HUAWEI P9を買った

Xperia Z3からHUAWEIのP9へ乗り換えました。Xperia Z3の画面が割れてタッチパネルも利かなくなったからという消極的な理由。

最近、ガジェット運がないので、3年安心保障のある e-TREND|ファーウェイジャパン EVA-L09/P9/TG [Huawei P9/Titanium Grey] から購入。また、ラギッド・アーマーとガラスフィルムもAmazonから購入。ラギッド・アーマーは見た目もかっこよく、ホールド感があり安心感できます。ガラスフィルムとの一体感もあります。

WANLOK 2016 改善版 HUAWEI P9 5.2インチ フルカバー ブラックフレーム ガラスフィルム 【実機確認済】 NSG 日本板硝子社 国産ガラス採用 ガラスフィルム 2.5D 硬度9H 0.3mm ラウンドエッジ加工 【国内正規流通品】 P9 Black…

ファーストインプレッションとしては、非常にiPhoneチックだなと。丸無を帯びたエッジはiPhone6見たいですし、UIや画面の動きもヌルヌルでiOSみたい。イヤホンも完全にiPhone

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Xperia Z3と比較して

画面は、Xperia Z3の方がクリアに見えます。一方、P9はUIのデザインもあるでしょうが、柔らかい感じ。カメラはZ3がシャープでクリアで、P9はコントラストが強いです。カメラとしての使い勝手はシャッターボタンのあるZ3に分がありますが、P9の「プロモード」はシャッタースピードや露出、絞りなどを調節でき、面白いですね。

P9には指紋センサーがあるので、レポンスが良くスリープからの立ち上がりがスムーズです。Z3はポケットで誤作動することがよくありましたが、P9には「タップ無効モード」があるので、誤作動は起こらなさそうです。指紋センサーは、カメラのシャッターを切れたり、スライドで通知パネルを出せたりと使い勝手もナイスです。
通知パネルに関しては素のAndroidに近い、Z3の方が好みです。慣れの問題ではありますが、Z3の方がWi-Fi設定などにアクセスするステップが少なく感じます。

Z3よりも明らかに良くなったのは電波の掴みですが、それは私のXperia Z3がグローバル版のため、LTEのバンドがマッチしてなかったから。SIMフリー端末を購入する際は、LTEバンドも意識しないとダメですね。

また、Xperia Z3はストレージの容量が16GBでSDカードにアプリを退避するなどしてやりくりしていましたが、P9だと32GBのため、そこまで神経質になる必要がないです。ただ、ほぼ同じようなアプリをインストールしてるはずなのに、Z3ではストレージが14GBも占有しているのに、P9では8GBで事足りました。Z3はプリインストールアプリの容量が多いのかなぁ。

独自UIのEMUIは色々設定できるのですが、設定項目が多すぎる気がします。網羅的にまとめられているサイトがなかったので、まとめておこうかと思います。

先ずは通知やバッテリー周りを設定しよう

P9に日本モデルはNFCが付いているので、タップ&ゴーでデータ移行ができるかと思っていましたが、上手く動作しませんでした。
連絡先やブックマークなどはGoogleバックアップで移行できますし、写真や音楽はSDカードに保存してあるので、データの移行は特に問題なし。
アプリを移行できなくても、不必要だったアプリを整理できる面もあります。Google認証やLINEの移行などがやや面倒かなといった感じです。

Wi-Fiやら、APNの設定やら、アカウントの移行が済み、アプリをインストールし終えたら、先ず確認しておきたいのが、通知周りの設定。EMUIは、バッテリーの持ちを良くするために、強烈なスリープモードを搭載しています。アプリを保護しないと、画面オフ時にアプリが起動しないため、プッシュ通知が来ません。
Xperiaシリーズにも、似たような電源プランがありました。日本版はスリープするアプリを選択する形式でしたが、グローバル版はその逆で起動させたいアプリを選択する方式でした。前者がブラックリスト、後者がホワイトリスト形式ですが、EMUIはホワイトリスト形式となっています。

プリインストールアプリのほとんどはアンインストールできませんが、アプリを非表示にすることもできます。ホーム画面でピンチアウトすると、非表示にするアプリを設定できます。非表示になったアプリは、ピンチアウトした画面にまとめられるので、ランチャーのような使い方もできます。

