ゲームソフト交換屋の記憶

長崎にいた頃ですが、私の家の近所にもゲームソフトの交換屋がありました。しんざきさんの記憶と同様に、その店でもゲームソフトのランクがリスト化されており、新作が発売される金曜日に更新されていました。 自転車で通えるくらいの距離にあったので、そのリストを目当てによく通っていました。
私はスーパーファミコンの頃に交換屋を知り利用していたのですが、ファミコンの頃からあったのかはよく分かりません。いつの間に通わなくなり、PSが台頭してきた頃には閉店していたように思います。
名前はアルファベットのBから始まる3文字で「BUG」だったような気もしますが、今思うとゲーム屋さんにはあんまり相応しくない名前なので、違う店名だったかも知れません。小中学校よりは世界が広がった高校の友達の情報から判断するに、長崎市内とその周辺に同系列の店舗が3つくらいあったようです。 系列店では同じランク付けのリストが配られていたようです。
しんざきさんのブログのコメント欄に長崎県諫早市の方が、80年代後半にはあったが90年代にはなくなったと書いています。私が利用していた時期が違っています。
北九州にいた頃には中古ショップしかなかったと思います。ただ、その頃は友達の間でミニ四駆とかBB戦士などが流行っていたので、ゲームまでお金と時間が回っていなかったので、知らないだけかもしれません。

私の通っていた交換屋は買い取りもしていましたが交換が主でした。広さが三畳くらいでとても狭くおばあさんが一人で切り盛りしていました。偶に若いお兄さんがいましたが、今思うとその方が経営していたのかも知れません。ただでさえ狭い店にゲームソフトが並べられていたので、子どもが数人で一杯になります。大人が来るような店ではなかったので、広くなくてもやっていけたのかもしれません

毎週配布されるランクのリストを見ては自分の持ってるソフトを確認して一喜一憂していました。通常は発売された日数が経過するほどランクが落ちますが、時々上昇することもあり、また掲載されているソフトの数もかなり多かったので、眺めるだけでも非常に楽しめるリストだった記憶があります。残しておけば良かったなと後悔しています。

私は何度か交換したことがあります。微妙なゲームは交換屋で手に入れたものが多く、ほとんどは直ぐに他のゲームへと交換されていきましたが。「課長島耕作」に交換したことがありますが、なぜ小学生だか中学生だかが課長島耕作なんぞに興味をもったのか。我ながら謎です。コマンド式のアドベンチャーゲームで、出勤するもやることが分からず、そのまま窓際族になって終わるエンディング以外に記憶がありません。この「課長島耕作」は在庫数があまりなかったせいか、しばらくランクが下がらず、それなりに良いレートで交換できたのは不幸中の幸いだったかも知れません。
新作ソフトも取り扱いますが、人気ソフトはランクが高く、また数本しか入荷しないため、ほぼ交換できませんでした。この交換屋で手に入れたゲームで印象深いのは「ガイア幻想記」で唯一の当たりゲームじゃないかなぁ。

小中学生くらいだと、中古ショップでゲームソフトを売るには親の同意書などが必要で色々と面倒でしたが、交換屋は金銭のやり取りは発生するものの、交換という名目上、そのような書類が必要ありませんでした。今から考えると、グレーというかほぼ黒な業態だと思います。しんざきさんも予想するように、業態として問題になって無くなってしまったのでしょうが、私の記憶では4, 5年はやっていたような気がします。
私は親からゲーム交換屋で交換することに関しては特に注意されませんでした。中古店でゲームを売ることが特に禁止されていたわけではなかったと思うのですが、わざわざ親の許可を得るのはハードルが高かったので、交換屋は重宝してました。結果として、碌でもないゲームばっかでしたが。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザワイルドの感想をスキマナースで

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ゲームを始めたのが発売日の3月3日で、そろそろ一ヶ月になりますが、ようやく半分くらいまで来たのかなぁという感じ。

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ラスボスはいつでも倒せるのでRTAが盛んですが、私はいつも遠くから厄災ガノンを見つめています。

【RTA】ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド Any% 45:51 Part1【字幕解説】 by すば ゲーム/動画 - ニコニコ動画

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メインはゾーラとゴロンの神獣を解放し、3日前くらいからゲルド砂漠に向かっているのですが、寄り道ばかりで未だに辿り着けていません。砂漠前の馬宿までやってきたので、今日あたり到着するはず。

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なぜこんなにも進まないのかというと、祠巡りとコログの実探しが捗ってしまうから。

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特に、地図を見ながら高所に昇って景色を眺めていると、ついついコログの実がありそうなところを見つけてしまうでヤンス。

