NHKスペシャル 「サイボーグ技術が人類を変える」

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特集 NHKスペシャル補遺 - SCI(サイ)
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土曜に4章だけ見て、あまりの面白さに最初から見なかったことを後悔し、昨晩の再放送を見たが録画しなかったことにやっぱり後悔。
義手などはニュースサイトの記事は読んでいたけど、実際に映像で見ると印象が全く違う。映像のインパクトは凄い。神経工学の分野がここまで進んでいると知らなかった。まさか本当に人間の脳に端子をつなげるところまで来ているとは思いもよらず、まさに攻殻機動隊だ。というか、士郎正宗がすごいのか。

高度な義手を用いている人の脳は、義手を使い続けると義手を自分の手と同じように認識するらしい。棒などの道具を持っている際に、人間の脳は道具を含めて自分の一部と認識するそうなので、義手を自分の体の一部と認識するのも当たり前なのだが不思議だ。人工内耳をつけた人も、性能的には人間の耳には遠く及ばないが脳が人工内耳に対し最適化され色んな音を聞き分けるとのこと。これを発展すれば、仮想現実も遠隔操作も本当に自分の知覚のように認識できるということか。
さらに面白いことに、これだけ色んなことができるのに、脳に関しては何も分かっていない。脳に入力し、その出力を解析しているだけで色んなことができる状態で、後は脳自身が機械に対して合わせている。脳自体がブラックボックスなんだが、人間の科学ってのはブラックボックスに対して分かっている範囲で成り立つ理論を構築してきたんだから、いきなり脳の成り立ちから調べるよりも、脳に入力しその出力を解析していくのが手っ取り早い方法なのだろうな。

最後にしきりに、サイボーグ化は素晴しい技術だが悪用もできる的なことを言っていた。確かにDARPAの研究員や将校が嬉々としてサイボーグ化の軍事転用についてしゃべっていたり、ラジコンマウスの映像を見るとぞっとする。倫理観については、今議論すべきだけどそれならばこれまで先人達が培ってきたSFも先ず読んで議論するのも有用なのではないかな。例えば、攻殻機動隊とか、時計仕掛けのオレンジとかさ。とはいうものの、軍事が世界の科学を推し進めると言うのもまた真実。筑波大のパワードスーツHALも福祉や災害活動時の仕様が目的ですが、アメリカで発展していたら間違いなく直ぐに軍事転用されるでしょう(実際に軍からのオファーもあったとかないとか)。