ランチャーの変更は「ホーム画面のスタイル」からではなく、[設定]→[アプリ] を開き、左下の「詳細設定」からデフォルトのアプリを変更できます。その他に、メーラーメッセンジャーなどもここから変更します。

プリインストールされたアプリのみで痒いところに手が届きます。例えば、メモリ最適化やキャッシュ削除などもできます。ファイルマネジャーもしっかりしてますね。
通信量の管理も設定できます。個人的に便利だなと思ったのは、通知バーに通信速度を表示できること。通信制限がかかっているか、読み込みが遅いのは通信速度の問題なのかアプリ側の問題なのかを確認できて助かります。

便利かもしれない設定

[設定] → [指紋ID] から、指紋センサーのジェスチャーを設定できます。長押しで写真撮影や電話を受けることができます。また、スライドすると通知パネルを表示でき、ダブルタップで通知を一括消去することができます。
写真を閲覧する際に、左右のスライドで写真を切り替えることもできます。この機能はKindleなどで利用できれば、便利そうなのですが、プリインストールされた「ギャラリー」でのみでしか利用できません。

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[設定]→[スマートアシスト] からも、色々な設定が可能です。私が使っているのは、フローディングボタンとワンハンドUI。
フローディングボタンはiOSにもありますが、EMUIでは画面の左右端吸い付いたフローディングボタンをタップにより展開して使用します。ナビゲーションバーおよび、画面のロック、メモリの最適化を行えます。私の周りのiPhoneを使っている中国人を見ると、大体の人がフローディングボタンを使っているので、中国では人気のある機能なのかなと。



ワンハンドUIとしては、似たような機能がiOSにありますが、EMUIではナビゲーションバーを左右にスワイプすると、画面が縮小されます。ギリギリ片手で、Chromeのホームボタンが押せるかなという縮小具合です。

ナックルジェスチャーは記事を書く際にスクリーンショットを撮影するために使いました。

電源プランも細かく設定できます。面白いなと感じたのは、解像度を下げることができる点。解像度を下げると、バッテリー消費を抑えるほかにも、ゲームの動作を軽くすることができます。

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細かな使い午後値などは後日

カメラや電池の持ちなどは、また後日に書こうと思います。
デザインや、指紋認証など満足しています。GPU周りが弱いようですが、ゲームをそこまでやらないので、実はそこまでハイスペックなスマホが必要ないのかなとも。

Xperia Z3の画面が割れた(故障は3度目)

Xperia Z3が無ければ即死たっだ……

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画面が割れて、タッチパネルが利かなくなりました。マウスをUSBで接続すればタッチパネルが死んでも使えるのがAndroid端末の良いところですね……。ちなみに、過去に二回壊れてるので、今回で三回目です。

ベッドくらいの高さから畳の上に落としたのに、「このスマホが無ければ即死だった……」みたな割れ方。それもそのはず、落下防止用のストラップがクリーンヒットしたようです。なんのためのストラップなのか。落下防止用のストラップを使っている皆さんはお気を付け下さい。

過去の二回は保証期間内だったので、無償で修理できましたが、今回は実費。調べてみると、パネルの修理を業者に委託すると2万円くらい。Amazonで修理キットが1万円未満で購入できますが、自分で修理した人のブログを読む限り難易度が高く、業者に任せた方が良さそう。

三度も修理するほどには最早愛着はないし、今度1年以内には買い換えるつもりだったので、2万円で修理するくらいなら、前倒しで新しい端末を購入することに。本当は、Zenphone3や新しいNexusシリーズを見てから検討したかったけど、10月までは待てないのでしょうがない。

HUAWEI P9を注文

先日ヨドバシカメラでみたHUAWEI P9が割と良かったので、こいつで即決。ただ、最近はXperia Z3の他にSurface Pro3も過去に二度修理しており、ガジェット運がないので何か新しく買うのは心配。そこで、三年保障のをつけられる e-TREND|ファーウェイジャパン EVA-L09/P9/TG [Huawei P9/Titanium Grey] から購入。

2年目は購入額の70%、3年目は40%までしか保障されないけど、全損で無い限りは修理費くらいは保障できそう。ただし、免責額3000円かかりますが。HUAWEIも日本できちんと修理できるようで、これなら安心です。

Surface Pro3がまた壊れました(2ヶ月ぶり2回目)

前回はタイプカバーを認識せず、画面が回転しなくなりましたが、今回はWi-FiBluetoothが死にました。なぜか、初期化すらできなくなったのでOSの不具合かハードが壊れたのかは不明。