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メインよりも脇道が好きなので、祠やコログの実を目の前でぶら下げられながらプレイしている感覚です。

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コログは色んな所にて、特定の場所の岩を持ち上げたり

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道祖神みたいな像にリンゴとかをお供えすると出てきたり、

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意外なところに隠れていて、見つける快感がクセになります。

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そうこうしていると、イーガ団がバナナを届けたりしてくれます。

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コログ探しや素材集めにはビタロックをソナーのように使うと便利ですね。あのうざいオクタも見つけやすいです。

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祠探しも高所に昇ったり、レーダーに任せたりで探せますが、祠チャレンジを見つけるのが大変ですね。

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道中でモンスターと対峙することもありますが、最近は逃げることが多いですね。

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そもそも、お金?何それ?な感じで、敵を相手にすると武器ばっかり消耗しがちですし。

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武器や盾に関しては、メニューが残念なので途方に暮れることもあります。

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UIは残念ですけども、料理などに関してはまとめ作れたり、一度作ったレシピを再現できるなどの機能は必要ないかなと。

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ただし、料理やくすりも持てる数に限りがあります。くすりを作るよりは、特殊効果のある料理を作るように心がけています。

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ただ、それを使うのが勿体なくなり、素材のまま食べることもままありますけど。

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色々できるブレス オブ ザワイルドですが、このオープンワールドでオカリオナを拭いてみたかったなぁと。

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ありがとう…看護師…

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドとSkyrimを敢えて比べる

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドの手触りをダシにSkyrimについて語りたいだけ。

やさしいオープンワールド

ゼルダの伝説 BotW の何が新しくて何が新しくないか
switch ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド ファーストインプレ 島国大和のド畜生

ブレズ オブ ザ ワイルド(以下BotW)を既存のオープンワールドと比較すると、塔に昇ってマップを解放していくのは、UBIソフトっぽい。野焼きできたり狩りをする当たり、任天堂風に味付けされたマイルドなFar Cryだろうか。このマイルドさにより、全体的にやさしいオープンワールドになっている。オープンワールドにありがちな素材集めはシンプルで、同じ効果を有する材料同士を混ぜれば効能が強化される。錬金術のように組み合わせに頭を悩ませる必要は無い。地図は等高線まで表示される本格的なものだ。道も示されているが、クライマーならばアタックしやすい尾根や谷を見極めることもできる。このやさしさは、easy だけでなく kind の意味も含む。崖でもドンドン登れるので、様々なルートが用意されている。どんなルートを使っても良い懐の深さがある。ゲーム内で外道プレイする心理的障壁を下げているのもやさしさを感じる。ゲーム内と言えども人間相手に外道プレイするよりも、モブリンのようなモンスターの方が心が楽だ。

オープンワールドになり、ストーリーというルートは薄まってしまったが、自分としてはゼルダそのものだなと感じる。私はこれまでゼルダをプレイする際は、行ける範囲を巡り尽くしてからダンジョンに挑んでいた。BotWだと、これがゲーム全体に広がっただけだ。プレイヤーが何かアクションを起こせば、どんなつまらないことでも世界が反応を返してくれるのがゼルダだ。例えば、特に意味は無いけど剣で草を切ったら刈れるし、壷を持って投げたら割れる。 BotWでは世界が広まったのと同様に、世界に対する反応も多種多様になった。草に火を付けたら燃え広がり、すると上昇気流が起こり、空に浮き上がれる。常にピタゴラスイッチみたいなことができる。

紛れもなく「新しく」「自由度」の高いオープンワールドだろう。ただ「新しさ」や「自由度」でオープンワールドを計ってもあんまり意味が無いかなと思う。

Skyrimのすごさは膨大なテキスト量

http://anond.hatelabo.jp/20170309175719

私はSkyrimが好きだ。PS3でプレイし、その後PC版でやり直し、さらにSpecial Editionもやり遂げた。Nintendo SwitchSkyrimが出たら買うつもりなくらい好きである。流石に2011年のゲームなので戦闘などのシステムが古くさいが、それでも好きである。
Skyrimが未だに遊ばれている要因として、modの存在を無視できない。そして、modを加味し出すと「自由度」でゲームの面白さを語るのが馬鹿らしくなってしまう。modを導入すれば、Skyrim内でスプラトゥーンもできるし、MMDでキャラクターを踊らせることもできるし、機関車トーマスだって空を飛べる。故に「自由度」でオープンワールドを計っても仕方が無い。

ペライトゥーン : DRAGONPORN
Skyrim Danceとは (スカイリムダンスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
Skyrim - Really Useful Dragons MOD - YouTube

