空想科学をネタ化した「空想科学読本」

何故作品に対するアカデミックな分析はオタクにウケるのか』にて、と学会が自分の中でと学会がちょっと懐かしかったので。

空想科学読本」と「こんなにヘンだぞ! 空想科学読本

空想科学読本」はアニメ、漫画、特撮などの荒唐無稽なSF間を科学風に解説した本だ。柳田理科雄自身がオタクでは無いので、各作品の設定に誤りが多く見られる。また、作品への愛が足りないのか、可能な限り作品に即する努力が無い。ただ、作品の世界観に即さないことこそが「空想科学読本」の面白さだと思う。つまり、「空想科学読本」は空想科学の世界から一歩引いて見て楽しむ=元来と異なる視点からの切り口を楽しむ本だと思う。所謂「ネタ」として楽しむ本である。それは、テニスの王子様をテニス漫画として読まずに、ギャグ漫画として読み「ネタ」化するのと似ている。(参考:空想科学読本 - Wikipedia
そんな、「ネタ」に対してマジレスしてしまったのが、山本弘の「こんなにヘンだぞ! 空想科学読本」である。柳田理科雄自身の作品への無知、考証の足りなさが怒りとなったか、「こんなにヘンだぞ! 空想科学読本」は「空想科学読本」ひいては柳田理科雄への怒りに満ちた本だ。それ故、「空想科学読本」に対してネガティブに思っている人、あるいは山本弘を知っている人くらいにしか支持されない。それはさておき、様々な考証を挙げたり、できるだけ作品の世界観に沿った結果を導こうとしているのは評価できます。ただし「こんなにヘンだぞ! 空想科学読本」の考証も間違った所がありますが。
つーか、山本弘といえばと学会長。そしてと学会の言うトンデモ本とは

藤倉氏の定義によれば「著者が意図したものとは異なる視点から読んで楽しめるもの」である。要するに、著者の大ボケや、無知、カン違い、妄想などにより、常識とはかけ離れたおかしな内容になってしまった本のことなのだ。したがって、最初から読者を笑わせることを意図して書かれた本は、どんなに内容がトンデモなくても「トンデモ本」とは呼ばれない。

つまり本来とは違う切り口で見て「ネタ」化するという手法自体は山本弘が会長を務めると学会の手法だと思ったけど違ったのかな?まぁ山本弘タカ派トンデモ本の論破が大好きだし、藤倉氏は副会長を辞任してるし。(参考:と学会 - Wikipedia

ついでに、「空想法律読本」と「空想科学裁判」について

空想科学読本」が出てきたので、それと同じ趣旨の法律版の「空想法律読本」と「空想科学裁判」についても一言。
「空想法律読本」と「空想科学裁判」は非常に似たような本である。というか確か何か因縁があったはずだが忘れた。個人的には「空想法律読本」の方が私のツボである。「空想科学裁判」の北斗の拳ケンシロウ殺人罪に問えるのかという考察は面白いんですが、ケンシロウは現代の法律の及ばない所に存在しているので、日本の法律を適用しても面白くなんですよね。対して、「空想法律読本」では、現在の法律が適用できる範囲内で、法律をなんとか空想世界に適用とする様が面白さを誘うのですよ。まぁ、公平性の問題もありますが、そこは弁護士による見解の違いでしょうか。