スリープモードから立ち上げたら、Wi-Fiを認識せず。Microsoftのページを確認しながら、ツーボタンによる起動やドライバの再インストールを試みましたが、全くダメ。Wi-Fiトラブルシューティングを試みたら、何らかの理由でWi-Fiが繋がらないという情報しか得られず。しょうがないので、ヘルプデスクとチャット。機内モードになってないかとか基本的なことから試しましたが、全くダメ。そうこうしてい内にBluetoothも死んでいることが発覚。最終的にオペレーターから交換を持ちかけられました。
交換するのは二回目ですが、前回の交換から90日以内なので初期不良として無料で交換できるとのこと。前回届いた際の段ボールを保管しておいて良かったです(よくない)。
交換する際に、初期化する必要はないと言われましたが、試しに初期化をやってみたら、なぜかエラーを吐かれるという困った状態に。ハードよりもOSが死んでる気がします。

1年半くらいはスムーズに使えていたのに、日本に帰ってきたら全然ダメですね。使い方も特に変わってないと思うんですが。次もどうせ壊れるなら、無償で交換できる3ヶ月以内に壊れてほしいものですね。なので、9月頃までにお願いします。

Fallout 4は選択と対立のゲームである。

※スカイリムとFallout 4のネタバレを含んでいます。

あらすじ

核戦争後のアメリカを舞台としたFalloutシリーズのナンバリングタイトルの4作目。シリーズとして初めて核戦争前生まれの人物が主人公となっている。

マサチューセッツで暮らしていた退役軍人のエンジニアの夫と弁護士の妻は息子のショーンが生まれたばかりで幸せな日々を送っていた。核シェルターであるVaultへ避難できる権利を得たまさにその日に核戦争が勃発。ボストンにも原爆が投下されたが、Valut111へ逃げ込むことができた。その後、スタッフに誘導されるままに家族はコールドスリープされる。
何年経ったか分からないが、コールドスリープを解除した闖入者により息子は誘拐され配偶者は殺されてしまう。後を追うにも、そのままコールドスリープされ、また眠りにつく主人公。再度コールドスリープから目覚めた主人公は、Vallut111から脱出し、核戦争により荒廃しマサチューセッツの名が失われた連邦を目の当たりにしながら、配偶者の仇を討ち、息子を探すための旅に出る。

Commonwealth of MassachusettsからCommonwealthへ

本作ではボストンの街が再現されている。ゲーム中でのスケールは実物よりも小さいが、州議事堂やMIT(ゲーム中ではCIT) の位置関係や建物の雰囲気はそのまま。ウォーターフロントもボストンらしく仕上がっている。フリーダムトレイルもゲーム内で歩くことができ、実際に行ってみたことのある自分としてはゲーム中の街並みを非常に楽しめた。

無法地帯となったマサチューセッツは元の名前が失われ連邦と呼ばれている。マサチューセッツ州は、他の州(State)と異なり、Commonwealth of Massachusettsが正式名称である。恐らくCommonwealthだけが残って連邦と呼ばれるようになったのだろう。連邦にはモンスターの群れや、ならず者集団の他、種々の組織が対立していて、お互いにドンパチやっている。主人公は息子を探す中で4つの組織と関わり協力することとなる。その4つとはミニッツメン、B.O.S.、レールロード、インスティチュートである。

Fallout 4はロールプレイか

連邦には様々な脅威がある。先ずは放射能により誕生したモンスターたち。巨大化した甲殻類、人間のなれの果てであるグール、スーパーミュータントが主人公を襲う。ならず者のレイダーや、傭兵集団のガンナーなど生き残った人間も脅威だ。
これらは脅威ではあるものの、脅威の対象が明確だ。力さえあれば対抗できる脅威でもある。連邦には目に見えない脅威が蔓延している。それが、インスティチュートによる人造人間だ。初期型は機会面しているため、一目で人造人間と分かるが、Synthと呼ばれる第三世代の人造人間は人間とは見分けが付かない。インスティチュートは人造人間をスパイのように潜り込ませている。インスティチュートの目的も分からなければ、その存在も謎に包まれている。ある日を境に隣人や知人、家族が人造人間に入れ替わっているかもしれない。インスティチュート自体が謎に包まれているため、抵抗のしようが無い。