Skyrimのすごさは、その圧倒的なテキスト量にある。NPCの会話に留まらず、数多くの「本」がSkyrimならびに、TESシリーズの世界観を支えている。TESシリーズはロマンシングサガに似ている。どちらもフリーシナリオで、そのためか進行上のバグが多い。システム以外にも、神話などはの世界観の作り込みは「ロマサガ1」に近い。宗教や国や民族のあり方がよく似ている。ゲームの中にある神話や歴史、そしてそこから作られる「社会」こそがロマサガSkyrimをロールプレイングたらしめている。

オープンワールドとは世界にアプローチするゲームだ

オープンワールドとは、つきつめればゲームとは、プレイヤーが世界に対してアプローチするものである。ゼルダはプレイヤーのアプローチに素直に反応を返すゲームであろう。BotWでは物理エンジンのみならず化学エンジンにより、プレイヤーのアプローチに対してダイナミックな反応を返す。
Skyrimは社会力学の中に身を投じるゲームである。同じベゼスダのFalloutも同様だ。 ベゼスダはゲームで社会における対立を描こうとしている。Skyrimでは帝国と反乱軍の対立があった。システム的にはどっちについても大して変わらないし、ストーリーとしても頭がすげ変わっただけでやはり大した変化はないけども。一方でFallout 4では4つの勢力があり、プレイヤーはそのどちらか一つを選ばなければならない*1。ゲーム内で、クリーチャーのみならず、それぞれの勢力のNPCが争っている光景を目にすることができる。Skyrimに戻れば、それぞれのギルドとの関わりが社会力学に身を投じることになるだろう。
Skyrimは社会にアプローチするオープンワールドであり、そのために重厚な世界観が用意されている。一方で、ゼルダシリーズのストーリーは薄い。サーガではあるけども、シリーズ毎にゲームの内容に適した世界観が用意されている。BotWの厄災がノンやシーカーストーンなどはオープンワールドのために用意された仕組みだ。ストーリーが薄いが故に、ゲーム毎に適した世界を用意できるとも言えるので、これは利点でもあるし欠点でもある。メタルギアなどはサーガに雁字搦めにされているため無理が生じている。Skyrimもテキストが多すぎる。そのため、日本語訳がおかしいこともしばしばだ。

「新しさ」は陳腐化する

「新しさ」や「自由度」だけでゲームを語っても仕方が無い。世界に対してどのようにアプローチさせたいのか、できるのかを見極める必要がある。
ゼルダはプレイヤーのアプローチに対してダイナミックに応答するゲームだし、Skyrimは社会に対してアプローチしていくゲームだ。
BotWでは詳細なマップが見られるので、旅路をしっかり計画できて楽しい。Skyrimは社会に対するロールプレイを楽しむゲームだ。「新しさ」や「自由度」のみに着目しても、ゲームの「面白さ」はイマイチ伝わらないものだ。

*1:厳密には一つだけを潰し、三つの勢力を共存させることは可能

Nintendo Switchがやってきた

Nintendo Switchゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドのファースト・インプレッションを書いておく。

思ってたよりも小さいNintendo Switch

Nintendo Switchは予約開始当日には予約できず、任天堂ゴジラと戦ったがダメで諦めていたらAmazonで予約が復活してるタイミングがあり滑り込めた。Switch発売に寄せて | N-Styles のようにKonzoamaになることもなく、3月3日のひな祭りにきちんと今話題のヤマト運輸から無事に配達された。Amazonの段ボールを開けたら思ってたよりも小さな箱が出てきて、さらに本体も小さくてびっくりした。スタンドも外付けGPUとかファンでも付いてるのかなと思ってたら、HDMI電源ケーブルのみと非常にシンプル。だけどコントローラーの取り回しは割と複雑。本体に装着しないとコントローラーも充電されないし。Nintendo Switchで最初に陥りがちな罠を超ていねいに解説する - エキレビ!(1/3) にあるように、コントローラーを逆向きに付けかねず、しかも付けてしまうと力尽くで外すしかない。

本体をスタンドに挿入すると速やかにテレビにゲーム画面が映し出され、外すと本体のディスプレイがぱっと明るくなる。非常にシームレス。全体的に使い勝手は良いが、電源コネクタ本体の下部にあるため、テーブルモードで充電しながらプレイできないのが不満。スタンドも販売されているものの、手に持ってプレイする際にも充電コネクタが真下に出るのは邪魔なので、テーブルモードでも使用できつつ、携帯モードでも邪魔にならない取り回しの良い電源コネクタが販売されて欲しい。

ゲームはゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドのみ。Wii Uを持ってなかったので、ゼルダのために買ったようなものだ。その他にも、スプラトゥーン2マリオカートをやってみたい。スカイリムも早く出ないかなぁと今から楽しみだ。スカイリムは通常版をPS3とPCでクリアし、最近Special Editionをやり終えたくらいに好きで、早く携帯モードでプレイしたい。携帯モードといえばVCの対応も早くして欲しい。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 楽しすぎ

プレイ前にカートリッジはきちんと舐めておいた。
ブレス オブ ザ ワイルドは色んなオープンワールドを混ぜ込んでゼルダにした感じ。アサシン クリードやTESに、メタルギアなどの要素がある。野焼きや塔を登って地図を更新したり、狩りなど要素が多いのでFar Cry分が強いと感じる。自分は初代ゼルダの伝説をよくわからないままマップを移動しつつ楽しんでいたが、それを彷彿とさせる作りだ。

事前に話題になった電ファミの記事を読んでいたので、その内容を確認するように噛みしめてプレイしている。
長ったらしいOPムービーとか無しに、目覚めて直ぐに世界に解き放たれるのは良い。「目覚める」のはゼルダのお約束であるが、オープンワールドも大概目覚めており、ゲームの導入としては基本だよなぁと。
チュートリアルもかしこまったものではなく、最初からかなり自由に散策できる。もちろん、チュートリアルを終えないとより広大なオープンワールドへと抜け出せないが、チュートリアルでもかなり色々な所を巡ることができる。私は色々オープンワールドをプレイしてきたし、さっさとゲームを始めたいタイプなので、ゲームを始めてすぐに世界へ投げ出されるのはとても心地よかった。オープンワールドに慣れていない人には、何をして良いのか戸惑うかもしれない。

岩山だろうがガンガン登っていけるのはかなり楽しい。直前までMGSV TPPをプレイしていたので余計にそう感じる。TESなんかは、ジャンプで無理矢理進むこともできるが、ブレス オブ ザ ワイルドはそれを許容した、懐の深いゲームである。目的地へ行く方法も人それぞれだろう。
プレイスタイルも人によって変わってきて、正面切ってごり押しでも良いし、こっそり敵に近づいて気づかれないように殴っても良い。近距離、遠距離、ピタゴラスイッチに鬼畜プレイなどなど。鬼畜プレイができるのは相手がボブゴブリンだからだろう。人間相手よりも鬼畜度への心理的障壁が低くなる。

採取はライフを回復させるための食材集めと、リンクをドーピングするための薬の素材集めになる。食材、素材共に多いが、組み合わせはシンプル。多くのゲームで採用されている錬金術は複雑で覚えるのが大変だけども、ブレス オブ ザ ワイルドは感覚でなんとかなる。個人的にオープンワールド錬金術要素はあんまり好きではないけども、ブレス オブ ザ ワイルドだと率先して料理をしたり薬を作っている。

爆弾などを早々に使うことができるようになり、個数制限などは撤廃され、一定時間待てば幾らでもしようできる。しかもリモートで起爆できる。壁を壊す際に爆弾を持っていなかったり、ダンジョンの仕掛けを爆発のタイミングを見計らって仕掛けたりしないといけなかったが、そのようなストレスがなくなった。その他にも、色々なアイテムがチュートリアルで手にはいってしまう。アイテムを早々に手に入れさせる目論見は、神々のトライフォース2でも行われていたが、ブレス オブ ザ ワイルドはそれをさらに推し進めたシステムになっている。山も登れて、アイテムも直ぐに手に入り、何度も使える当たりは、優しさに満ちたゲームだなと思う。その代り、何をするかはプレイヤー次第で、あまり行き先を指し示されないので人によってはストレスかもしれない。

オープンワールドを特に当てもなくウロウロするのがすきなので、ブレス オブ ザ ワイルドには満足している。ゲーム中では月が二回満月になってカカリコ村にようやく着いた頃で全く進んでいない。主に岩肌を登り、狩りをして料理をしている。それでも楽しい。
唯一の不満は、武器が壊れることだろう。オープンワールドにおいて武器や防具に耐久力が設定されていることはよくあるが、最近だと省かれる要素だと思う。ユーザーに不評なのと、耐久力を設定しなくても武具を取っ替え引っ替えするからだ。
ブレス オブ ザ ワイルドの場合は、どこへでも行けてしまうので武器を壊すことでゲームのサイクルを保っているのだろう。個人的には、武器を持ちきれない場合に捨てる必要があり、メニュー画面からしか武器を捨てられないため、テンポが悪くイライラしていた。武器を取り替えるなり、簡易装備画面から捨てられれば良いのと。しかし、最近いらなくなった武器は投げれば良いことに気がついた。また、ゲームが進めばストックできる武器の数を増やすこともできるので、その内そのイライラも解消されるだろう。火を付ける際のたいまつや、木を切るための斧などは、必要な場合は近くに置いてありますし。

