化やサブカルチャーは上位文化やサブカルチャー所謂「文化」あっての言葉で、俗っぽい、ランクのしたな文化という意味を内包する。故に、教養の必要ない、ゲームはランクが下な文化と見られているとも言える。
ただ、どちらにせよ、ゲームは文化である必要も無い。「文化」なんて言葉は飾りだ。「文化」という指標は第三者の判断によって下される。他人の目なんて気にしてゲームをしてるのか?自分が面白と思えばそれで良いし、生産性があろうが無かろうが知ったこっちゃない。たかがゲームなんですよ。またまた、伊集院光深夜の馬鹿力-2006年5月15日(月)放送分から言葉をお借りする。

俺がゲーム大好きなのは何の生産性が無いことが好きなわけ。趣味だから。

ゲームって楽しいだけのことじゃん。

楽しいだけで、よく

「そんな、ゲームなんてやっても時間の無駄じゃん」

とか言う人に対して

「いや、何怒ってるか知りませんけど、僕はその時間を楽しくつぶしたいんで」

と思うわけですよ。

“たかがゲーム”って言い方は合ってるんですよ。ゲーム好きから言うと。

ゲームは時間の無駄ですよ?」で語ったけども、ゲームなんて無駄でいんですよ。そんなに生産性なんて求める必要も無いし、崇高な意味を求める必要も無い。ただ楽しければよい。でも、時々感動し、心動かされることもある。
漫画やアニメに関しても同様。オタク文化を海外戦略に使おうが、コンテンツとして保護しようが促進しようが、お上なんて知らない。お上とは無縁だ。そして多分お上なんて気にしないほうが面白い。

ゲームとアニメ、どちらが心動かされるか

さて、それにしても、「知はうごく:コンテンツ力(7−3)日本の戦略」における浜野保樹教授の

ゲームについては、ぼくは異論がある。アニメや漫画は感動をもたらすけれど、ゲームは、お金だけ持っていって、子供の時間奪ってますね。その人生にプラスアルファがない。宮崎さんとか他のアニメ見て、人生変わったという人はいると思います。心ふるえるほどの感動とか、ゲームは若干難しい

という考えにぼくは異論がある。
ゲームは人生にプラスアルファがないというけども、それは人それぞれ。ゲームから得る物だってある。ただ、ぼくも先にゲームは無駄とか言った。でもそれなら、アニメや漫画だって無駄だ。別にゲームをやらなくても良いし、アニメや漫画を見る必要はない。ただ、その無駄なものたちから何を選ぶのかは人それぞれで、無駄なものから得る物だってある。
ただ、アニメとゲームでどちらがストーリー的に心を動かし易いかは、アニメに軍配が上がるだろう。 「ストーリーを楽しみたいなら小説を読めばいいじゃない」でも述べたが、ストーリーだけを追うならばアニメのほうが分かり易い。何故ならば、ゲームにはストーリー部分とゲーム部分が混在するため、ストーリーだけに集中できない。ただまぁ、世の中にはストーリー部分とゲーム部分を上手く融合したゲームもあるんですがそれはほんの一握り。だから、ゲームからこころふるえる感動を得るのは若干難しいと表現したのは同意できる。
ゲームの感動ってのはストーリーだけじゃなく、クリアした喜びってのがある。それは難関であればあるほど面白い。ドラクエ2を出すまでも無く、我々はゲームから世の中の不条理、理不尽さ、そして工夫することを学んだように、ゲームが子供の時間を奪っているとは言えないだろう。ただまぁ、ゲームは時間がかかり過ぎという意見には反論できないけど。
ゲームにはゲームの、アニメにはアニメの良さがある。
参考過去ログ:僕たちゲーマーはいつから自ら工夫することを忘れてしまったのだろうか

ストーリーゲームをするのは誰か?

女性はゲームをしないんじゃなかったっけ?」とは言うものの、最近ではニンテンドーDSで遊んでいる女性も増えている。女性達がやっているゲームというのが、「おいでよどうぶつの森」、「nintendogs」、「脳トレ」だといわれている。これらはストーリーゲームではない。どうやら、このDSをプレイする女性達にとってゲームのストーリーはおまけ以下の必要の無いものらしい。言われてれば、昔から女性の比率の高かったゲームといえば、テトリスを始めとするパズル物が多かったような気がする。
そして、さらに「女性はゲームをしないんじゃなかったっけ?」では踏む込んだ考察がなされている。

女性が遊んでいるのは、ほとんど「ストーリー」性が無いものばかり。
「キャラクター」のかわいさはあるにしても、「美少年」は出てこない。


これ、反対にしてみたらちょっとおもしろいことが見えてくる。


男性が遊んでいるのは、ほとんど「ストーリー」性が有るものばかり。
「キャラクター」はかわいい「美少女」が出てくる。

全てではないけれど、ゲームにストーリー性を求めているのは「男性」なんじゃないかなと思う。それは作り手にも言えること。「男性は見て楽しみ、女性は心で楽しむ」なんて意味合いの言葉があったと思うけど、まさにその通りなのかも。

女性はゲームをしないんじゃなかったっけ?」における『だって、「映画」と「ゲーム」は違うでしょ。』は本当に共感できる。ゲームがゲームであるためには「ゲーム」に重きを置かなくてはならない。しかし、昨今というか旧スクウェアのグラフィック至上主義+映画上主義の結果か、ゲームにはストーリーがないと駄目という考えが蔓延しているようだ。この現象を発熱地帯さんは「ストーリー神話の崩壊とゲーム業界の「ストーリー病」」にて「ストーリー病」と読んでますが、まさに病気。ストーリーに囚われる余り、ゲームが変容するならばストーリーなんてない方が良い。DSをプレイしている女性達のほうがよっぽどゲーム自体を楽しんでいるといえるんじゃないでしょうか。

ゲームはゲーム それ以上でもそれ以下でもない

ゲームはゲームであれば良いのです。文化であろうが無かろうがそんなことは関係ない。面白ければプレイされるし、面白くなくなれば打ち捨てられる。無駄ではあるものの、得るものもあるから時間の全くの無駄というわけでもない。ただし、楽しむには長い時間が必要だけども。
ゲームにはゲームの、アニメにはアニメの、漫画には漫画といったそれぞれの面白さがある。ただ、最近のゲームはグラフィック至上主義だったりで映画を目指す向きもある(あった)。それではゲームの本質が変容する。ゲームの面白さが変質するほどまでにストーリーを追うのはおかしい。「ゲーム」の原点を見つめなおして欲しい。
また、日本政府がゲームやアニメ、漫画を海外戦略にしたり、国内でも有用なコンテンツにしようと保護、促進する動きがありますが、そんなのは関係ない。お上の意向など知ったことか。別にお上に認めてもらう必要なんてない。まぁ、排斥されるのは困るけど、排斥したい人はどんな体制でもいるし、逆にお上にべったりも気持ち悪いと思わないっのかい!にょろーん