嘘ニュースに関するあれこれ

僕は嘘ニュース大好きです。3,4人のグループで一人が疑問に思ったことに対して、如何にもっともらしい嘘ウンチクをつけるかという遊びが好きなくらいです。しかし、そんなことばっかしやってるから、偶に本当のことを言っても信じられないのですが。

The 男爵ディーノ』さんがサガテレビに怒られる

The 男爵ディーノ』さんの昨今のテレビの捏造問題をパロった嘘ニュースである『捏造問題、ローカル局でも発覚』にて、佐賀県ローカル局と表記していたら『【3/16】サガテレビに怒られました』ので、ローカル局と訂正したそうです。

佐賀県ローカル局サガテレビしかないので、佐賀県ローカル局サガテレビであり、そりゃネタとはいえサガテレビも怒るでしょう。ネタにマジ切れしなくてもって感じで、最後に白字で隠すように「言うまでもないが本記事も捏造である。」とありますが、ちょっと見ただけでは嘘ニュースとは分からないし、何より先の「あるある問題」でテレビ局もピリピリしているので配慮が足りなかったのではないでしょうか。実際、『ヤフー偽ニュース事件、元プログラマーを逮捕』のように悪質な場合は逮捕される場合もありますしってこれは極端な例ですけども。
管理人のかがみさんは『佐賀県ローカル局はないものとばかり思っていた』と弁明してますが、そんなものは「ググれ」って話です(参考:日本のテレビジョン放送局 - Wikipedia)。
ローカル局が所在しない都道府県は東京都を除く関東6県、三重県滋賀県京都府兵庫県奈良県和歌山県ですが、茨城県以外はUHF局があります。ちなみに、茨城県にはFM局も無いので、そういうネタをしたいのなら茨城ローカル局とでも書けば良いです。FM局が無いので交通情報とか困るんですが、茨城はそんなに渋滞しないので…。

嘘ニュースの紹介方法問題

さて『The 男爵ディーノ』さんといえば、『「テニスの王子様」テニス呼称を差し止め申請』という嘘ニュースを端を発し、嘘ニュースの紹介の仕方について個人ニュースサイト界隈で物議を呼びました。晒すようで気が引けますが、『下町ボルゾイ風来日記:テニスの王子様が「テニス」呼称指し止め要請!?』のように真に受けた人が多かった嘘ニュースの一つです。それは、ネット上におけるテニスの王子様の立ち位置がねた的ポジションであるが故に、それだけありそうな秀逸な嘘だったわけですが。
コレに端を発した、嘘ニュースの紹介方法に関する言及がかーずSP雑記の2005年09月9日分にあるので引用。

現実問題として、見出しのタイトルを読むだけでリンク先へ飛ばない方も大勢いる実状があります。うちのサイトでは、紹介記事のクリック率はビジターの一割〜二割、★でも二割〜三割。つまり7、8割の方は記事の見出しのみor興味ない人は読んでもいないという計算。そうすると「ネタです」表記も致し方ないと思いますが、そのまま「ネタです」じゃ無粋なんで、下のとっこらBlogさんのおっしゃるように、気の利いたコメントでそれとなくほのめかすのが理想かと思いました。しかし、センスあるコメントを捻り出すには才能がいるわけで、誰にもできるわけではないのが難しい。

嘘ニュース問題』に対するかーずSPさんの吐露なんですが、ネタと表記すると面白さが半減するし、かと言ってどこかに嘘であると言うことを含ませないと真に受ける人がいる。しかし、そんな気の聞いたコメントが難しい。ネットの情報を真実だと信じる方がどうかと思う反面、世の中はそういう人のほうが多いのも事実で難しい問題です

過去の嘘ニュース問題

先にもあげましたが『ヤフー偽ニュース事件、元プログラマーを逮捕』でこれはあまりに悪質なんですが、でも著作権法違法で捕まってます。これはネタとはいえやりすぎです。
僕としては、虚構新聞閉鎖問題(参考:■黒板ぽ > ニュースクリップ(2004年08月))の方が記憶に残っています。虚構新聞の場合は、嘘ニュースである『「萌え」の起源は平安年間? 『枕草子』から新たな記述発見』を真に受けた人々が虚構新聞に対してクレームをつけ、それが問題となり閉鎖→移転という流れを辿りました。記憶は朧ですが、記事内容のコピペが広まったのもそれに拍車をかけたのではなかったか。移転に伴い、虚構新聞では誤解されないような対策(隠し文字の付記)をとっています。
こちらも先の『「テニスの王子様」テニス呼称を差し止め申請』と同じで、嘘を嘘と見抜けない人にも問題があるものの、嘘ニュースを書いた本人にも配慮が足りなかったようです。
嘘ニュースを書くなら、どこかに嘘であると分かる工夫をする必要があるんじゃないでしょうか。そして、先のサガテレビのように特定の人物、団体に迷惑がこうむらないように配慮するべきでしょう。仲間内ならまだしも、不特定多数でどんな人が見るか分からないネットで嘘を書くならそれくらいの配慮が必要でしょう。

まとめ

「テニスの王子様」テニス呼称を差し止め申請』という嘘ニュースも、テニスの王子様がネット上でネタ化されていることを知っている人にとってはネタだと分かりますが、そうでない人にとってはネタ取れない。『捏造問題、ローカル局でも発覚』や『「萌え」の起源は平安年間? 『枕草子』から新たな記述発見』にしても見る人が見ればネタだと分かる。でも、ネタだと気付かない人もいる。

  • 嘘ニュースを書く側
    • 嘘ニュースであることを気付かせる配慮
    • 実在の人物、団体に迷惑にならない配慮
  • 嘘ニュースを紹介する側
    • ネタだと告げると無粋。しかし、コメントで気付かせるのは難しい
    • ネタだと告げた方が無難
  • 情報を得る側
    • 全ての情報は真実であり虚偽である
    • 裏を取らない情報を信じない
    • 裏を取れない情報も信じない

ネットは既にネタ化している?

ネタなのかネタじゃないのか、そのうち誰も気にしなくなって、面白い情報だけがぐるぐると伝達されていく。そして世の中のほとんどの情報がネタでしかなくなってしまう。そんな「素晴らしき世界」を、少しだけ想像してしまう。
-憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向日記 過去ログ-から引用。

面白ければ嘘でも構わないと僕も思う。電車男とか、痴漢男とかも嘘であっても物語としても面白い。しかし、それは全ての情報がネタ化されるということ。引いては、ネタ化しないと楽しめない世界である。きおふしさんは『黒板ぽ > ニュースクリップ(2004年08月) 』にて

ウェブ(特に、個人ニュースサイト界隈)には「流れ」がある。本来「流れ」とは、ネタをネタとして楽しむ雰囲気である。もし、その「流れ」が見境なく発生すると、ネットそのものがネタになるという素敵な世界が待っている。

と3年前に語っているのだけど、ネットはもうネタ化しないと楽しめないセカイになっているのではないだろうか。

次回「ネタ化するセカイ」に続くかもしれない