というわけで、これからもブレス オブ ザ ワイルドに邁進していきたい。

MGSV TPPの感想と小島監督への思いを語る

METAL GEAR SOLID V (MGSV) THE PHANTOM PAIN (TPP)をクリアしたので、ゲームの感想とコナミをやめてしまった小島監督への思いをかたってみたい。

MGSからプレイしており、以降の作品はGBのゴーストバベルやGCのツインスネーク以外はスピンオフ作品も含めてプレイしています。AC!Dが好きだったのですが、続編は望めそうにないです。若干のネタバレになりますが、AC!D 2のストーリーはTPPと近いところがあります。小島作品としては、Z.O.Eの1のみで、それ以外は興味がないです。

MGS PEACE WAKER (PW)までは、発売日に購入してプレイするほど好きでしたが、MGSV GROUND ZEROES (GZ)以降は少し距離を置いています。その理由の一つは、自分の中でMGSサーガは4で終了しているから。ただし、PWに関してはMGSV TPPをクリアしてからだと、少しストーリーの理解が深まったかなと。

TPPは多くの矛盾を抱えているが「スネーク」から「ビックボス」への変容は描けている

メタルギアシリーズを時系列に並べると、MGS3、MGS PW、MGSV GZ、MGSV TPP、MG、MG2、MGS、MGS2MGS4ととなっている。METAL GEAR SOLID PORTABLE OPSMPO)は本来、MGS3以後の正当なサーガであったが、現在は外伝とされている。GBのゴーストバベルはMGS直後の話だがパラレルワールド扱い。AC!DとAC!D2はゴーストバベルと同じ世界を共有しており、時代設定としてはMGS4以降となる。また、METAL GEAR RISING: REVENGEANCE (MGR)は当初はMGS2と4の間の雷電を描く予定であったが、MGS4以後の物語となった経緯がある。

MGS3以降は、MGS2でぶち上げた愛国者達と、メタルギアシリーズの因縁であるビックボスのためのストーリーになっており、ナンバリングが進むにつれて、辻褄を合わせるために過去に無理が生じている。特に、MGS3愛国者達とビックボスの正体を明らかにしたのに、彼らが明るすぎて冷徹な愛国者達や、鬼神のようなビックボスへと変容する姿が全く想像できない。MGSVであるGZとTPPで一様の結末は着いており、ビックボスについては納得できるが、その周辺のキャラクターや設定は無理が過ぎるなと感じた。特に全てをスカルフェイスに集約させている点は余程まとめるのが大変だったのだろうと。
こじつけが酷くなる一因として、小島監督がキャラクターに寄った作品作りをせずに、舞台装置のためにキャラクターを容易に変容させるからだろう。これは特にMGSシリーズのトリックスターであり、影の主役であるオセロットに顕著だ。もちろん、彼自身がそのように演じている、という説明は作中でなされているけども、それも物語のこじつけのために導入した設定にしか思えない。。その一方で、スネークからビックボスへの変容をきちんと描けないのは滑稽にすら思える。

TPPの「ボス」は影武者であり、メタルギアソリッド・スネークが倒したのはその影武者の方で、FOX HOUNDの指揮官は本物であったことが明らかになる。この仕組みの構造はMGSらしいなと思った。
TPPにおける「ボス」は他の何物でも無いプレイヤー自身である。優秀ではあるものの「ビックボス」であると暗示をかけられるだけで「ビックボス」のように振る舞えるだろうか。この点は過去作品を踏襲した設定である。MGS2における雷電の受けたVR訓練やオセロットの自己催眠のような人格制御、AC!D2もスネークだと思い込まされた誰かが主人公であった。また、誰が「スネーク」なのかを考えて行き着き先は「プレイヤー自身」である。つまり、プレイヤーが操作している以上、雷電でもスネークだと思い込まされた誰かであっても「スネーク」になり得るのだ。その「スネーク」が「ビックボス」へと変容するのがTPPという作品である。
TPPにおいてプレイヤーの数だけ「ビックボス」が存在する。「ビックボス」の数だけパラレルワールドがある。そのパラレルワールドこそがFOBだ。他プレイヤーのFOBへアクセスするのにワームホールを使うのもパラレルワールドだからだろう。ブレイブリーデフォルトでも、プレイヤーの数だけゲームの世界がパラレルに存在することが描かれたが、TPPにおけるFOBはより直接的である。