主人公と関わる4つの組織は、ミニッツメン、B.O.S.、レールロード、インスティチュートである。それぞれが、連邦で問題となっている人造人間と関わりが深い。

最初に出会うのはミニッツメンだ。実在した民兵がモデルで、招集されたら1分で駆けつけることから付いた名のため、単数形のミニットメンが正しいはずだが、日本語訳ではミニッツメンとなっている。主人公が出会った頃には信用を失い多くのメンバーも離散してしまっており、組織としては壊滅寸前であった。主人公の協力、つまり4の目玉である「クラフト」により復興していく。
プレイヤーはミニッツメンと協力して、入植者を集めて居住地を発展させることができるが、その入植者の中にSynthが紛れ込んでいることがある。人造人間の存在は入植者同士に疑心暗鬼を生じさせている。

恐らく、次に接触するのがB.O.S.だろうか。レールロードと前後する場合もある。行きすぎたテクノロジーが核戦争を引き起こしたと考えており、テクノロジーの回収と、その管理を目的としている。3では住人保護にも目を向けていたが、現在は本来の理念に近い団体へと戻っているようだ。元々はUS Armyの生き残りによって組織されているため、非常に統率がとれた規律ある団体である。
人造人間を核戦争を引き起こしたのと同等の忌むべきテクノロジーと見なしており、インスティチュートを壊滅させるために連邦へやってきた。

次に接触するのがレールロード。ミニッツメン同様に実在した団体がモデルで、こちらは黒人をカナダへ亡命させていた組織の名から。Fallout 4ではSynthの解放を目的としており、諜報活動に強い集団である。人造人間を忌むべき存在と捉えているB.O.S.とはお互いに良好な関係では無い。

そして、最後に謎に包まれ連邦における脅威の元凶とされるインスティチュートとも接触する。
地下へ逃げ込んだボストンにある大学の科学者によって組織された団体のため、科学力は非常に高い。しかし、地下に潜伏しているため慢性的にエネルギーや資源が不足しているようだ。資源の確保や、実験のため、地上に人造人間を送り込んでいる。目的を実行するため地上の人間をSynthと入れ替えるなど、地上を蔑ろにした手段をとっていることから、地上の人々からは敵視されている。

それぞれの勢力と関わることで、主人公はショーンを見つけだす。その後、プレイヤーは4つの勢力の内の一つを選択し、他の勢力を滅ぼすことになる。Fallout 4の主人公は、ロールプレイする上ではバックグラウンドがありすぎるのだが、メインシナリオは息子を見つけ出した時点で終了する。どの集団に力を貸すかは、まさにプレイヤーの意思であり選択だ。そして、その選択は非常にジレンマの強いものとなっており、この点では紛れもないロールプレイであると言えるだろう。

対立を描いたきたベゼスタ 実装したかったベゼスタ

冒頭に述べたように、Fallout 4は対立と選択のゲームである。ベゼスタは対立と選択を物語としては描いてきたものの、システムとしてはうまく実装できていなかった。
Skyrimでも帝国とストームロークの対立が描かれており、プレイヤーは一方の勢力に手を貸すことができたが、どちらを選んでも各地の街の頭がすげかわるだけで、ゲームシステム上に大きな違いはない。まぁ、実世界も頭がすげ変わっただけで、下々のものに大きな影響がないという点では間違ってないわけだが。

SkyrimDLCであるドーンガードでは、対立がゲームシステムとしても実装されている。Fallout 4はこれを発展させたものだろう。ドーンガードを支援すると新しい武具を作れるようになり、吸血鬼になるとその能力が使えるようになる。どちらか一つしか選べず、一方を選ぶと、もう片方の勢力と対立し、滅ぼさなければならない。。例えば、吸血鬼を成敗するドーンガードになると、ドンガードが味方となり助けてくれるが、吸血鬼とは敵対するため、Skyrimの散策中に吸血鬼と出会うと襲われてしまう。その逆もしかり。帝国とストームロークの対立においてもどちらかの勢力に力を貸すと、プレイヤーは片方と敵対するものの、プレイヤーが率先して相手方の陣地にけしかけない限り襲われることはない。
プレイヤーからすると、帝国とストームロークはアクティブ、ドーンガードと吸血鬼はパッシブな対立に感じられる。