TPPのボスが影武者であることが明らかになって後、本物に裏切られたと感じたカズがソリッド・スネークへ肩入れすることを語り、それに対してオセロットはイーライであるリキッドをサポートする将来を語るが、やや説明しすぎに思える。また、第三の少年がMGSのサイコ・マンティスであることも示唆されるが、MGSにおけるサイコ・マンティスのキャラクターとかけ離れすぎているなと。キャラクターの崩壊は、スネーク以外のキャラクターが、ザ・ボスも含めて、「スネーク」や「ビックボス」のために存在しているためだろう。
TPPは、メタルギアにおけるビックボスの誕生はスカルフェイスによるものであると語った。愛国者達のシステムもスカルフェイスの関与がある。シリーズ間における、多く不都合な齟齬をスカルフェイスへ集約させている。寄生虫も発想としては面白いのだが、メタリックアーキアや第三の少年にしても、スカルフェイス同様に万能過ぎる。

個人的には「スネーク」から「ビックボス」への変容を描こうとした点は評価したい。しかしながら、上記のようにその変容を描くために舞台設定や周辺キャラクターにさらなる無理を生じさせている。第三章が存在していたと噂されるが、果たしてその三章を無理なく描けたかは大いに疑問である。

ストーリーは暗い

ストーリーは暗い。それもあって中々手が出せないでいた。OPをがっつりプレイすると1時間くらいかかるのも長すぎて辛い。OPはストーリーの根幹に関わる部分ではあるのだけども、ゲームとしてはきちんとしたチュートリアルになってないし。
ストーリーの大部分はカセットテープで補完されるが、それならばスマホアプリで聞けるようにすべきだった。カセットテープによるストーリーの補完はPWからの要素で、MGS3までの無線に相当している。PWは携帯ゲーム機であるPSPでリリースされており、PSPWalkmanに見立ててカセットテープのみを聞くことができるのだけど、これを据え置き機でやるのは仕組みとして破綻していると思う。現代に置き換えるならスマホに相当するだろう。

ビックボスへ至る物語のため仕方がないのだが、ただただ暗く陰鬱とする。それを緩和するためのお色気担当のクワイエットなのだけど、豊胸したみたいな胸の造形は正直勘弁して欲しいし、お色気要素は正直引いてしまった。
MGS3までは「ギャグ」が作品に張り詰める緊張感やストレス、暗い雰囲気を緩和していた。これはPWも同じなのだが、MGSVでは全くそれがない。特にGZはただただ暗い。TPPにおける癒やし要素はクワイエットのお色気なのだろう。MGS3でもお色気はあるのだが、EVAとのそれはギャグ要素が強い。MGS4ではBB部隊としてより直接的にお色気要素を取り入れた。ボス戦ではアサシン クリードのような謎空間で、最終的にBBが果てるのだけど、自分としてはお色気というか、やはりギャグに感じた。
クワイエットは、スネークとキャッキャうふふな描写は痛々しくて辛かった。もちろん、クワイエットをはじめ本作の要である寄生虫の存在が、これまでのシリーズのボス達のようにギャグそのものなんだけども。

ボリュームは十分だがボス戦に不満

装備の開発は残っているものの、達成率は100%までやった。ゲームとしては十分に楽しませてもらったけども、MGSシリーズの名を冠したオープンワールドとしては不満が残る。

ゲームとしては据え置き機でリリースされたMGSよりは、PSP用であるMPOやPWに近いからだろう。ミッション毎に区切られており、また育成要素としてマザーベースがある。全体としては、PWとMGS4を組み合わせたように感じられる。
これまでのシリーズは周回プレイで遊んだが、本作は一旦クリアしたミッションを繰り返して遊ぶほどではない。 タスクにより同じミッションを何度か遊ぶように仕向けているが、それもやり終えると何度も繰り返すほどではない。ボリュームが多いので、何度も繰り返して遊ぶ必要もないのだが。最終的には、開発などに必要なゲーム内通貨であるGMPをひたすら稼ぐためにひたすらミッションをこなすだけになってしまう。

できるアクションも増え、GZでは無くなったノックも復活した。何より、義手のギミックが中々楽しい。お気に入りはZ.O.E.をモチーフにしたジェフティの義手。遠隔から敵兵を引き寄せられるのはちょっとチートじみている。使える武器は多種多様でカスタマイズもできるが、少々多すぎるかなとも。ライフルの系統が増えるのは仕方がないけども、微妙な違いしか無いものをわざわざ開発するのが面倒だ。

バディは便利すぎ。クワイエットは言うに及ばず。犬はレーダー敵に使え便利ではあるが、やたらスネークにまとわりつくため狙撃やCQCの際に邪魔になる。そのため邪険に扱っていたのだが、フルトン回収できるようになって、非常に役に立つようになった。

味方は多いのに敵の魅力が低い。これまでのシリーズのように魅力的なボスがいないのだ。ボス戦らしいボス戦も少なく、クワイエット戦とサヘラントロプス戦くらいしかない。イーライもボス戦ではあるがプレイ次第では一発で終わってしまう。スカルズがTPPにおけるボス戦にあたるのだが、これまでのシリーズのように一対一ではないし、戦わずに逃げることもできる。頭数が多く個性もないのでMGS4におけるカエル兵みたいに感じられる。ボスの魅力の無さはストーリーにも関わってくるが、燃える男も第三の少年にしても、きちんとした結着がつかないのもすっきりしない。スカルフェイス頼みになのに、リキッドやザ・ボスのように戦うこともないのがゲームを中途半端にしているのだろう。

できることや、マザーベースの管理などやることは多いのだが、肝心の世界がせせこましい。これはつまりMGSV TPPはオープンワールドなのかという点に行き着く。

オープンワールド

MGSV TPPはオープンワールドであることを謳っている。確かに、拠点へは色々な場所から潜入したり、種々の方法で攻略したりすることが可能である。昼と夜とでは拠点の様相は様変わりし、天気も変化する。これまでのMGSシリーズとは大きく異なり、本作の楽しみの一つである。しかし、やはりMGS TPPはオープンワールドである必然性が薄いし、オープンワールドと呼ぶには閉じられているし、道中でクエストが発生したりなどの偶然性はほぼない。「静かなる暗殺者」などのように、特定の地点に到達するとスタートするクエストやサイドオプスをもうちょっと用意すべきかと。オープンワールド的な要素として、申し訳程度に植物採取や動物保護なども可能であるが、植物採取は派遣ミッションなどをこなした方が効率が良いし、動物保護もゲージの設置場所次第で、散策中に捕まえられない動物が多すぎる。
一番ひどいと感じたのは、子どもでも越えられそうな段差に引っかかること。至る所にあるためストレスがたまる。崖などを越えられないようにするための処理なんだろうが、きちんと調整したのかと疑いたくなるくらいイライラする。

マップはただ広いだけである。アフガニスタンは岩しか無く、アンゴラはだだの湿地であり、移動する楽しさが全くない。苦痛ですらある。もっと楽なファストトラベルがあった方が良かった。
各拠点で段ボールの送り状を入手すれば拠点間を移動できるが、任意の場所から各拠点へ移動できるわけではない。少なくとも、特定の拠点や特定のランディングゾーンへは敵に見つかっていない状況なら任意の場所から移動できてもよかった。なぜ、ボス自身のフルトン回収ができないのか。

拠点のマップもざっくりしている。GZのような凝ったマップデザインの拠点はほとんどない。ノヴァ・ブラガ空港跡やアフガニスタン中央ベースキャンプなどがやや凝っているもののGZほどではない。少なくとも、MGS4におけるプラハのような都市部があればよかったのになと。OKB 0に関してはまっすぐ奥へ進んで行く当たり、これまでのMGSっぽく、第一章の最後に相応しいマップだなと感じた。アフガニスタンは岩場で囲まれているため、ミッションによってはこれまでの一本道なMGSシリーズっぽい。「蜜蜂はどこで眠る」などもこれまでのシリーズを彷彿とさせるマップ構成になっている。

オープンワールドという割には、ミッションの領域が制限されているため、自由にどこからでも始められるわけではない。一つの拠点のみで完遂するミッションも少なくない。ただし、カズを助けに行く「ダイヤモンドの犬」、油田施設を破壊する「漆黒の下」 などはエリアも広いため楽しめた。個人的に好きなミッションである。

MGSV TPPはオープンワールドとしての必然性がなく、ただ広いだけで代わり映えのしない練られていないマップを駆けずり回る羽目になる。シームレスなグロズニィーグラードのようなマップが欲しかった。メタルギアとしてのオープンワールドの答えがMGSV TPPだとしたら、とても残念だなと感じる。