Fallout 4では常時アクティブとパッシブな対立が並立している。また、対立の規模も大きくなっている。ドーンガードのDLCを導入しない場合でも、SkyrimではNPC同士が戦闘していることはあったが、魔術師同士の喧嘩や、モンスターに襲われる旅人などの小さないざこざである。ドラゴンとその他集団が闘っていることもあるけれど、それでもFallout 4に比べれば小さい。連邦を散策しているとミュータントとレイダーが闘っていたり、さらにそこにB.O.S.も割って入ったりする。B.O.S.と敵対していなければ、彼らと協力してモンスターやならずもの集団をやっつけることができる。仮に敵対していても漁夫の利を狙って経験値などを稼ぐことも可能だ。

Skyrimの帝国とストームロークの対立で大人数が互いに戦うイベントがあったが、Fallout 4ではそれよりも多人数かつ三つ巴、ともすれば4つ巴ともなる大規模な対立を表現できるようになった。アクティブとパッシブな対立の並立と、大規模な戦闘を実装できるようになったのは、PCの処理能力が向上したからだろう。

正史は果たして?

私は、取りあえずB.O.S.、レールロード、インスティチュートのルートをプレイしてみた。どのルートでもミニッツメンとは敵対していない状態でクリアした。今後、ミニッツメンのルートをプレイする予定だ。

どのルートが正史となるかは、次回作で仄めかされるのだだろうが、ストーリーやシステム面との兼ね合いを鑑みると、ミニッツメンルートであろう。ミニッツメンルートならB.O.S.とレールロードは生き残る。クラフトが目玉でもあるし、ミニッツメンルートはプレイヤーがミニッツメンを意識して復興させないと進めることができないからだ。

以下ネタバレと私の選択

ネタバレと言っても、未プレイでもここまで読んだ人は大体察しが付くのではなかろうか。舞台設定からすると、そのような道筋の他はないだろう。


ショーンを掠ったのはインスティチュートである。コールドスリープをネタにしている以上、ショーンの年齢は主人を超えていることも推測できる。その場合、ショーンはインスティチュート内でそれなりの地位にいると考えられる。
そのように考えていたので、ショーンがインスティチュートのトップであることに、そこまでの驚きはなかった。

息子のショーンはインスティチュートによって誘拐された。有機ベースの人造人間であるSynthを開発するにあたり、放射能の影響を受けていない遺伝子が必要だったからだ。核戦争前に生まれ、その直後にコールドスリープされたショーンはうってつけの存在であった。その両親もバックアップとして利用可能である。
かくして、ショーンの遺伝子から第三世代の人造人間であるSynthが造られた。ショーンはSynthの父であり、現在のインスティチュートの基盤を作った人材でもある。そのため、インスティチュートでは二つの意味を込めてファーザーと呼ばれている。
男主人公だと、息子を探しに行ったのにファーザーに出会う、なんとも倒錯したストーリーになる。

ファーザーはインスティチュートでも治療できないガンに侵されている。死期を悟り、最期に親の愛情を知りたくなったのか、主人公をコールドスリープから目覚めさせ、自分を探しに来るかを確かめた。主人公は苦難を乗り越え息子を探し当て、ファーザーは無償の愛を実感する。
B.O.S.やレールロードが血眼になって探したインスティチュートの本拠地主人公が潜入できたのも、主人公がファーザーの親だからだ。親でなかったら追い返されているし、レールロードも諜報活動を続けられないだろう。つまり、すべてはファーザーの手のひらの上なのだ。
とはいうものの、いきなり親を荒廃した連邦にほっぽり出すなら、影から何らかの支援をしてやれよ、と思わないでもないが。

インスティチュートに潜入してからプレイヤーはどの勢力に力を貸すかを選択しなければならない。
インスティチュート以外にならば息子と敵対することとなる。親の立場で考えると、息子の遺志を継いでも良いし、自分よりも年齢を重ねたショーンを息子と認めない選択肢もありだろう。末期ガンに冒されているため、お世話になった組織に義理立てしてショーンを殺す場合にも、ショーンがちょと先に死ぬか後に死ぬかの違いしかないと正当化しても良い。
自分の理念を重ねても良いし、ゲーム上の特典で選択しても良いだろう。どちらにせよ、選択にはジレンマを与えるように構成されている。例えば、組織の理念で選択するにしても、どの組織にも一長一短がある。

ミニッツメンは組織としての力がない。プレイヤーが発展させない限り、インスティチュートからは敵とも認識されないほど小さな勢力だ。これは他の二つの勢力からも、同様に脅威にならないと認識されているだろう。

B.O.S.は4つの中では、管理されたまともな組織である。しかし、その組織は連邦の住民を向いておらず、主目的はテクノロジーの管理である。そのテクノロジーの管理も、ともすれば独占であり、それが住民へ向かない保証はない。

レールロードの理念はすばらしいが、解放後の人造人間がしばし人間社会で問題を引き起こすことを軽視している。

インスティチュートは倫理面で問題外だ。生き残った学者に社会学社はいなかったのかと思わないでもないが、Voult-Techが存在してた世界線な上に文明も崩壊してる点を考えると、我々の常識で考えるべきではなさそうだ。ただし、科学力はずば抜けている。

それぞれが現実社会における団体の誇張表現とも捉えられる。ミニッツメンは組織力のないボランティア団体だし、B.O.S.は政府のない規律だけが存続した軍部であり、レールロードは理念は立派な過激派人権団体、インスティチュートは倫理のない科学者を煮詰めたような集団だろう。

私の選択

私は、インスティチュートルートを選んだ。
息子のためというよりも、インスティチュートの科学力を後世に残さないのはもったいないと考えたから。その内、人造人間にも人権があると認める可能性も残されているし、解放を望む人造人間に裏切られても面白いだろう。
当初はレールロードも悪くないかなと考えたが、人造人間の可能性をつぶすのは勿体ないなとも。個人的には、人造人間やグールなどが生きる世界の方が面白いと感じている。
見方は一つではないはずで、ショーン最期の盛大なわがままをかなえる親という立場を振る舞うことも可能だろう。

インスティチュートルートだと、連邦に来たB.O.S.は壊滅するけども、本部が残っているわけで、B.O.S.そのものが無くなるわけではない。これ以上人造人間が製造されないレールロードは存続できなさそうであるが。

先にも述べたが、主人公やプレイヤーが介入できる余地がある組織はミニッツメンだけで、その他は主人公だけでは組織の体質を変えるのは困難であろう。そのため、正史はミニッツメンルートになるんじゃないかなと。

Fallout 4は、人造人間やロボットに人格が宿るのか、その場合人間や人造人間はどのように振る舞うのかという疑問を投げかける作品でもある。興味深い議論ではあるが、これはまたの機会に。

チリのサケ養殖について調べてみた

ハフィントンポストの 日本のスーパーで売られているチリ産の鮭を地元の人が食べない理由 | 菊池木乃実 では、サケの餌、殺虫剤、抗生物質による汚染の点からチリで養殖されたサケを地元民は食べないと書かれています。
これに対して、水産商社を名乗る人が チリでサーモンは大人気の高級魚!サーモン記事のここがデマだ! - サーモンガレッジ! において、サケが養殖しやすい魚であることから反論しています。両者は微妙にかみ合っていないように感じられます。
ハフィントンポストは伝聞や地元民を使って自分の意見を書いている点が信用に値しないなと。一方で、水産商社の方も地元の養殖業者の声という点で信用度はどっちもどっちかなと。

パタゴニアの人がサーモンを食べない理由は、環境汚染云々よりも地域的なものや価格的なものじゃないかなと。アルゼンチンとの国境近いパタゴニアとサケの養殖が行われているチリの西海岸では食文化も魚介類の価格も異なるでしょう。

チリにおけるサケ養殖の問題点

チリにおけるサケ養殖の問題点は http://www.parc-jp.org/kenkyuu/2008/chile-salmon2006.pdf が色々な地元住民の声を拾い上げて、良くまとまっています。調査研究│PARC NPO法人アジア太平洋資料センター による2006年の報告書で、大きく5つの問題点が指摘されています。飼料転換率の問題点、海洋汚染、殺虫剤・抗生物質の使用が不可欠、劣悪な労働環境、行政能力の不足の5つです。

チリで大量死が続発、サケ養殖が一因か | ナショナルジオグラフィック日本版サイト にあるように、2016年現在でもチリ付近の海洋汚染は依然として問題となっています。
2015年の在チリ日本大使館の報告書である http://www.cl.emb-japan.go.jp/doc/1508_eco.pdf によると、米国のコストコ寄生虫を理由にチリ産のサケの取り扱いを停止しています。海洋汚染や寄生虫などの問題は解決されていないようです。