メタルギアサーガと小島監督

小島監督コナミを去ってしまったため、彼がメタルギアを作ることはしばらくはないだろう。コナミからはサバイブがアナウンスされているけども。

小島監督はヒデラジにて007のように続いて欲しいと語っていた。その割には、当初正史扱いだったMPOを後から外伝としたり、MGRのプロデュースも一回頓挫し、プラチナゲームスからようやくリリースすることができた。個人的にはメタルギアを神話ではなくサーガにしたいのならば小島監督メタルギアから引くべきだと思っている。これ以上本編をこねくり回すことも無理だろう。MGRは当初謳われた剣激の爽快感という点ではイマイチであるが、バカバカしいストーリーは結構メタルギアっぽいと思っているので、プラチナゲームスがメタルギアサーガを引き継げば面白いことになるんじゃないかなと期待している。

コナミ小島監督を追い出した形である。ゲーマーとして見るとコナミは酷い会社である。現にコナミは多くのIPを死蔵させている。にもかかわらず小島監督の以内メタルギアのみ残してどうするのかという。
コナミは権利を抑えるくせにIPを上手く扱えない会社だなとつくづく思う。なんだよ、ときメモファンドって。
マリオにしてもドラクエにしても軸となるナンバリングは宮本さんや堀井さんなど中心となるディレクターが仕切っているが、スピンオフ作品も多い。コナミはどうにもそれが上手くいかない。コナミはプロダクション制を取っていたが、そのプロダクションの拘りが強すぎるのかなとも思える。
結局、プロダクションは解体され小島監督に限らず、多くの有名ディレクターやデザイナーが退職していった。しかも、円満多色という形ではない。小島監督も追い出された身であるが、彼はかつてコナミ執行役員で副社長でもあった。小島監督を被害者としてみるのには自分としては抵抗がある。コナミの社内プロダクションがなくなりIPを維持できなくなったのは、小島監督にも責任があるだろう。
小島監督は自身の手がける作品のディレクションには拘るが、MPOが正史ではなくなったり、MGRが頓挫しそうになったりと、プロデュースは上手くない。小島プロダクションによるキャッスルバニアは商業的には成功したけども、IGAこと五十嵐さんは退職してクラウドファンディングで資金を募りゲームを作ろうとしている。サイレントヒルズは制作中止になってしまった。Z. O. E. の続編が出ないのも、彼のプロデュースの問題だろう。 小島監督はしばしキャメロン監督と自身を重ねるが、ノーランの方に近いかなと思う。

小島監督は拘りが強すぎ完璧主義者である。彼自身もゲームだからこそリリースできるのだと語っていた。映画監督に憧れていたし、小説なども書いたことがあるそうだが、完璧を目指すため発表することができなかったそうだ。しかし、ゲーム場合は最終的に完成させるにはプレイヤーにプレイしてもらわなければならない。だからゲームの場合はリリースできるのだとヒデラジで語っていた。MGSVについても開発期間が非常に長い。リリースすれば回収できるであろうが、彼に全てを任せてしまうといつリリースできるか分からなくなる。博打みたいなものだ。

小島監督はコジマプロダクションを設立したが、拘りすぎて何もできないんじゃないかなと僕は思っている。余程体力のある会社や投資家出ない限り、コジマプロダクションに仕事を頼む派博打に過ぎるなと思う。

おすすめかと追われると微妙

ゲームとしてはやはり良くできている。できること、やれることも多くボリュームも十分だ。しかしながら、オープンワールドとして見た場合には不満が残る。多様な攻略法があるものの大雑把であるとも言える。
ストーリーはスネークがボックボスへ至る過程は描いていると思う。しかし、その周辺が愛国者達になっていく過程は納得できない部分が多いし、オセロットやカズなどのビックボス周辺のキャラクターは、スネークがビックボスになるために「配置」されているようでキャラクターの造形に違和感がある。何よりスカルフェイスが万能過ぎるのだ。その割に、他に魅力的な敵キャラクターがいるわけでもない。
やったことがない人に薦められるかというと、正直微妙である。他のゲームをやった方が良いと思う。

小島監督にしてもコナミを追い出された点は同情的に見られているものの、彼自身は取締役だった時期がある。彼自身がディレクションしたMGSシリーズは結果を出しているが、プロデュース作品は紆余曲折があってリリースされたり、頓挫してしまったりしている。MGSをもっと広く展開する方法もあったはずだ。これらの点を考慮すると、コナミの現在の状況は小島監督にも責任の一端があるだろう。
小島監督は完璧主義者である。しかし、一人の人間が目をかけることができる範囲には限界がある。人に任せることができないためプロデュースは上手くないのだろう。さらに完璧に仕上げるには時間がかかる。新生コジマプロダクションも、作品はいつ出てくるやら。

私自身はメタルギアをサーガとして続けていくならば、小島監督は手を引くべきだと思っていた。とは言うものの、コナミに自社IPをきちんとハンドリングできる能力があるようにも思えず、正直微妙だなと思っている。