本稿では、ざっくり飼料転換率、海洋汚染、殺虫剤・抗生物質の3つを記しておきます。

飼料転換率の問題点

水産庁/(1)養殖業の経営 にも取り上げられるように、ノルウェーにおけるタイセイヨウサケの養殖は増肉係数(飼料転換率)は1.2と極めて高いです。先のNPOのまとめでも、チリでの増肉係数は1.4と低い値を示しています。

増肉係数が極めて高いのは、飼料の改質が行われた結果でもあります。この手の係数を考慮する場合、比較したい対象を見定める必要があります。例えば、鮮魚と乾燥させた魚粉とでは、後者の方が増肉係数は低くなります。養殖の効率を比較する場合、鮮魚でない飼料を扱えた方がコストを抑える面で有利です。
結果として、増肉係数が低い方が価格を抑えられます。
ただし、増肉係数が低いから必ずしも資源を効率的に用いているとは言えません。資源が効率的に利用されているかは、加工される前の飼料の重量から算出すべきでしょう。つまり、加工後の飼料から求められるのは、見かけの増肉係数と考えることもできます。これは養殖や畜産でも問題になる点です。肉牛を育てるためには多くの飼料が必要になります。得られる食糧の総量を比較した場合、肉牛を育てない方が多くの人間を養えるでしょう。もちろん、この比較は経済面の効果を無視しています。

実際は、経済的な効果も検討されるべきです。NPO法人の報告書では、漁業との関係が検討されています。また、食用とならなかったサケはサケ用以外の飼料に転用されています。
飼料による共食いは、狂牛病でも問題視されたことですが、畜産や養殖につきまとう問題です。飼料の循環を考えるに、食品連鎖として、どこまで自然なのかを線引きするのも簡単ではありません。この点は、サケの養殖のみでクローズアップされる問題でもないででしょう。

海洋汚染

チリで大量死が続発、サケ養殖が一因か | ナショナルジオグラフィック日本版サイト でも述べられるように、赤潮が発生するメカニズムは複雑なため、サケの養殖だけに原因を求めることはできません。赤潮:文部科学省 にあるようにノルウェーやカナダでも赤潮は発生しています。一方で、魚種別に見る水産資源の現状と問題/サケ|持続可能な漁業の推進|WWFジャパン によると、チリではサケの養殖により周辺の海域やパタゴニア湖の環境汚染が問題視されています。

海洋汚染の他にも、養殖のサケが天然に放流されることも問題になっていますノルウェーでは、問題解決に向けて取り組みが行われています。

殺虫剤・抗生物質の使用

養殖である以上、殺虫剤や抗生物質を使う必要があります。一方で、その使用方法や量は制限されるべきです。

チリのサケ養殖は、北半球にしか存在しない病気や寄生虫とは無縁のはずでした。しかしながら、チリの業者はこれらの病気や寄生虫に悩まされています。例えば、海シラミは南半球のチリにはいないはずです。しかし、北半球のサケ以上に海シラミに寄生されているのが現状です。
この点において、ハフィントンポストの以下の認識は誤りでしょう。

このタイプの寄生虫は、ノルウェー、アラスカなどにはいないので、殺虫剤を使う必要はないとのことです。

海洋汚染などは依然として問題のよう

報告書によると、海洋汚染に関しては、種々の要因が重なった結果だと考察されています。養殖場の水深が浅く、流れも少なく、水温が高く、魚の密度が高く、餌が残ることなどがあげられています。
ハフィントンポストの記事と水産商社マンのブログから読み取れるのは、サケの密度が高すぎる点だと感じられます。サケの密度が高ければ、病気にもなりやすく、水質が汚染されやすくなるのも道理かなと。

ハフィントンポストでは、養殖のみが付近の漁業に影響を与えたと指摘していますが、先の報告書では大型漁業の影響も懸念されています。
また、チリにおけるサケ養殖は、ノルウェー、日本、アメリカなどの資本が投入されています。 特にサーモンをブランドとして確立したノルウェーの資本が多く投入されているはずなのですが、ノルウェーでの経験が生かされていないように感じられました。

煽りすぎも良くないし、贔屓の引き倒しも良くない

ハフィントンポストの記事は煽りすぎ、水産商社の方はチリと他の国でのサケ養殖の違いをもっと誠実に書くべきかなと感じました。
つまりは、チリ政府の行政能力に問題があるのかなと。